長く続けられるフランチャイズ(FC)に加盟したいと考える人にとって、開業時の条件だけでなく、将来を見据えた本部選びが肝要。その際、特に見極めたい4項目「本部の事業運営力」「本部の情報公開度」「加盟店の支援力」「加盟店の成功度」に関する18の質問を用意した。これらを活用し、ぜひベストパートナーを見つけてほしい。
※ほとんどの質問は、言い回しを変えれば既存フランチャイズ加盟店のオーナーにも聞ける。本部だけでなく、フランチャイズ店にも足を運びたい。
収益性やフランチャイズ店の成長度、本部との関係性などから、加盟店の成功可能性を探ろう
Q5
※既存フランチャイズ店オーナーに質問しよう
なぜ質問する?
フランチャイズパッケージを利用すれば、誰でも成功すると思いがち。しかし、様々な事情により、必ずしもうまくいくとは限らない。加盟店オーナーの率直な話を聞くことで、不安要素についてあらかじめ本部に確認できるし、自分も心構えができる。独立開業の先輩として、敬意を持って尋ねれば、親身に答えてくれるだろう。
本部の見極め方
本部から紹介された店舗以外にも足を運びたい。客観的に判断するため、複数の人に話を聞こう。本部への不満を訴える人がいるかもしれないが、それだけで判断するのは避けること。具体的なエピソードやそう感じる理由などを深く聞いていけば、本当の原因が見えてくるだろう。
Q6
なぜ質問する?
加盟者自身の努力不足や本部のシミュレーションミスなどが原因で不調に陥るケースはある。たとえ十分な立地調査と準備を行ったうえで開業し、順調に経営していても、立地環境の変化や競合店の出現などで低迷することも。最悪の場合、契約途中でも退店せざるを得なくなるが、本部の不振店対策が確立されていれば立て直せるかもしれない。
本部の見極め方
「SVの訪問頻度を上げる」程度は当然。直営スタッフを送り込む、ロイヤリティの減免措置をとる、一定期間直営にして立て直す、それでも無理なら本部で買い取るなどの対策が体系立てて考えられているか。そして、これまで不振店を立て直した実績があるかについても聞いておきたい。
Q7
なぜ質問する?
初期投資の回収にかかる期間によって、用意する運転資金や事業計画は変わってくる。そのため、算出方法を確認し、現実的な回収期間を知りたい。通常は「1店舗当たりの初期投資額÷(1店舗当たりの税引き後当期利益+減価償却費)」という式で計算するが、少しでも短く見せるために、税金やオーナーの給料、減価償却費を計算に入れない本部もあるので要注意。ひどい場合は2年ほど誤差が出ることも。
本部の見極め方
理想の回収期間は3年以内だが、5年前後ならば妥当。これ以上かかると、設備の劣化による追加投資などが発生することもある。複数店経営している加盟店オーナーには、1店舗目の回収にどれぐらいかかったか聞くとよい。
Q8
なぜ質問する?
途中解約の件数は当然少ないほうがよい。解約するということは、加盟店がその店を続けるメリットよりもデメリットを強く感じていると考えられるからだ。ただし、加盟者自身の都合や、加盟店に落ち度がある場合も。例えば、売り上げ不振が原因で解約にいたったとしよう。オーナーとしての自覚が不足していたのか、本部の立地調査が甘かったのか、背景を知ることで本部選びの結果も異なる。表面的に判断せず、やはり原因を探っていく必要がある。
本部の見極め方
新規成約数と契約解除数の合計を提示される可能性も。実態を把握するにはそれぞれの件数を教えてもらおう。また、途中解約の際、違約金が発生する条件とその額も聞いておくと安心だ。
Q9
なぜ質問する?
1店舗目が順調に軌道に乗り、継続して儲かっていれば、2号店、3号店と多店舗化を考えるのが自然な流れ。複数店舗経営者の割合が大きい、もしくは増加傾向にあるということは、加盟者の満足度を計る指標になる。
本部の見極め方
割合を確認したら、もっとも多い例で、何店舗経営している人がいるのかも聞く。開業後の将来像を描くうえで参考になるだろう。また、比較的狭いエリアで多店化したい場合は、同本部の別業態で開業するケースもあるので、あわせて聞いてもよい。フランチャイズ展開の実績が浅い本部の場合は、加盟店オーナーに「今後、このチェーンで複数店舗持ちたいか」を質問してみよう。実際に計画中であれば、それはいつ頃かも確認。いずれにせよ、1店舗だけ経営するよりも、複数店舗もつほうが効率よく儲けられる。様々な角度から質問を投げかけてみたい。
行きたい説明会を探して参加申し込みをしよう!
立体制作:西山カルロスさとし