法人税等の算出の方法
会社が納める主な税金は法人税、消費税、法人住民税(都道府県民税、市町村民税)、事業税などである。
このうち、消費税だけは、売り上げの際に預かった税金から、支払いの際に預けた税金を差し引き、その差額を納めるという仕組みである。そのほかは基本的に所得に応じて算出される。
まず法人税の算出。中小企業(資本金1億円以下の会社)の場合、800万円以下の所得には15%、それを超える部分には23.4%が課税される。たとえば、資本金1000万円の会社で、900万円の所得の場合、法人税は、800万円×15%の120万円に、800万円を超える部分の100万円×23.4%の23万4000円を足した143万4000円となる。
この法人税額をもとに地方税(法人住民税と事業税)が計算されるが、法人住民税には均等割があるため、所得がなくても一定程度の税金はかかってしまう。
正しい節税知識を身につけよう
節税は大切だが、事業基盤も固まらないうちから、納税額を減らすことばかりに腐心するのは考えもの。まずは利益と成長を生み出す事業経営の確立に専念しよう。そのうえで、費用の計上や税額控除を活用して納税額を最小限に抑え、会社の体力増強を図ればいい。
以下、小規模の会社で取り組めそうな節税方法をいくつか紹介する。まずは交際費。資本金1億円以下の会社は、特例措置により年間支出800万円までは、その全額を損金算入できる。また、06年4月以降に開始した事業年度からは、ひとり当たりの飲食費が5000円以下の交際費は、全額が損金算入可能になった。
次に引当金や準備金の活用。これらは将来、発生が予想される支出に備えて確保している資金を、事前に損金計上できる制度で、賞与引当金や退職給与引当金などのほか、取引先の貸し倒れに備える貸倒引当金がある。また、海外投資や特定の災害防止支出に備えたり、ソフトウエアの開発に携わっている場合なども、そのリスクに応じた準備金を損金として計上できる。
そのほかにも、少額資産の一括償却や特定の資産に対する特別償却、養老保険などの生命保険を使った節税、外国為替の予約を使った節税、社宅を使った節税など、多くの合法的節税方法がある。詳しくは顧問税理士に相談してほしい。
会社設立後に提出する税務関連の届出書など
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届出先 |
届出書類 |
対象 |
税務署 |
法人設立届出書 |
すべての会社 |
給与支払事務所等の開設届出書 |
棚卸し資産の評価方法の届出書 |
減価償却資産の償却方法の届出書 |
青色申告の承認申請書 |
青色申告を希望する会社 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
給与を受け取る人が常時10人未満で、特例を希望する時 |
市区町村役場 および 都道府県税事務所 |
法人設立等申告書 (東京都では事業開始等申告書) |
すべての会社(東京23区内は都税事務所一カ所で可) |
法人税の算出方法
地方税の算出方法
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東京23区の住民税 |
都民税 |
|
均等割 |
資本金1000万円超1億円以下 |
18万円 |
従業員の数が50人以下の場合 |
資本金1000万円以下 |
7万円 |
法人税割 |
12.9% |
法人税額に対して課税 |
東京23区以外の住民税 |
都道府県民税 |
市町村民税 |
|
均等割 |
資本金1000万円超1億円以下 |
5万円〜 |
13万円 |
従業員の数が50人以下の場合 |
資本金1000万円以下 |
2万円〜 |
5万円 |
法人税割 |
3.2%〜 |
9.7%〜 |
法人税額に対して課税 |
事業税 |
法人税の課税所得に税率を掛けて算出 |
400万円以下の部分 |
3.4% |
400万円超800万円以下の部分 |
5.1% |
800万円超の部分 |
6.7% |