お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.95, ブックカフェ
Heartland  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金 850万円
自己資金●550万円 借り入れ●300万円

開業資金のうち300万円の借り入れは、信用金庫から。「最初に国民生活金融公庫に申請したのですが受理してもらえなかったんです。それで銀行に。なぜだめだったのかはいまだによくわかりません」。オープン時に借り入れた300万円は、7年で返済を終えている。しかし、開業5年目、運転資金と本棚の増設資金が必要となり、新たに300万円を2回に分けて借り入れることに。借り入れ先は、オープン時と同じ信用金庫。「今もその返済は続いています。早く返済したいんですけどね(笑)」。

2. 店舗物件

物件取得費 500万円
家賃●21万円


中央線の東中野駅から三鷹駅までの範囲、広さは15坪前後、駅から徒歩圏内で路面店というのが斎木さんの物件探しの条件だった。予算内でこの条件を満たす物件はなかなかなく、物件探しに約1年の時間を費やした。「情報を得るためには、地元の不動産会社に通い詰めるしかないと思い、時間があれば顔を出していました」。その努力のかいあって、条件を満たす現在の物件に出合った。保証金は300万円だが、前賃貸人が残した内装と設備を150万円で買い取る条件で契約したため500万円に。

 
西荻窪駅北口から徒歩5分。店は、カフェや雑貨店が並ぶ商店街に面している
 

3. 店舗工事・設備・什器
計 300万円

キッチンとトイレなど水回りの工事。本棚、カフェカウンターに丸テーブルと椅子2セット、食器棚、トイレの木のドアの制作。食器などの備品の購入。300万円には、これらすべてが含まれている。インテリアはすべて木で統一することにこだわった斎木さん。工事は、知り合いの木工店に依頼。「本棚は、スチール製の既製品を購入するより、店のサイズに合わせたオリジナルの棚をつくったほうが安く仕上がるのではと思ったんです。実際に安くつくれましたし、納得いくものでができました」。

店の奥にあるカフェカウンター。一枚板のカウンター、木と鉄でつくった椅子やステンドグラスをあしらった棚が店の雰囲気とマッチしていて、居心地のいい空間をつくっている。現在はドリンクメニューのみ
中央の本棚は可動式になっていて、朗読会などのイベントをする時は、この本棚を移動させる。約30人が着席できるスペースができる

4. 仕入れ
計 50万円(開店月)

仕入れ先は、ほかの古本屋や古本市。それに自分の蔵書を加えても、店にある本棚の約半分の量しかなかったが、そこからスタート。オープン後、客からの買い取りで増やしていった。現在も本の調達先は、客からの買い取り、ほかの古本屋からの仕入れ主。「古書組合の組合員になれば、組合員限定の古本市で仕入れることができるのですが、当時は入会金が70万円。入会は断念しました(笑)」。客からはどんな本でも買い取る。好きなのは海外文学だが、広いジャンルを扱うように心がけている。

これは新刊本の『新世紀書店』(ポット出版)。この中で斉木さんも、未来の書店についての考えを執筆をしている
「自分で選んで自分で値段をつけて売る。すべて自分でコントロールできる商売ってそうないと思う。それがこの商売の醍醐味かな」
横尾忠則のポスター集(1万5000円)と富山治夫の写真集(1万2000円)。ほかにも高額な商品を多数扱っている

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