CASE31システムエンジニア兼ITアドバイザー

PROFILE

昌谷 治彦さん(40歳)

1966年、東京都生まれ。大学卒業後、百貨店に入店。出向先の高級スーパーで販売業務に従事。その後、東京・下町の個人経営スーパー、社員食堂委託運営会社での勤務を経て、2006年4月に独立。地元・埼玉県を活動基盤に事業を展開する。

長年過ごした地元に密着して起業。小売・飲食店の個人経営者を支援

プロワーカーとして独立し、自分のベストパフォーマンスを発揮したいと思うならば、独立前の準備を十分に行うことが大切だ。例えば顧客設定を明確にし、相手に「さすがはプロ」と印象づけるようなサービスメニューを作ることに、じっくり時間をかけて取り組むのも効果的だ。昨年4月に小売・飲食店改善コンサルタントとして独立した昌谷さんは、その点でしっかり準備を整えたため、順調なスタートを切ることができた。現在、取引する顧客は「埼玉県で小売・飲食店を経営する個人オーナー」と、いたって明確だ。

「埼玉は私の地元。活動の場を県内においた理由は、長年育ててくれた土地への恩返しに地元貢献したいという気持ちから。それともうひとつは、全国区のチェーン店が幅を利かせ”地元らしさ“が年々失われつつある悲しい状況を、今ここでくい止めなければという使命感もありました」

前職の社員食堂委託運営会社に勤めていたころ、他県の出向先から2年ぶりに地元へ戻った昌谷さんは、自分がよく利用していた飲食店が閉店していて悲しい思いをしたという。また出張や旅行で他県を訪れた際、駅前の風景がどこも同じように見えてきたことも、独立へと気持ちを向かわせたきっかけになった。「規模は小さいけれど良い商品を売る店を応援しよう」と起業を決意した昌谷さんだが、ここで独立を焦らず、これまでの経験から足りないスキルを冷静に判断し、体得手段として”転職“を経たことも、独立を成功に導いたポイントだ。

「大手百貨店からあえて下町のスーパーに転職し、経営者に近い立場で販促やマーケティングを学びました。その後、独立するには管理業務の知識が足りないと感じ、社員食堂委託運営会社に転職したのです。そこで実務を通してマネジメントや生産性向上のスキルを身につけてから独立しました」

昌谷さんは、店舗の売り上げアップ、販売促進、マーケティング、店舗運営改善などを主軸にメニューを作成。また、サービスマインド教育、風水アドバイスといったセミナーも数多く手がけている。さらに、地域ブランド開発を支援する地元の商工会議所では「名物料理開発プロジェクト」のコーディネーターとしても活動している。

「地産地消をキーワードに地域の飲食店オーナーがアイデアを出し合いメニューを開発しています。今年はこのメニューを名物料理として地域に定着させるのが目標です。個人的にも、食品小売りとレストランの複合店を出すのが夢。自分で目標を立て、自分のペースで向かっていけることは、プロワーカーの利点ですね」

[ 2007.3.16 ]

営業ツールの写真

初対面時の会話のきっかけになればと、名刺のデザインにひと工夫加え、手帳の中には風水の資料も忍ばせている

POLICY

小売・飲食店を低コストで繁盛させ、「埼玉を日本で一番住みよい県にする」のが目標。

HOLIDAY

平日に休みを入れたり、一日の中でOFFタイムをつくれたりするのが大きなメリット。

MONEY

初年度は実動期間が1年未満のため、年収は退職時の半分。2年目から前職年収を超すと予測。

SATISFACTION

決裁権がすべて自分にあるのが魅力。以前のような社内調整や根回しに時間を割く必要がない。