お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた! |
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。 |
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issa の場合 |
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「『アントレ』は開業前によく読んでいて、いつか取材を受けるのが僕の夢だったんです(笑)」 夢がひとつかなったと言って笑う阿部さんが、2年間のフリーター生活を経てカフェのオーナーになったのは23歳の時。「自分で何かしたい。いつかビッグになりたい」という静かな情熱を内に秘めてはいたものの、フリーターであることに不満を感じていたわけではなかった。 転機はコンビニでアルバイトをしていた時に訪れた。店づくりの面白さや接客が好きなことに気づいたのだ。料理人にはならなかったけど、高校時代、料理についてはひと通り学んだ。好きなこととできること。それらをつなげてみたら、カフェに行き着いた。 ところが阿部さんはコーヒーが苦手。そのうえ、若者が集うおしゃれなカフェにも、コーヒーが1杯500円以上するような店にもほとんど入らない。そこで、ドリンクメニューの主役は日本茶に、フードメニューは和つながり≠ナどんぶりにしよう。さらに、低価格で楽しめるファストフード店のようなカフェにしよう、と決めた。当時21歳だった阿部さんが等身大で考えたコンセプトだった。 日本茶の勉強をし、修業を兼ねてカフェでアルバイトを始めた。開業資金をためるために、ほかにもいくつかの仕事をかけもちした。それから2年。23歳の阿部さんは、日本茶カフェ「issa」を神田にオープンさせた。 |
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オープン初日から失敗。止まらない赤字経営……
しかし、オープン初日に、阿部さんは大きくつまずく。いっしょに準備をすすめてきた厨房担当のスタッフが初日に姿をくらましたのだ。さらに、厨房の作業スペースが少なく働きにくい、客席が多く店内が雑然としているなど、ソフト・ハード両面で体制の立て直しを余儀なくされて……。オープン翌日からの休業を決断、20日後に再スタートを切った。体制も整い、今度こそは!と意気込むも客足は伸びず、オープン月から赤字経営に突入してしまう。その後1年間、月商60万〜80万円の低迷期が続いた。 「オープンしてすぐ、もうやめようと思いました。でも、これまで僕は逃げてばかりの人生だった。ここで逃げてはだめだと思い直し、運転資金を貸してほしいと、両親に頭を下げに行きました。その時、両親もやめるなと言ってくれたことが励みになりました」 実はこの頃、「issa」にはかすかな光明があった。サブメニューの豆乳ドリンクが売れ始めたのだ。そこで、オープンした年の夏、阿部さんは勝負に出た。豆乳ドリンクのメニューを4種類から12種類へと一気に増やし、日本茶カフェから豆乳カフェへとコンセプトを変更したのだ。すると、インターネット上で口コミになり、豆乳好きの人たちが地方からわざわざ訪れるようになった。さらにランチ時は、近隣の会社員でにぎわい始め、どんぶりのメニューも4種類から14種類に増やし、固定客のニーズに対応した。 月商が100万円の大台にのったのは、オープンから1年後。以後、売り上げは少しずつ伸び続け、現在は150万円以上だという。それでもまだ阿部さんの給料はほとんど出ないが、「4年目にして、やっと商売のスタートラインに立った」と阿部さん。 「僕はダメ人間だったと思う。オープンすれば何とかなるだろうという程度しか考えていなかった。でも実際は何ともならなかった。商売は甘くはなかったんです。そんな自分も、この店といっしょに成長している実感がある。だから、今がスタートライン。自分も店もこれからだと思っています」 |
豊富な豆乳ドリンクメニューで認知度は一気にアップ
ごまとはちみつをブレンドした「ごまはち」(380円)、くりとほうじ茶をブレンドした「くりほうじ」など、バリエーション豊富な豆乳ドリンクは、ネーミングもそそられる。実際に飲んでみると、豆乳のコクと、ブレンドされたそれぞれの素材がマッチし、何ともクセになる味。これなら全メニューを制覇したくなる。 「手をこまねいていても売り上げは伸びない。お客さんのニーズを先読みしながら、メニューややり方を変えていかないと。オープン当初は、そんなことさえわからず運営していました。商売は変化させていくものということを、この4年間、商売しながら学んでいきました」 通勤の時間がもったいないと、都内にある実家に戻るのは月に2回。今のところ、ネットカフェが阿部さんの安息の場所だ。 「こんな生活を続けられるのも、これほどがんばれるのも、都内のすべての駅前に『issa』をつくりたいという目標があるから。それが実現したら、今度は『アントレ』の別の記事で取材を受けたいな(笑)」 |
■オープンまでの経緯 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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