お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた! |
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。 |
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エン座 の場合 |
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1. 資金調達 |
「開業資金はできるだけ抑えたほうがいい」という修業先店主のアドバイスもあって、開業資金は自己資金のみと決めた。開業資金300万円の大半は、全国各地の製粉所を見学に行ったり、評判といわれているうどんの食べ歩きをするための旅費に使ったという。その残った資金で、必要な厨房機器をそろえたり、内装の一部を工事した。加藤さんは、ハード(店舗の内外装といった空間づくり)ではなく、ソフト(自分が納得するうどんづくり)に資金を投入することを選択した。 |
2. 店舗物件 |
前勤務先の顧客に「辞めたらうどん店を開業したい」と打ち明けたところ、「打ったうどんを食べたい」と言われ、加藤さんはその顧客の元へ毎日うどんを届けることに。そして3カ月後、顧客から現在の店舗のある場所に呼び出され「このマンションは自分のものだ。1階でうどん店をやらないか? 保証金や敷金は一切なし。家賃も半年間は払わなくていい」という申し出が。もちろん断る理由などない。よって、加藤さんは物件取得費ゼロで、地元・練馬で開業することができた。
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3. 店舗工事・設備・什器 |
もともと物件のオーナーが、甘味処としてつくった店舗だった。できるだけ内装費にお金をかけないほうがいいと、居抜きでの利用を提案してくれた。店内にカウンターを設け、厨房の一部を工事したほかは、ほとんど前店舗で使用していたものを使用することに。資金不足もあって、空間づくりへのこだわりは二の次としたため、内装には満足していない。しかし、店の雰囲気は、こだわりぬいたうどんの味と、妻の結子さんの笑顔の接客でカバー。そろそろ内装のリニューアルを考えている。
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4. 仕入れ |
全国に範囲を広げ、製粉所探しをした旅費が大半を占める。できるだけ小さな製粉所を探し、気になったところがあれば必ず顔を出すと決めて、加藤さんは全国を飛び回った。「アポを取って行くより、飛び込みで行くほうが面白いんですよ」。そうして探し当てたのは、地元練馬にある「山八製粉施設」と、讃岐にある「木下製粉所」。土曜日の夜の営業を始めてからは、扱う地酒を求めて、全国の蔵元をめぐっている。「現場主義。顔を見て相手を知らないと納得できないんです(笑)」。
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