アントレ-独立準備の前に-独立資源を正しく認識しよう

1.独立準備の前に

02独立資源を正しく認識しよう

仕組みがあってこそ、資源は資源足りうる

独立資源とは、独立を実現するための資源であると同時に、独立を継続させ、事業を発展させていくための資源でもある。もっとも、資源は、そのままの状態では役に立たない。石油に例えれば、それは、燃焼させることで、初めて動力資源になるわけだ。これを独立に置き換えてみよう。
たとえば、何らかの資格があるだけではダメ。その資格を、どのように、どこで、いつ使うのか……。そうしたプランを得て、初めて資格は独立資源になるのである。こう説明すると、「独立資源なんて、自分にはないかもしれない」と不安に思う人もいるだろうが、むしろ逆。一見、たいしたことのないように思われる経験や能力、財産でも、それを投入する事業との相性が良ければ、立派な独立資源になるのである。

よく探せば、資源は必ず見つけられる

では、具体例を挙げてみよう。Aさんは資格こそないが、経理実務25年の実績を持つ。だが、勤務先は早期退職を勧めている。そこで他社に転職しようとするが門は狭い。しかし、この実績を経理スタッフを雇えないような小さな会社に対して、ひとり分の給料より格安の料金で提供してみる。作業を絞れば件数もこなせる。結果、経理代行サービスの誕生である。もうひとつ。Bさんは、駅から離れた住宅地に築35年の住宅を所有している。不動産として見れば価値は低い。が、飲食店開業を目指し、この住居を使うことにする。結果、「レトロ感覚あふれる、隠れ家的な店」の誕生である。
このように、独立のための資源は、実は、それを何に対して、どう使うかさえイメージできれば、想像以上に自分の身近なところに豊富に存在するものだ。

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