アントレ-会社と役員のための税金ガイド-会社が納める税金の基礎を理解しよう

11.会社と役員のための税金ガイド

02会社が納める税金の基礎を理解しよう

法人税等の算出の方法

会社が納める主な税金は法人税、消費税、法人住民税(都道府県民税、市町村民税)、事業税などである。
このうち、消費税だけは、売り上げの際に預かった税金から、支払いの際に預けた税金を差し引き、その差額を納めるという仕組みである。そのほかは基本的に所得に応じて算出される。

まず法人税の算出。中小企業(資本金1億円以下の会社)の場合、800万円以下の所得には15%、それを超える部分には23.4%が課税される。たとえば、資本金1000万円の会社で、900万円の所得の場合、法人税は、800万円×15%の120万円に、800万円を超える部分の100万円×23.4%の23万4000円を足した143万4000円となる。
この法人税額をもとに地方税(法人住民税と事業税)が計算されるが、法人住民税には均等割があるため、所得がなくても一定程度の税金はかかってしまう。

正しい節税知識を身につけよう

節税は大切だが、事業基盤も固まらないうちから、納税額を減らすことばかりに腐心するのは考えもの。まずは利益と成長を生み出す事業経営の確立に専念しよう。そのうえで、費用の計上や税額控除を活用して納税額を最小限に抑え、会社の体力増強を図ればいい。
以下、小規模の会社で取り組めそうな節税方法をいくつか紹介する。まずは交際費。資本金1億円以下の会社は、特例措置により年間支出800万円までは、その全額を損金算入できる。また、06年4月以降に開始した事業年度からは、ひとり当たりの飲食費が5000円以下の交際費は、全額が損金算入可能になった。

次に引当金や準備金の活用。これらは将来、発生が予想される支出に備えて確保している資金を、事前に損金計上できる制度で、賞与引当金や退職給与引当金などのほか、取引先の貸し倒れに備える貸倒引当金がある。また、海外投資や特定の災害防止支出に備えたり、ソフトウエアの開発に携わっている場合なども、そのリスクに応じた準備金を損金として計上できる。
そのほかにも、少額資産の一括償却や特定の資産に対する特別償却、養老保険などの生命保険を使った節税、外国為替の予約を使った節税、社宅を使った節税など、多くの合法的節税方法がある。詳しくは顧問税理士に相談してほしい。

会社設立後に提出する税務関連の届出書など
届出先 届出書類 対象
税務署 法人設立届出書 すべての会社
給与支払事務所等の開設届出書
棚卸し資産の評価方法の届出書
減価償却資産の償却方法の届出書
青色申告の承認申請書 青色申告を希望する会社
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 給与を受け取る人が常時10人未満で、特例を希望する時
市区町村役場
および
都道府県税事務所
法人設立等申告書
(東京都では事業開始等申告書)
すべての会社(東京23区内は都税事務所一カ所で可)
法人税の算出方法
法人税の算出方法
地方税の算出方法
東京23区の住民税 都民税
均等割 資本金1000万円超1億円以下 18万円 従業員の数が50人以下の場合
資本金1000万円以下 7万円
法人税割 12.9% 法人税額に対して課税
東京23区以外の住民税 都道府県民税 市町村民税
均等割 資本金1000万円超1億円以下 5万円〜 13万円 従業員の数が50人以下の場合
資本金1000万円以下 2万円〜 5万円
法人税割 3.2%〜 9.7%〜 法人税額に対して課税
事業税
法人税の課税所得に税率を掛けて算出 400万円以下の部分 3.4%
400万円超800万円以下の部分 5.1%
800万円超の部分 6.7%

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