アントレ  失敗しないためのフランチャイズ加盟基礎講座「3時間目:開業資金」

失敗しないためのフランチャイズ加盟基礎講座

開業資金

貴重な資金を投じる以上計画的に準備を

FCに加盟して開業するには、加盟金や研修費など本部に支払う費用のほかに、店舗取得や人件費(加盟オーナー分も含む)、広告宣伝などの費用がかかる。これらの費用が300万円未満と比較的少額のパッケージもあるが、店舗や設備に費用がかかる飲食業は、1000万円から数千万円の資金を必要とする本部が多い。

貴重な資金を投じる以上は、何にどれだけの費用がかかるのかを事前に把握しておく必要がある。そうでないと、加盟を決めてから開業するまでに予想外の費用がかかる事態が起こり、用意していた資金が底をついて急遽融資を受けなければならなくなるといったことになりかねないからである。

資金がいくらあるかで加盟できる本部も違う

何にいくら必要かは、各本部に詳細を問い合わせれば回答してもらえるだろう。その際は細大漏らさず説明を求めること。

また、用意できる資金がいくらであるのかによって、加盟できる本部も変わる。FC加盟独立を考え始めたら、ただちに資金づくり(貯蓄)を始めるべきだろう。

かといって、加盟したい本部があるものの資金不足でしばらくは加盟できないといった場合、時間が経過して気持ちが萎えてしまうといったことも起こりがち。そんな場合は、本部に相談してみるという手がある。融資のあっせんなど、資金面でのサポートを行っている本部もあるからだ。

なお、加盟開業後、すぐに軌道に乗れない場合に備えて、半年から1年分の運転資金や生活資金も持っておくべき。「貧すれば鈍する」ということになるからだ。

コンビニエンスストアの例

コンビニエンスストアの場合、どの本部でも複数の契約タイプがあるのが一般的。大きくは2つに分かれており「土地建物、内装などをオーナー自身が負担するタイプ」と、「それらを本部が負担するタイプ」に分かれる。後者を「Cタイプ」と呼ぶことが多い。また、開業後の費用としてロイヤルティがあるが、売上総利益(粗利)に対する負担は、Cタイプのほうが多くなる。

契約タイプ Aタイプ Cタイプ
特徴 オーナーが土地賃料や店舗内装費用等を負担。初期費用は大きな負担になるが、ロイヤリティはCタイプより低い。 本部が土地と店舗を用意し、オーナーは商品や備品だけを負担する。
加盟金 保証金 120万円 120万円
開店準備費 100万円 80万円
運転資金 商品代金 400万円
什器備品など 180万円
開店時諸費用 50万円
店舗設備の
費用負担
建物 約3000万円 本部負担
内外装費 約1000万円 本部負担

※数字は編集部が作成

フランチャイズコンサルからアドバイス

コンビニエンスストア経営の要点
コンビニの場合、オーナーの収入を増やすには、売り上げを上げる努力は当然ですが、個店単位では人件費や商品廃棄ロスをどれだけ抑えるかがポイントです。品出しなど棚の手入れを怠らず、商品の発注を精緻にする。アルバイトに頼りきらず、積極的に夫婦2人が店に立つ。そういった努力が不可欠です。また、近隣に競合が出現すれば影響を受けるのは必至。接客態度や品ぞろえを磨く努力が問われます。
飲食店経営の要点
飲食店の魅力は、ヒットすれば大きな売り上げが見込め、かつ日銭が入ること。とはいえ開業時は珍しさもあって多くの来店客に恵まれても、次第に飽きられるのも現実。私はいつも「トレンドは追ってもブームは追うな」といっています。そして、固定客をいかにつかむかがオーナーの力の発揮どころ。飲食店は店舗づくりに多額の初期費用がかかり、できるだけ早く回収するためにも固定客は貴重だからです。
学習塾経営の要点
学習塾の場合、売り上げをもたらす生徒をどれだけ早く集められるかがカギ。しかし、保護者はどこの塾がいいか評判を気にするので、生徒が一気に集まることは考えられません。目標生徒数に達するまでの期間は赤字状態となるので、生活費などの余裕資金が必須となります。また、思ったように生徒が集まらない場合、広告を追加することも考えなければなりません。広告予算も多めに用意しておくべきです。

今回のまとめ

「何」に「いくら」資金が必要か
詳細に把握すること

次回の内容は…
4時間目
情報収集

文/橋光ニ イラスト/栗生ゑゐこ

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