CASE32キャリア・セカンドライフ・コンサルタント
PROFILE
土岐 優美さん(53歳)
1953年、福島県生まれ。大学卒業後、海運会社で貿易実務を担当。出産、育児を経て会計事務所に再就職。大手人材派遣会社に転職後は支店長を経験。職務経験、転職経験、新たに修得したキャリア・カウンセリングスキルを活かし2001年に独立。
在職者、求職者のキャリアからセカンドライフまで幅広く支援
この春、団塊世代が大量退職を迎える。そんな中、中高年のセカンドライフ支援に取り組み始めたのが土岐さんだ。大手人材派遣会社での支店長経験を生かし、2001年9月にキャリア・カウンセラーとして独立。以来、キャリア・カウンセラー養成、就職・再就職支援で多くの実績を残してきた。
「定年を迎えたら隠居というわけではなく、多くの方が元気で働くことを抜きにはできないと思うのです。国の再就職支援は、ニートやフリーターなど若年層に向いています。私は全年齢層の支援を行ってきましたが、今後は中高年層のキャリアを含む総合的な支援をしたいと考えています」
土岐さんが独立後に手がけてきた業務は、キャリア・カウンセラーの養成を主に、コーディネーター育成、新卒者の就職、離職者の再就職、在職者のキャリアアップなどの支援、人材ビジネス関連書籍の執筆など幅広い。これらのスキルは、前職の人材派遣会社勤務時代に培ってきた。特に、拠点スタッフとして派遣業務一切を一人で担当した経験は大きかったという。
「配属されて間もなく支店の閉鎖が決まり、人員削減の末に私一人が駐在員としてとして残りました。自宅を事務所にして拠点運営業務をこなし、新規の仕事依頼にも的確にこたえ信頼を獲得することで売り上げを伸ばしたのです。その結果、正式に支店再開が決まり、支店長に就任しました」
退職直後は主に退職した職場から、スタッフ登録会運営、研修などの仕事を請け負った。01年にキャリア・カウンセラーの資格を取得し業務領域を転換、以前の職場以外に地方自治体や資格取得団体、研修会社などから受託した。現在、土岐さんは全国で業務を展開。福島県の自宅を事務局とし、東京オフィスを副拠点として活動する点も特徴だ。
「福島のマーケットは小さいんです。でも地元に仕事がなければ、ニーズのある市場を探して自分が行けばいいわけです。今は2拠点から全国のセミナー会場や取引先に出向いています」
土岐さんいわく“事務局型SOHO”と呼ぶこのスタイルは、勤務場所を選ばないプロワーカーのメリットを生かした働き方といえるだろう。また、自分で仕事を選べ、引退の時期を決められることもメリットに感じるという土岐さん。現在は、中高年層の支援強化を目指し、更年期で直面する問題の解決支援を担う“メノポーズカウンセラー”の資格取得を目指し勉強中だ。
「人生に何一つ無駄なことはありません。年齢やマイナス経験をプラスに転換し力に変えて働けるのが、カウンセラーという仕事だと思います」
[ 2007.3.30 ]

フットワークの軽さを生かし全国で活動するうえで、モバイルツールは必需品。著書も強力な営業ツールに
POLICY
歳を重ね培われるスキルや柔軟性もある。年齢を言い訳にせず、誇れるような生き方をしたい。
HOLIDAY
休みは不定期。独立6年目でやっと事前に計画した旅行(国内3泊)ができるくらいになった。
MONEY
以前の職場からの受託を含め、自分で営業して契約を獲得。2年目で退職時の年収を超えた。
SATISFACTION
不安定さはあっても、仕事を自分で選択でき、結果がすべて返ってくることが何より魅力。