お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.107, ハワイアン雑貨店
アロハラヴァーズ  の場合
インタビュー
アロハラヴァーズ
オーナー・川瀬真理子さん(47歳)

好きなハワイと海を感じる空間で
関連グッズの雑貨店をつくりたかった
PROFILE
かわせまりこ/1960年、東京都生まれ。専門学校卒業後、アパレルメーカー、外資系OA機器メーカーでの勤務を経て、30歳の時Webデザイナーになる。デザイナーの仕事の傍ら、雑貨のネットショップを運営、次第に自分の店を持ちたいと思うようになる。雑貨の学校に通った後、現在の店をオープンさせる。
開業のノウハウ
 
 「今になって振り返ると、子供の頃からお店を持ちたいと思っていたような気がします」
 とは、オーナーの川瀬さん。30代後半、オリジナルの絵本をつくり、ネット販売をしていたことが、子供の頃の夢を呼び覚ました。そこで、自分の店を持ちたい、持つんだと決意した川瀬さんは、雑貨の学校に通い始めた。
 「まずは店舗の開業や運営についての知識をしっかり勉強し、学びながら業態やコンセプトを固めていきたいと思ったのです」
 在学中、ショッププランを考えていくうちに、自分が好きなものが明確になっていった。ハワイが好きで海が好き。そういえば、自分の部屋は海に関するものばかりが飾ってある。意識することすらしないほど好きだったことに気づいた。ハワイに関するもの、海を感じるグッズを扱う店にしよう。好きなものなら苦労だってできる。こうして、ハワイアンスタイルの雑貨店を開業することになった。
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こだわったのは出店場所。物件探しに2年半を費やす

 開業するにあたり、川瀬さんがもっともこだわったこと、それは、出店エリアだった。
 「とにかく絶対に原宿に出す!と決めていて、それ以外の場所は全く考えませんでした。風俗店がなく酔っぱらいがいないという治安のよさ。ターゲットである、ハワイや海好きの若者が集まる場所であること。この2つが原宿にこだわった理由です」
 ただし、路面店の相場が1坪あたり5万〜7万円といわれているこのエリアで、それ以下の家賃で物件を見つけるのはかなり難しい。だからこそ、川瀬さんは、物件探しに時間と労力をもっとも費やした。
 「毎日原宿を歩き、空いたら入りたいと思う物件をピックアップ。数社の不動産会社の方と密に連絡を取り合い、空きが出たらすぐ連絡をもらえるような体制をつくっていました。空き物件が出てから動くのでは遅いのです。約2年半かけて物件を探し、やっと見つけたのがここでした」
 渋谷と青山を結ぶ、キャットストリートと呼ばれる通りに面したビルの2階。雑貨店やブティックが立ち並ぶファッションストリートで、休日は大勢の若者でにぎわう。相場より安めの価格で取得することができたのは、2年半という時間をかけて、毎日現地に足を運び、物件探しをした川瀬さんの、まさに努力のたまものだ。

単価の高い服飾アイテムを扱うことで売り上げを確保

 店内には、ハワイの関連グッズがぎっしり陳列されている。香りグッズやアクセサリーに食器、トイレカバーや犬の洋服まで、扱っている商品の種類の多さに驚く。また、店舗スペースの約3分の1を、Tシャツやトレーナーなどの洋服が占めている。アロハシャツだけでなく、ワンピースやダウンジャケット、セーターといった洋服の種類も豊富。
 「単価の低い雑貨だけでは売り上げを確保するのは難しいと思い、洋服やバッグなどの服飾を扱うことは、オープン当初から決めていました」
 雑貨の平均客単価が1500〜2000円に対し、服飾は4000円。確かに、客単価を上げるには効率のいいアイテムだといえる。
 オープン当初100万円未満だった売り上げは、オープン半年後に100万円を超え、現在も100万円以上をコンスタントに売り上げている。服飾を扱ったことに加え、オープンと同時にネット販売も始めたこと、そして、当初から雑誌に紹介されたことなどが、順調な売り上げアップにつながっている。
 「雑誌に紹介されることで、ネットを見てショップに来店する、いい循環ができたことも、お客さんが広がっていった要因の一つだと思います」
 また、「いつお客さんが来ても営業している店でありたい」との理由から、定休日を設けず年中無休で運営することを決めた川瀬さんは、オープンしてからの1年間、一日も休まず店に出ていたのだとか。
 また、「ラッピングがかわいかったから、またプレゼントを買いに来た」というお客も多く、包装にも気を配る。そんな川瀬さんの地道な顧客サービスの努力もまた、お客を増やし、売り上げを伸ばした要因なのだろう。
 「ほかのショップをリサーチしたり、展示会に出かけたりと、したいことがたくさんあるのに、一人の時はほかにすべきことがたくさんあってできなかった。つらかったことはそれくらいかな。でも、やめたいとか苦しいと思ったことはありません。好きなことをしているから、毎日が楽しいんです。今はアルバイトのスタッフがいて、ずいぶんとラクになりました。開業当初の目標売り上げにはまだまだですが、もっと売り上げを伸ばし、目指すは多店舗展開! がんばります!!」

■オープンまでの経緯
 
2003年 雑貨ショップの開業を決意。雑貨の学校に通う。同時に物件探しを始める
2005年12月 本格的な開業準備を開始
2006年5月 物件が決まり、内装工事着工
2006年6月 オープン
 
SHOP DATA
所在地
東京都渋谷区神宮前3-20-5
コージー原宿ビル2階
平均客単価
雑貨/1500〜2000円前後
アパレル/4000円前後
最寄り駅
JR原宿駅、東京メトロ表参道駅、明治神宮前駅
平均来客数
10〜20人/平日 30〜60人/休日
アクセス
03-3404-0801
売り上げ
100万〜130万円/月
営業時間
11:30〜20:00
(土・日・祝日は11:00〜)
経費
約60万円/月(家賃、光熱費、諸費用含む)
定休日
なし
仕入れ
売り上げの30〜40%/月
広さ・席数
10坪

開業のノウハウ