お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.104, チーズバー
カーザ・デ・ケージョ  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金900万円
自己資金●500万円 借り入れ●400万円

借り入れ先は、国民生活金融公庫と親族。その内訳は、国民生活金融公庫から250万円、親族から150万円。齋藤さんは定年退職後、チーズショップの支配人になる時、会社を設立した。今回の店舗開業にあたり、国民生活金融公庫に融資を申請する際も、齋藤さんはその会社の新規事業設立のためとして申請。そこで受諾されたのが250万円だった。運転資金として100万円をプールした以外は、開業資金のほとんどを内装費とチーズの仕入れ費に充てた。

2. 店舗物件

物件取得費0円
家賃●15万円


現店舗のある建物は、個人の住宅。自宅の1階でブティックを経営していた物件オーナーと、齋藤さんの娘さんは知り合いだった。娘さんを通じて、「ブティックの撤退後、その場所で店をやらないか」という話が齋藤さんの元へ舞い込んだのだ。人気の商業地である恵比寿の物件取得費(保証金)の相場はかなり高い。知り合いだったことで、齋藤さんは物件取得費を一切かけることなく、恵比寿に店舗を開業することができたのは、とてもラッキーだった。

恵比寿駅東口から徒歩10分。大通りから1本裏道に面しているものの、店の前に建物はなく、大通りからもすぐわかる位置に店はある。チーズの絵の看板が目印
ダークブラウンで統一されたシックで落ちついた内装は、まさに大人の隠れ家的雰囲気

3. 店舗工事・設備・什器
計700万円

店舗設計の仕事が本業の物件オーナーに内装工事を依頼。「たくさんの収納棚が欲しい、チーズを陳列するショーケースをカウンターに設置したい」ということ以外は、ほとんどを委ねたという齋藤さん。「この3mのショーケースを希望したのは私ですが、今ちょっと後悔しています。小さいケースが2本のほうが、チーズに合わせた温度管理ができるし、大きい分だけ、商品をたくさん入れないとかっこつかないんですよね。これは失敗でした(笑)」。

収納スペースをできるだけ多くとりたいという齋藤さんの希望どおり、空間にとけ込んだ収納棚が壁を飾る
カウンターには3mのショーケースが。このなかに、齋藤さんがこだわり抜いて仕入れた約50種類のチーズが並べられている
収納棚と同じ素材でつくった冷蔵庫の収納ボックス。これなら、空間に統一感が出て、全体の雰囲気を損なうことはない。チーズはテイクアウトもオッケー!

4. 仕入れ
計100万円

大量仕入れでない限り、個人でチーズを輸入するのはコストがかかる。そこで、チーズの輸入代理店から仕入れることに。いくつかの代理店を訪問し、最終的に5社との取引を決める。ワインについては、メーカーに紹介された酒店から仕入れている。時に、日本に24本しか入ってこない50年もののポルトガルワインを仕入れることも。「チーズにしてもワインにしても、ほかにはないもの、珍しいものを扱いたい。これが私のこだわりでしょうか」。

今年から始めた月1回のチーズフェスタ。これを楽しみにやって来る客も多い
看板メニューは2000円のチーズ5種盛り。チーズは客が選ぶこともできる。ロックフォール、ミモレット、カマンベールなど、なじみのあるチーズだが、どれも、ひと味もふた味も違い、齋藤さんのこだわりが伝わる
輸入代理店にかけ合い、スペイン経由でやっと輸入が実現したというポルトガルのチーズ。「お世話になったポルトガルに還元したいと、どうしても仕入れたかったのです」

インタビュー