お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.98, カレーショップ
カヨカリ  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金 180万円
自己資金●0円 借り入れ●180万円

移動店舗にチャレンジショップと、ランニングコストがあまりかからない方法で店舗運営してきたものの、開業時、佐々木さんの貯蓄はゼロ。そこで、両親から開業資金全額を借りた。「ぎりぎりで始めましたが、開業後、これでランプが買えるとか、これでコップを買おうとか、そうやって増やしていくのも面白いですよ。初詣で福引きをしたら貯金箱が当ったんです。これは貯蓄しろということかなと思って。毎日1000円ずつためて、それを毎月両親への返済に充てています(笑)」。

2. 店舗物件

物件取得費 100万円
家賃●9万円


天神や大名から薬院エリアへ。ここ最近、人の流れが変わっているのを感じた佐々木さんは、移動店舗の拠点にしていた薬院エリア内で物件を探していた。仲良くなった不動産会社から紹介されたのが現店舗。戦前にできた廃屋同然の一軒家だったが、気になって知り合いの建築家に相談。改装工事を手伝ってくれることになり、契約を決意。遠隔地で暮らしていた大家さんと交渉してもらい契約が成立した。地下鉄薬院駅から徒歩7分の住宅街にあるものの、飲食店やこだわりの店が点在している。

地下鉄薬院駅から徒歩7分。閑静な住宅街の中に店はある。たたずまいはまさに昭和レトロ。この家の中にどんなカレーショップがあるのか、初めての客は、どきどきわくわくするに違いない

3. 店舗工事・設備・什器
計 77万円

大量に発生する廃材や畳を細かく切って車に積み廃棄場所へ運ぶ。それを何度も繰り返す……。大量に残されていた古い瓦は、粉々に砕き土間の下に敷き詰める。できるだけお金をかけないために、それらの作業は自分で行った。「なんだかいつも掃除していました(笑)」。和の中にもハイカラさを導入し始めた昭和初期の雰囲気を残した店にしたいと、座敷の板を古く見せるために墨汁で何度も磨いたり、シャンデリアを飾ったり。お金をかけず時間をかけて、廃屋が今の店に生まれ変わった。

格子戸をひいて店内へ。土間から板の間の座敷にあがり、客は座ってカレーを食べる。縁側もあり、ついつい長居をしたくなる心地よい空間が広がっている
佐々木さんが厨房から出なくてもいいように、基本、食器の上げ下げなどはセルフサービス
押し入れをカウンタースペースとして改造

4. 仕入れ
計 3万円

仕入れ先は、移動店舗の頃から変わらない。肉や野菜は近所の店で、スパイスや缶詰などは、業務用のスーパーで購入している。このスーパーはキロ単位で配達もしてくれるので重宝しているとか。ほか、車で1時間半かけて「コストコ」というスーパーマーケットで仕入れることも。「輸入食材が豊富でデザインもいいからセンス磨きにもなるんです。量があって安い。時々パンも買います。気分のいい日は『今日は気分がいいからパンをサービス!』と言ってパンを付けたりすることもあります」。

料金は前払い制。オーダーしたら、客は花札をもらい「鹿のカードのお客さま」と呼ばれたらカレーを取りに行く。「3番のお客さま、と番号で呼ぶのも味気ないなあと思って思いついたのが花札。リサイクルショップで買いました(笑)」
「スープカリー」のほかに「タイカリー」(800円)もある。そのほか、「ナンピザ」(500円)や「フライドポテト」(300円)、揚げ麺にグリーンカレーをかけた「パリカリ」(500円)などの一品料理も

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