小規模事業こそ、マーケティングが不可欠
「営業担当者の最大の敵はなかなか首を縦に振らない顧客ではなく、マーケティングだ」という話を聞いたことはないだろうか?「売る」努力をするのが営業活動なら、「売れる」仕組みをつくるのがマーケティング。だから秀逸なマーケティングが存在すれば、商品やサービスはスムーズに売れてしまい、営業担当者の仕事がなくなってしまうわけだ。やや極論だが、マーケティングの特徴をよく表す話である。
独立当初から人海戦術で営業をかけるというプランは通常、考えにくい。マーケティングこそ、小規模独立の強い味方である。ぜひ、この発想と手法を事業プラン立案に活用してほしい。
マーケティングとは、「売れる」流れづくり
マーケティングとは、ひとつの事柄を指す単語ではなく、ある市場に対して、商品やサービスが売れるための仕組みをつくっていく一連の活動のことである。どういう相手に、どんな商品を見せて、どんなアピールの仕方で、どんな値段なら買う気になってくれるかを徹底的に研究し、企画する作業と考えればいい。ちなみに「売れる仕組みづくり」は「売り込む手段」=セリングとは違う。先に商品やサービスありきのセリングに対し、マーケティングは、市場が求める「モノやこと」は何かから、プランを立てていく手法だからだ。
この「モノやこと」を事業にするための重要なキーワードが「5P」である。流通・場所(Place)、製品(Product)、価格(Price)、販売促進(Promotion)、企業姿勢(Policy)の5つの頭文字を取ったもので、この5つがそれぞれに関連し、相乗することで「売れる仕組み」ができ上がっていくのである。
マーケティングの「5P」