お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.110, 豚肉料理店
楽 豚  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金 150万円
自己資金●600万円 借り入れ●0円

当初から、借金をすることなく開業しようと決め、無借金経営を目指していた金正さん。開業資金の600万円は、全額自己資金。物件取得など、開業に必要な経費をすべて差し引き手元に残ったお金は30万円。それを運転資金に充てたのだが……。「オープンした最初の月の売り上げはよかったのですが、その後4カ月間くらいは、毎月20万円ずつ下がっていきました。30万円の運転資金なんて、あっという間に使ってしまいましたよ(笑)」。

2. 店舗物件

物件取得費 100万円
家賃●13万円(駐車場代含む)


店は、元すし店だった平屋の一軒家。開業前に勤務していた会社の通り道にあり、開業するならここと決めていた。「根拠はなく直感です(笑)」。物件オーナーは、簡単には貸してくれないという評判の人だった。そのことを知っていた金正さんは、オーナーの元へ通い説得、10回目の訪問で契約の承諾を取り付けた。「平日で7000台、休日は1万台以上の車の往来があります。開業前はそこまで考えていませんでしたが、結果的には好立地でよかったと思います」。

駐車場の前にはこんなのどかな田園風景が広がっている
庭の木々に囲まれた平屋の一軒家。名阪国道壬生野(みぶの)インターから車で約5分の国道沿いにある。最寄り駅は関西線佐那具(さなぐ)駅だが、徒歩圏内ではない

3. 店舗工事・設備・什器
計 350万円

店舗は元寿司店の居抜き物件だったため、大幅な改装工事が必要だった。木や土など自然素材を使いゆったりくつろげる空間づくりをコンセプトに、工事はすべて、金正さんと友人の2人で行った。テーブル、椅子、食器などインテリアや什器もほとんど金正さんがつくった。「近くの材木店から切れ端をもらい、材料費を節約したりしました。工事に2カ月かかりました。大変だったけどおもしろかった。だから、ビスひとつひとつにも思い入れがあります」。

カウンター席、テーブル席、お座敷と、店内には3つのゾーンがある。内装だけでなく、テーブルや椅子も金正さんの手づくり
店で使っている食器の大半は、なんと金正さんがつくったもの。「経費節約のためにつくっただけです(笑)」

4. 仕入れ
計 70万円

「“地産地消”が理想でしたが、伊賀豚はもうこの地域では飼育されていないのが実情なんです」。そこで、全国をまわり、最終的に豚肉の仕入れ先に選んだのは、鹿児島の南州畜産という養豚所。「豚の健康を重視して、豚の特性に合わせる育て方に感銘を受け決めました」。野菜は地元の農家から。「同じ白菜でも、生産者によって質が全く違う。白菜は白菜の、ニンジンはニンジンの得意な生産者からというように、野菜の種類ごとに、仕入れ先は異なります」。

ランチタイムは丼ぶりメニューのみ。写真左から炭焼き豚丼(680円)と豚トロ丼(1000円/限定10食)
野菜やきのこもたっぷり食べられる、豚菜しゃぶしゃぶコースは前菜の野菜小鉢がついて一人前2400円。締めのぶっかけご飯がこれまたたまらない!

インタビュー