お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
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Vol.94, うどん店
エン座  の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1. 資金調達
開業資金 300万円
自己資金●300万円

「開業資金はできるだけ抑えたほうがいい」という修業先店主のアドバイスもあって、開業資金は自己資金のみと決めた。開業資金300万円の大半は、全国各地の製粉所を見学に行ったり、評判といわれているうどんの食べ歩きをするための旅費に使ったという。その残った資金で、必要な厨房機器をそろえたり、内装の一部を工事した。加藤さんは、ハード(店舗の内外装といった空間づくり)ではなく、ソフト(自分が納得するうどんづくり)に資金を投入することを選択した。

2. 店舗物件

物件取得費 0万円
家賃●17万2000円


前勤務先の顧客に「辞めたらうどん店を開業したい」と打ち明けたところ、「打ったうどんを食べたい」と言われ、加藤さんはその顧客の元へ毎日うどんを届けることに。そして3カ月後、顧客から現在の店舗のある場所に呼び出され「このマンションは自分のものだ。1階でうどん店をやらないか? 保証金や敷金は一切なし。家賃も半年間は払わなくていい」という申し出が。もちろん断る理由などない。よって、加藤さんは物件取得費ゼロで、地元・練馬で開業することができた。

大泉学園駅または武蔵関駅から徒歩15分。富士街道に面した場所に店はある。バス通りで車の往来は激しいが、人通りは少なく立地条件としては決してよくはない
「オーダーして数分で出てくるようなら、茹で置きのうどんだと思ったほうがいい。うどんは茹でるのに時間がかかるんだよ」

3. 店舗工事・設備・什器
計 70万円

もともと物件のオーナーが、甘味処としてつくった店舗だった。できるだけ内装費にお金をかけないほうがいいと、居抜きでの利用を提案してくれた。店内にカウンターを設け、厨房の一部を工事したほかは、ほとんど前店舗で使用していたものを使用することに。資金不足もあって、空間づくりへのこだわりは二の次としたため、内装には満足していない。しかし、店の雰囲気は、こだわりぬいたうどんの味と、妻の結子さんの笑顔の接客でカバー。そろそろ内装のリニューアルを考えている。

元甘味処だった店の内装や家具をほぼそのまま使用。木のテーブルや木のカウンター、そして窯の展示がうどん店らしさを醸し出している
閉店後の店内で、加藤さんは毎日粉をこねる。こねたうどん種は自宅に持ち帰り寝かせる。こねて踏んで、寝かせてまた踏んで……。これほどまでに手をかけてできるうどんだから一日限定80食なのだ

4. 仕入れ
計 200万円(開店月)

全国に範囲を広げ、製粉所探しをした旅費が大半を占める。できるだけ小さな製粉所を探し、気になったところがあれば必ず顔を出すと決めて、加藤さんは全国を飛び回った。「アポを取って行くより、飛び込みで行くほうが面白いんですよ」。そうして探し当てたのは、地元練馬にある「山八製粉施設」と、讃岐にある「木下製粉所」。土曜日の夜の営業を始めてからは、扱う地酒を求めて、全国の蔵元をめぐっている。「現場主義。顔を見て相手を知らないと納得できないんです(笑)」。

土曜日だけは夜営業も行っている。一日5食限定の手づくり豆腐(400円)など、酒のさかなにもこだわる
焼豚うどん(750円)の焼豚も自家製。「冷や冷や」「熱熱」「冷や熱」……麺と汁の温度の組み合わせは3通りある
ぶっかけおろし(650円)には自家製の酢をかけて食べるとおいしい

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