お店で独立を目指す人必読! いろんな業種で独立した先輩たちに立ち上げから運営まで全部聞いた!
OH! MY SHOP 先輩達の開業実録
注)記事内で表記されている金額はすべて取材時のものです。
前のショップへ バックナンバーへ 次のショップへ
Vol.90, カレー&カフェ
スパイスカフェ の場合
開業のノウハウ
インタビュー

1.資金調達
開業資金 450万円
自己資金●200万円 借り入れ●250万円

まず国民生活金融公庫に融資の申請をした伊藤さんだったが、立地条件が悪い、保証人がいないとだめという理由で受理されず。そこで、墨田区の創業者支援融資制度を利用。ここで250万円を融資してもらえることに。「開業資金はなんとかなったのですが、いざ開業という時になって、運転資金を残していなかったことに気づき、それはちょっと焦りましたね。でも、オープニングセレモニーに招待した友人知人がご祝儀を持ってきてくれて、それを運転資金に充てることができました(笑)」


2. 店舗物件

物件取得費 0万円
家賃●0万円


実家の敷地には、20年間廃屋のままだった築45年の建物があった。物件探しをするものの、気に入った物件と出合えずにいた時、試作のカレーを食べに来てくれた知り合いの建築家から「この建物を生かせばいい」と提案された。押上駅から徒歩約15分。店などほとんどない住宅地にいったい誰が来てくれるのか? 立地条件の不安はあったものの、家賃を払うリスクがないことをメリットと考え、店舗として使えるようにリフォームすることを決断した。よって物件取得費、家賃は0円。

実家の家屋との間の細長い仕切り廊下の先にある一軒家。木のドアを開けると、どこかなつかしい空間が広がっている

3. 店舗工事・設備・什器
計 400万円

建物が持つ雰囲気を生かした空間づくりにこだわり、電気やガスなど設備工事以外の内装工事は、すべて伊藤さんが行った。解体して出たゴミは近所の銭湯で引き取ってもらい、また、隣町で築80年の木工所を解体するという情報を聞きつけ、解体工事に参加して廃材を調達した。廃材は、梁やカウンターとして、いい味わいを醸し出している。結果的に、資源の有効利用にも貢献できた。「あらゆるツテを使ってこの店をつくりました」。400万円には、厨房機器や備品購入費も含まれている。

レトロすぎずモダンすぎず……。築45年の歴史を尊重した内装に、伊藤さんのセンスが感じられる
「こんなところがまだ東京にあったなんて」と思える空間。何時間でもいたいほどにホッとする
店内に設けられたギャラリースペース「創造空間」。1年先まで予約で埋まっているとか。ここを目的に訪れる人も多い

4. 仕入れ
計 15万円(開店月)

独立前に仕事をしていた飲食店からいくつかの仕入れ先を紹介され、そこから選んだ。現在取引している業社は7社。野菜だけは、近所の店から購入している。カレーは4種類(サラダ付き850円)、デザートは5、6種類(ケーキセットで650円)、ソフトドリンク8類種(450〜500円)、アルコールはワインなど23種類(450円〜)。前菜(850円〜)や自家製ソーセージ(850円)などの一品料理もある。カレーはもちろん、デザートやパンもすべて「自分でつくる」ことにこだわっている。

コーヒー(450円)の器にも伊藤さんのこだわりが。デザートやパンも自家製となると、仕込みに相当な時間がかかる。休日でも半日は仕込みをしているとか

インタビュー