アントレ-独立した人のための保険ガイド-事業所を開設したら、社会保険・労働保険の加入手続きをしよう

12.独立した人のための保険ガイド

02事業所を開設したら、社会保険・労働保険の加入手続きをしよう

社会保険は、個人事業なら従業員5人以上、会社ならすべてが加入対象

会社を設立したら、ただちに加入手続きをしなくてはならないのが社会保険。提出期限は下の表にあるように、原則的には会社設立から5日以内。また、会社にせず、個人事業の形態であっても、従業員を5人以上雇い入れれば手続きが必要になる。
さて、社会保険には次の3種類がある。

@健康保険
加入者本人とその家族の病気やケガなどの治療、出産の際、また死亡に際して給付が受けられる。

A介護保険
40歳以上で介護が必要になった時、そのレベルに応じた給付が受けられる。ただし、保険料を負担するのは40歳以上65歳未満の人だけ。徴収は健康保険料と一緒に行われる。65歳以上の介護保険料は年金から天引きされる。

B厚生年金
老後の生活保障や加入者本人が死亡した際の遺族の生活保障、加入者本人に障害が残った際の保障を行う。

なお、代表者や役員も、これら社会保険の被保険者になれるが、70歳以上の人は原則として健康保険のみとなる。また、パートタイムやアルバイトであっても、常用的な雇用関係があれば被保険者となれる。
保険料は「標準報酬月額」に一定の保険料率を掛けて算出されるが、この「標準報酬月額」とは、通常の給与(役員報酬)に、通勤交通費も含めた額を等級区分に当てはめて決定するもの。したがって給与は安くても、遠距離通勤をしていれば、給与が高くて近距離通勤をしている人よりも高い保険料となる可能性もある。

労働保険は、個人事業も会社も、従業員をひとりでも雇えば加入対象

労働保険は会社を設立しただけでは加入の必要はない。従業員を採用した時に、それから10日以内に手続きをすること。また、個人事業主も同じで、ひとりでも従業員を採用すれば、同様期限内に手続きをする。
労働保険は次の2種類。

@労災保険
従業員が業務上や通勤途上で災害に遭った時に給付が受けられる。正式には労働者災害補償保険。保険料は全額会社が負担する。なお、すでに紹介したように、一定の要件を満たせば事業主でも加入は可能。

A雇用保険
会社の倒産や解雇、また自己の都合などで従業員が失業した時、一定期間の所得を補償するもの。保険料は会社と従業員が双方で負担する。

加入手続きに関しては、労災保険は労働基準監督署、雇用保険は公共職業安定所(ハローワーク)と、それぞれ異なり、所定の書類もそれぞれで入手する。ただし、雇用保険の加入手続きに際しては、労働基準監督署の受付印が必要になるため、先に労働基準監督署、その後で公共職業安定所という順番で手続きをしよう。

社会保険の加入手続きに必要な書類

※横にスクロールしてご覧ください

提出先 提出書類 提出期限 添付書類
年金
事務所
新規適用届
(所定の用紙)
適用事業所となった日から5日以内
  • 事業所の賃貸借契約書(写)
  • 預金口座振替依頼書
  • 出勤簿
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 源泉徴収税の納付領収書
  • 法人事業の開設届
  • 給与支払事務所開設届
  • 事業開始等申告書等
被保険者資格取得届
(所定の用紙)
健康保険被扶養者(異動)届(所定の用紙。在学証明書、住民税の非課税証明書など扶養の事実を確認できる証明書を添付) 被保険者の資格取得日から5日以内
労働保険の加入手続きに必要な書類

※横にスクロールしてご覧ください

提出先 提出書類 提出期限 添付書類 確認書類
労働基準監督署
(労災保険)
労働保険関係成立届(所定の用紙) 適用事業所となった日の翌日から10日以内
  • 登記簿謄本(写)
  • 事業所の賃貸借契約書(写)
  • 法人事業の開設届
  • 給与支払事務所開設届
  • 事業開始等申告書等
  • 労働者名簿
  • 出勤簿またはタイムカード
  • 賃金台帳など
  • 雇用契約書
  • 労働保険関係成立届の事業主控
※地域により必要書類が異なる場合がある。詳しくは事業所を管轄する労働基準監督署や公共職業安定所に確認を
労働保険概算保険料申告書(所定の用紙)
※都道府県の労働局や銀行などへも提出可
適用事業所となった日の翌日から50日以内
公共職業安定所
(雇用保険)
雇用保険適用事業所開設届(所定の用紙) 適用事業所となった日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届(所定の用紙) 従業員を雇用した日の翌月10日まで

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