会社員(給与所得者)と個人事業主の保険の違いを知ろう
個人事業主
社会保険 |
国民年金 |
納付先は国になるが、加入手続きは、元の勤務先から年金手帳をもらい、市区町村役場の窓口で行う。1カ月1万6490円の定額払い。年一括払いもできる。問い合わせ先はその地域を管轄する年金事務所となる |
国民健康保険 |
退職後、市区町村の健康保険課で加入手続きをする。前年分の所得に応じて保険料が決まる。40歳以上の人は介護保険料も併せて請求される。納付回数は市区町村によって異なる。医療費自己負担額は3割。また従来、加入していた健保に継続加入することもできるが、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要 |
会社員など給与所得者
社会保険 |
厚生年金 |
毎月の給与から天引きされる。一定の平均給与額により算定される |
健康保険 |
全国健康保険協会が運営する「協会けんぽ」、大手企業、グループが運営している「組合健康保険」、公務員や私立学校の教職員対象の「共済組合制度」などがある。医療費自己負担額は3割。一定の給与額により算定される。毎月の給与より天引きされる。また40歳以上の人は介護保険料も併せて天引きされる |
労働保険 |
労災保険 |
労働者の保護を目的とした保険制度。業務上や通勤途上での病気、ケガ、死亡などを対象に、療養補償給付、休業補償給付、遺族補償給付などが支給される |
雇用保険 |
毎月給与額に一定率を乗じて算定。失業給付を受給するための保険。毎月の給与より天引きされる |
会社代表者
社会保険 |
厚生年金 |
会社員などと同内容 |
健康保険 |
会社員などと同内容 |
独立して事業主になると、個人、法人を問わず、労働保険には加入できない
しかし労災保険に限っては特例がある!
労災保険特別加入制度
従業員だけが対象じゃない。事業主も加入できる労災
労災保険は本来、労働者の負傷や障害、死亡に対して保険給付を行う制度だが、労働者以外でも一定の人に対しては任意で加入を認めている。それが労災保険特別加入制度だ。加入すれば、業務や通勤でケガ、病気になった時、治療費や入院費を全額、国が負担してくれる。不幸にも死亡の場合は遺族年金も支給される。
4種類に分けられる特別加入対象者のうち、多くの業種の人が該当するのが、「中小事業主等」という区分。なお中小事業主等とは、左上の表に定める人数以下の労働者を使用する事業主やその家族従事者のこと。
特別加入をするための条件とは?
中小事業主等が特別加入するには、雇用する労働者の労働保険関係が成立していること、労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること。この2つが前提となる。
労働保険事務組合とは、厚生労働大臣が認可した事業主の団体で、特別加入手続きのほか、労働保険料の申告納付などの事務手続きも代行してくれる。
特別加入をするための手続きは?
労働保険事務組合を通じて申請書が所轄の労働基準監督署長を経由し、都道府県労働局長に対して提出されるので、労働保険事務組合に任せれば大丈夫。
自分が開業している住所地の管轄の公共職業安定所に行けば、いくつかの労働保険事務組合が紹介されている。電話帳で探す方法もある。
中小企業と認められる規模
業種 |
労働者数 |
金融業 保険業 不動産業 小売業 |
50人以下 |
サービス業 卸売業 |
100人以下 |
上記以外の業種 |
300人以下 |
申し込みから保険料納入までの手順
- 労働保険事務組合(担当者)との打ち合わせ(概算労働保険料等の決定)
- 労働保険事務委託書を組合担当者と共同で作成する
- 労働保険事務処理委託・労働保険関係成立届、特別加入申請書とその別紙を共同で作成する
- 作成後、組合担当者が公共職業安定所や労働基準監督署に提出
- 官庁受理
- 組合担当者より労働保険事務委託書写しが送付されてくる
- 労働保険料の加入通知がくる
- 指定期日までに保険料を納入する