お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.109, 青果店
ONE DROP  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金 150万円
自己資金●0円 借り入れ●150万円

2年前、民家のガレージで開業する時にかかった資金は70万円。内訳は、車、棚、レジ台や冷蔵庫などの什器代。この時の資金は親から借りたが、現在の店舗の開業資金は、全額国民生活金融公庫から借りた。「1年4カ月、ガレージで営業していましたが、給料が多少出るようになったのは5カ月後。貯蓄をする余裕なんて全くありませんでしたから、当初から全額借りて開業するしかないと思っていました」。150万円のうち、20万円を運転資金にあてた。

2. 店舗物件

物件取得費 70万円
家賃●7万円(駐車場代含む)


それまでガレージで営業していた場所は左京区下鴨。開店する場所は、そこで開拓した宅配のお客がいる近隣と決めていた。インターネットで探したところ、左京区の隣の北区で現在の物件がすぐに見つかり、即契約にこぎつけられた。決め手は、バックヤードも確保できる6坪の広さ。すぐ裏にガレージがあり、家賃(5万5000円)とガレージ(1万5000円)合わせて7万円という値段の安さ。さらに、自宅にも近いことなど、すべてが好条件だった。

プロに依頼しつくった看板
JR京都駅から地下鉄で7駅目。北大路駅北口から徒歩3分の新町通りに面したところに店はある。今宮通りからの抜け道となっているため、車の往来が多い。さらに、駅への通り道でもあるため、人通りも多い

3. 店舗工事・設備・什器
計 30万円

店舗は元鮮魚店。陳列棚と看板を制作したのみで、内装工事は一切せずとも、そのまま利用することができた。陳列棚は、工事現場の足場板をネットで購入し、小谷さんがつくった。木の看板は、木工業者に依頼。夜はライトによって店名が浮び上がってくる。決して凝った内装ではないが、手づくりの棚や看板、レトロな洗面器やかごに野菜を並べる工夫など、随所に若い感性が。従来の青果店とは異なり、店の雰囲気は、まるで雑貨ショップのよう。

バックヤードを含め広さ約6坪。店内は、野菜、果物、海産物や調味料など加工品コーナーの3つのゾーンに分かれている

工事現場で使われていた足場の古材でつくった陳列棚は、小谷さん作

 


4. 仕入れ
計 30万円

仕入れ先は、小谷さんが一から開拓。知り合いから紹介してもらった農業団体「安全農産供給センター」に出向き、最初はそこからのつながりで出会った3軒の生産者からスタート。現在は、京都を中心に、計6軒の農家から仕入れている。よって、扱う野菜の6割は京都産。野菜は、週に3回、小谷さんが直接農家に出向き仕入れている。はちみつや海産物、コーヒーなど、生産者から直接仕入れているものを含め、加工品の仕入れ先は20ルートも開拓。

生産者の名前、顔写真や畑の写真のほか、使用肥料についても明記。手書きの説明書は、店の雰囲気に合い、あたたかさやなごみを醸し出している
野菜や果物は、昔の洗面器やかわいいかご、木箱に陳列。値札には、産地と生産者も明記。水菜198円、葉つき人参100円、聖護院大根300円……。甘くてみずみずしい野菜は閉店間際にはほぼ完売
おからクッキー(420円)や雑穀クラッカー(420円)、チョコレート(250円)などのオーガニックスイーツの種類も豊富

インタビュー