失敗しないためのフランチャイズ加盟基礎講座
加盟本部選び
本部と直接話し「やっていけるか」を判断
最終的に一つの本部に絞り込んでいくに当たり、どういった観点や尺度で選べばよいか。その参考となるのが、下の表の6つのポイント。重要なのは、自分が求めている本部の性格をこの指標によって明らかにすることだ。例えば、安定した経営を望むなら「安心度」や「誠実度」、本部と一体となって成長していきたいなら「将来度」や「差別化度」を重視する、といったように自分の志向に合わせて優先順位づけしてほしい。
また、加盟本部決定の最重要のプロセスが、本部および加盟店への訪問である。資料で把握した情報を「自分の場合はどうか」確認することが不可欠だからだ。また、企業理念や本部トップの考え方に心底共感できなければ、加盟者は継続的に取り組めないだろう。トップの話を聞いて「自分はこの人についていけるか」を自らに問わなければならない。
加盟店訪問では、本部では聞けないマイナス情報を聞き出し、加盟店の実情を知りおくことだ。
本部選び・6つの視点
フランチャイズ本部を比較検討するうえで見ておくべきポイントの一覧。自分がどんな本部に加盟したいかを判断する指標として活用を。(参照『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』より)
将来性 | ||
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市場規模 | 3年後の予測値 | 100億円以下は詳細確認を。1000億円超ならそこそこの規模。 |
立地多様化 | 対応立地数 | 「駅前の1箇所」よりも複数の立地で対応可能のほうがベター。 |
超繁盛店 | 平均売上高の3倍以上 | 総店舗数にもよるが10店舗以上あるのが望ましい。 |
既存店成長率 | 過去2年間(年平均) | 80%未満では不安。105%以上が望ましい。 |
閉鎖率 | 過去2年間(年平均) | 10%以上だと詳細確認を。2%未満であれば不安はない。 |
収益性 | ||
利益率 | 営業利益率 | 業種により異なるが、20%超であれば高いと言える。 |
投資回収 | 投資回収期間 | 10年以上かかると長すぎる。1.5年以下であれば理想的。 |
労務費率 | 労働分配率 | 50%以上では過大。25〜35%であれば理想的。 |
ロイヤリティ | ロイヤリティ(売上対比) | 業種により異なる。5%未満であれば低い設定と言える。 |
オーナーの収入 | 年収 | 300万円以下だと低い。1000万円を超えれば理想的。 |
差別化度 | ||
情報化 | コンピュータ化 | 全くないのは不安。双方向オンラインがあればベスト。 |
商品力 | 名物商品 | 強力なオリジナル商品があれば競争力があると言える。 |
ブランド力 | 認知度、差別性 | 業界の中で、平均レベル以上が望ましい。 |
ニッチ度 | 競合本部数 | 数は少ないに越したことはないが、同時に独自性を要確認。 |
商品開発力 | 開発頻度 | 業種にもよるが、1年に複数回あれば理想的。 |
サポート度 | ||
SV力 | SV担当店舗数 | 20店以上だと細かいサポートが受けづらい可能性も。確認を。 |
SV業務範囲 | 本部連絡だけでなく、きめ細かい経営指導まであれば安心。 | |
宣伝力 | 年間広告費 | 規模により異なる。大手の場合、10億円以上あれば理想的。 |
教育 | 教育実施度 | 開業前の研修だけでなく、開業後も定期実施あれば安心。 |
マニュアル | マニュアル整備度 | 事務処理関係だけでなく、細かな作業マニュアル完備なら安心。 |
誠実度 | ||
情報開示事項 | 法定開示事項 | ないのは論外。契約内容を詳細に開示していればOK。 |
営業実績 | 未開示は考えもの。直営店の損益実績まで開示ならベスト。 | |
加盟店紹介 | 要望に応じて店舗を紹介できるのが理想的。 | |
本部体制 | FC責任者 | 役員以上の専任者がいれば安心。 |
FC組織 | ないのは考えもの。組織化されていると安心。 | |
安心度 | ||
規模 | チェーン(末端)売上 | 業種により異なる。500億円以上あれば申し分ない。 |
本部売上 | 300億円以上あれば理想的。 | |
店舗数 | 本部の成長段階によるが、10店以下は詳細を確認。 | |
知名度 | 認知率 | 本部の成長段階によるが50%以上あるのが望ましい。 |
業界地位 | 順位 | 本部の成長段階によるが10位以下は不安。他指標も確認を。 |
今回のまとめ
自分にふさわしい本部は
実際に会って見極めよう
- 6時間目
- 加盟契約
文/橋光ニ イラスト/栗生ゑゐこ
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