先輩たちの独立事例集

先輩たちの独立事例集


小野裕子さんの写真

人生整理も提案する
ファイリングの専門家

ファイリング・コンサルタント / 東京都港区
小野裕子さん(48歳)

おの・ひろこ / 岡山県出身。貿易商社から大手オフィス家具メーカーのファイリング研究所へ転職し、16年間コンサルタントとして勤務後、早期退職制度を活用して独立。趣味は絵手紙と、日本酒を楽しむこと。「きき酒師」の資格も取得している。

独立準備のがんばりどころ

積極的な異業種交流会への参加で、人脈づくりを10年間

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書籍『夢をかなえるファイリング』は独立早々に執筆。最近は輸入販売やファイル関連商品紹介も活発で、新作のファイル・トートバック「オードリィー」も好評

独立を決意する以前から、きっといつか独立するだろうという潜在的意識みたいなものはあったんですね。それもあって、勤務時代にあらゆる異業種交流会に参加して、人脈づくりを積極的に行っていました。そういった人脈形成に力を入れた10年間も大切な独立準備だと、私は思っています。何事も人がチャンスや幸せを運んでくれるものですからね。

交流会は、ビジネスに関する会から、趣味の日本酒の集まりや銭湯を楽しむ会など、ホント幅広く参加していますよ。振り向いてもらうには、自分を魅力的に見せることも大切です。ただ参加するだけでなく、率先して会の運営を手伝ったり、会で出会って印象に残った方に趣味の絵手紙をお送りしたりしていましたね。「キーマン・ファイル」というのをつくって「これは!」と思う人の情報をファイリングしていました。独立してごあいさつ状を送る際にも、これが役に立ちましたし。こういった縁で、独立早々ファイリングに関する書籍執筆の依頼もありました。

資格取得講座を受講し、同じ志を持つ仲間や情報をゲット!

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自身のオフィスも、もちろんファイルで整理。情報をカテゴリー分けして、ボックスで収納。「ファイリングは、夢の達成や人生整理にも応用できます」と太鼓判!

いざ独立する時には、ファイリングデザイナー1級と、整理・収納アドバイザー1級の資格を取得しました。これらは民間資格で、ファイリング・コンサルタントは資格が必要な職種でもありませんし、資格があるからといって仕事がくるものでもありません。でも、資格取得のために必要な講座を受講し、同じ志を持つ仲間たちとの出会ったことはいい刺激になりました。また、これまでのコンサルタント経験にプラスして、新しい知識を付けることの重要性も痛感しましたね。資格を取得するためというよりも、人との出会い、情報との出合いを目的に講座を受けたわけです。

結果、整理・収納アドバイザーの資格取得講座は受講して正解でした。整理・収納は家の中のモノの実質的なファイリングでもあります。これを学んだことで「ホームファイリング」として個人を顧客にするアイデアを思い付き、整理・収納アドバイザーとして活躍するプロを対象にしたセミナーを開くなど、事業の幅を広げることにつながりましたから。

Webサイトをツールに、ブランドの向上や事業の幅を拡大

開業直前には、Webサイトも開設しました。コンサルタントは個人がブランドですから、サイトの開設は欠かせませんよ。それに、ファイリング・コンサルタントは、まだまだ認知度も低い職種ですからね。具体的にどんなことをするのか、仕事の中身がよくわかるサイトにすることを心がけました。

最近では、自分のサイトで、開発した商品の紹介や輸入商品などの販売もしているので、コンサルティングだけでなく、ネットショップオーナーとしての仕事も増えています。先生然と受け身でいては、コンサルティングの仕事はきません。なので、サイトをツールにアピールしているのです。ターゲットを分けて情報や商品の提供をすることで、事業にふくらみを持たせたり、コンサルタントとしてのブランドの向上にもなると思いますよ。

取材・文 / 石田恵海 撮影 / 刑部友康

ちょっと気になる10問10答

  • なぜ独立した?

    民間企業、自治体、海外の企業など様々なクライアントとお仕事をさせていただく中で、企業内のファイリング・コンサルタントとしての仕事は、もう満足し切った、という感覚もありました。また、勤務していた家具メーカーが合併することになり、それに合わせて早期退職者募集も始まったんです。ちょうど同じ頃、コンサルティングの仕事で生まれ育った岡山へ行ったら、なんとそのクライアントは自分が生まれた病院の目の前にある会社だったんです。窓から自分が誕生した病院を見て、人生ここで一度リセットしてもいんじゃないかと。早期退職者の募集開始から2週間足らずで、手を挙げていました。

  • 開業資金は?

    特にありません。自宅での開業でしたし、コンサルタントという仕事柄、新たに設備を用意する必要もない職種なので。ただ、2年間、まったく仕事がなくても食べていける「生活費」として、年収の2年分を用意していましたね。開業後、出版した書籍の宣伝費やファイリング普及のためのPR費、海外視察のための渡航費で150万円ほど使っています。

  • 開業資金はどう集めた?

    早期退職制度を活用していたので、その退職金1700万円とそれまでの貯蓄を、開業後、もしも仕事がなかった時の「生活費」としました。おかげさまで、開業当初から仕事がいただけたので、その「生活費」は購入した自宅兼オフィスのマンションのローン返済に使いました。

  • 周囲の反応は?

    いつか独立するだろうと、みんな思っていたようです。だから、「やっぱり!」という反応でしたね。家族は心配すると思ったので、事後報告(笑)。私の周りには、独立の厳しさをよく知っている起業家さんが多いのですが、皆さん、応援してくれますし、いつも支えていただいていますね。

  • 不安だったことは?

    独立しても前職の会社と業務委託契約をすることになっていたので、当面の売り上げは確保できるとは思っていました。でも、その契約が突然切れたら……と思うと不安でしたよ。だから「毎日がプレゼンテーション! 毎日が自己紹介!」という気持ちで、緊張感を持って日々過ごしていましたね。

  • 役立った情報源は?

    業界団体であるハウスキーピング協会でしょうか。ファイリング・コンサルティングは情報整理だけでなく、実際の整理・収納までもアドバイスするもの。もっと知識を付けたいと、この協会が主催する講座を受講し、整理・収納アドバイザー1級を取得しました。講座で出会った同じ志を持つ仲間との情報交換は、その後の仕事をするうえでも非常に役に立ちましたね。

  • 相談相手は?

    私にはメンターと呼べる人が3、4人いますが、彼らからは人を紹介してもらったり、アドバイスをもらったりしましたね。会社員時代から様々な異業種交流会に出ていたので、人脈も広いほうでした。また趣味の日本酒を楽しむ集まりなどで出会った方々など、お酒をコミュニケーションツールにして、たくさんの方から仕事のヒントとなるものをもらっていたと思います。

  • 独立して一番困ったことは?

    特にないかなぁ? 独立後に出した書籍『夢をかなえるファイリング』を書いていた時は、苦しくて、苦しくてしかたがなかったですが、本業で困ったということは……、うーん、やっぱりないかも(笑)。小さなことはいろいろありますが、困らないように心がけています。

  • 独立して一番良かったことは?

    自分ですべて決裁して、即実行に移せるということが、独立して一番嬉しいこと! これは勤め人では味わえない面白さです。ただ、毎日がワーキングホリデーというか、オンとオフをはっきりさせないと、ダラダラ仕事をしてしまいがちなんですけどね。

  • 独立を志す人へのメッセージ

    とにかく人を大切にすることです。独立すると、これまで仕事にかかわりがなかった趣味の友達でも、仕事や人を紹介していただいたりといった関係が生まれます。仕事は人が運んでくるもの。私は出会った方に絵手紙やメールを出したりしていますが、マメさは人脈づくりにはとっても重要だと思いますね。また、これは職業柄、言えることですが、時間をどう有効に使うかといったタイムマネジメントも大事。時間の整理です。与えられた時間は人間誰しも同じですが、それをどう使うかによって、人との差が出るものではないでしょうか。

開業
2005年5月

従業員数
1人

年間売上高
非公開

アクセス
http://www.filing1.com/


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