手づくりドレスを着る感動を
多くの女性に味わってほしい!
「結婚式には自分でつくったウェディングドレスを着たい」。そんな女性たちの夢をかなえるのが、手づくりウェディングドレスキットの通信販売を行う富岡まち子さん。今まで、200人以上の花嫁の願いをかなえてきた。
洋裁をしていた母から教わり、手づくりの楽しさを覚えた彼女。
「自分の体型に合ったものがつくれるのがいいですね。楽しかったし、完成した時の喜びは格別でした。社会人になっても趣味で洋裁を続けたんです」
彼女が奮起したのが自身の結婚式だった。ドレスのレンタルショップに行くと、あまりの値段の高さにびっくり。
「レンタルは25万円。でも自分でつくれば7万円程度で済みます。それならつくるしかない!と。最後はギリギリでしたが、仕上がったドレスを見た時は感無量。当日は夫や出席者から称賛の声をもらい、うれしかったですね」
結婚を機に、専業主婦の道を歩んだ富岡さんだったが、2児の出産を終え一段落すると子供服の販売を思い立つ。
「自分でつくった子供服を褒めてくれる人が多かったんです。ならば販売してみようと思い、手づくり子供服の販売サイトをオープンしました」
しかし、多くの受注をもらう前に、オリジナルのリクエストが多くなり、すべての要望に対応しきれない。
「限界を感じ始めていた頃、夫から『結婚式の手づくりウェディングドレスはすごかった』と言われ、ハッと気づいたんです。自分でウェディングドレスをつくりたい人はいるはずですが、無理だとあきらめている人も多いと思ったんです。手づくりキットで販売すれば需要はあるのではないかと思って」
自分が結婚式で褒めてもらった時のうれしさを、みんなにも味わってもらいたい。そんな女心が彼女を動かした。市販の型紙を利用して、生地とつくり方の解説書を準備。解説は初心者でもわかりやすいよう、つくり方のDVDもセットにした。キットが完成し、2004年2月に「手作りウェディングドレス〜 Wedding-dress.info」をオープン。価格は、ドレス生地、ファスナー、チュニックなどすべてセットで7万4800円。ドレスを手頃な価格でつくってもらえるようにした。しかし、数週間待ってもサイトを訪れるユーザーは全くいない。オープンから7カ月後、初めてセットが売れると、後は口 コミなどで人気も上昇。2年目には年間50着を売り上げるまでに成長した。
「お客さんが、自分でつくったウェディングドレスを着た写真を送ってくれるんです。どの顔もみんな幸せそうで、こちらもうれしくなりますね」
現在、お客様の希望のデザインをキットにできるようになり、問い合わせ数も増えているという。
「子供が大きくなるまでは一緒にいてやりたいので、自宅でできる仕事はいいですね。夫は家事や育児に協力的で助かっています。好きな仕事で自分に合ったスタイルで働けるシアワセは、起業のおかげだと思っています!」