CASE42マネジメントコンサルタント

PROFILE

田中 純さん(44歳)

1963年、広島県生まれ。大学卒業後、システム会社のSEとして勤務。その後、大手サービス会社の事業企画、戦略コンサルティング会社の取締役、商社系ベンチャーの役員等を歴任し、2007年4月に独立。現在、京都大学で研究にも従事。

「真の成果の獲得」を追求するビジネス戦略執行請負人

戦略や事業プランを「絵にかいたもち」で終わらせることなく、「成果の獲得」に重きを置いた実践的な支援を行う田中さん。コンサルティングファームや事業会社での豊富な経験を生かし、今年の4月に独立を果たした。その背景には、成果の獲得を目指す田中さんとコンサルティング業界のスタン スに、大きなギャップがあった。

「私の感触ですが、コンサルティングファームを利用した企業で成果を実感できたケースは2割に満たないのではないでしょうか。それは従来型コンサルティングファームの成果に対する考え方が“戦略や仕組みの納入”にとどまっており、 “クライアントの収益力の向上や事業成長の達成”というレベルにまで及んでいないからなんです」

コンサルティングによって成果をあげるためには、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(体質化)が完遂されることが必要だ。田中さんは、この全工程をワンセットにして支援範囲ととらえるが、従来のコンサルティングファームはPLANに偏った支援を行い、DO以降はクライアント側の責任で運営しているのが実情だという。

「実際にプランを実行する現場のメンバーがこなれた状態で運営できるかがとても重要になります。ですから、私の場合は依頼を受けたクライアントですでに策定されているプランも一度ほどいて再編成します。現場のメンバーとも議論を重ね、実情に即したプランとして魂を込め直していくわけです」

クライアントに密着し成果があがるまで支援するため、プロジェクトは最短で1年、通常2年程度の長期に及ぶケースが多いという。現在は4社と取引があり、曜日で分けて訪問し経営会議などに参加している。

そんな田中さんの会社員時代は、コンサルティングファームに籍を置きながら別のファームとパートナー契約し兼任で活動したり、事業会社からもオファーを受け社外取締役やアドバイザー、執行役員などを同時に兼任してきた珍しい経歴の持ち主でもある。

「勤務先にフルコミッション契約を持ちかけ自由にやらせてもらいました。この10 年間は社員であり、意識は “半独立”状態でしたね」

独立してから喜びを感じる瞬間は、社員時代の取引先が個人として仕事を依頼してくれる時だという。

「つい先日依頼をくれた外資系IT企業の社長は、3年前に私が指導した社内改革プロジェクトのリーダーで、当時は営業本部長でした。成果をあげたことが評価され、昇格してより戦略的なプロジェクトを持ったのでぜひ私とやりたいと。うれしかったですね」

[ 2007.8.31 ]

営業ツールの写真

早朝に関西へ行く機会が多く、新幹線では睡眠も。目覚めには電卓の付属機能「百ます計算」で一気に頭を覚醒

POLICY

「ギブ&ギブ&ギブ」の精神で、「できることは力の限りやる」のが仕事のポリシー。

HOLIDAY

基本的に休みは取引先に合わせる。週1日は頭も体も仕事から離れて休むようにしている。

MONEY

独立初年度だが、今の取引状況から予想すると年収は退職時の2倍程度になりそう。

SATISFACTION

仕事のリピートはうれしい。個人としての働きを評価された結果であると素直に喜べる。