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第4回 成功したければ、失敗しよう(前編) |
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失敗を確実に回避する(?)2つの方法 独立や起業と、ある意味でセットになって登場するのが「失敗」という言葉です。どうすれば失敗しないで済むか。どうすると失敗してしまうのか。このテーマは『アントレ』でも何度となく取り上げてきました。が、それでも今なお多くの方々から、このテーマに関する特集や記事を読みたいという声が寄せられてきます。とにかく人気者としかいいようがありません、失敗は(笑)。 何事もそうですが、対処法を考えるためには、対象となっている物事の本質を理解しないといけません。ですから失敗しないために……と考えるのなら、そもそも失敗とは何かを理解する必要があります。もっともその答えは難しいものではありません。辞書などに簡潔に説明されています。 ちょっとかしこまって失敗を説明するとこんな感じです。「ある目的を遂げるために行動したものの、その目的を遂げることができなかったこと」。 この説明を読んだだけで、失敗を避けるための方法がわかります。2通りあります。ひとつは目的を持たないこと。例えば、お茶を飲みたいと思って、手元の湯飲み茶碗をつかんだところ、うっかり茶碗を落としてアチチ〜なんてことになるわけです。それならば、そもそもお茶を飲みたいと思わなければいいのです。 もうひとつは、たとえお茶を飲みたいと思っても、茶碗をつかもうとしなければいいのです。つまり、目的のために行動をしないということです。目的を持たない、ないしは行動しない。そうすれば、確実に失敗を回避できます。どうです? いい考えですよね? 生きることは、失敗すること 全然いい考えなんかじゃありません。冗談じゃないって感じです。人間が目的を持たなかったり、行動をしなかったりなどという話には、まるで現実性がありません。生きているということは、自覚的にせよ無自覚的にせよ、「明日も生きる」という目的のために、様々な行動を取り続けることですから。であれば、人間は生きている以上、失敗から完璧に解放されることなどないのです。 人間は失敗するものだ。まずはその前提に立ちましょう。失敗を完璧に回避することは不可能だという事実を認めることができれば、次の段階へと進めます。次とは、失敗には、悪い失敗といい失敗の2通りがあり、悪い失敗はしないほうがいいが、いい失敗はしたほうがいいという話です。何が何でも失敗しないで済む方法があるはずだ、などと思っているうちは次へは進めません。 悪い失敗といい失敗を分別しよう 過去に何度も失敗しているのに、またもや同じ目的のために同じ行動を取って、やっぱり同じようにできませんでした。こういう失敗は悪い失敗です。そこには反省と学習がありません。あるいは、過去にはできていたのに、今回はできなかったということもあります。これは慢心や怠惰が原因であり、やはり悪い失敗です。では、初めて取り組んだことで、残念ながら目的を達成できなかったという場合。これはどうでしょう? 悪くありませんよね。もちろん初めての挑戦なら失敗する確率が高いわけですから、可能な限りその確率を低くする努力、つまり準備や練習を怠らないことが肝要です。とはいえ、どんなに準備をしても、やってみなければ本当のところはわからない、という事柄は多々あります。独立・起業などは、まさにその代表格のようなものです。 動機を固め、アイデアを練り、プランをたたき、必要な経営資源をそろえ、徹底的に経営を勉強して、いざ本番。それでもうまくいかないことだらけなのが実情でしょう。 でも、それでいいのです。失敗したところからが、人間の人間たるゆえんの見せ所です。失敗を認識し、失敗の要因を探り、課題を形成し、学習し、実践し、課題をクリアし、成果を検証し、方法論や法則としてそれを定着させていく。こんな知的サイクルを実践できるのは地球上のあらゆる生物の中でも人間だけです。 人類が誕生してからどれほどの年月が経過しているのかよくわかりませんが、間違いなく、古今東西、人間は挑戦しては失敗を繰り返すことによって、文明や文化を発展させてきたのです。失敗を否定することは、人間の進歩を否定することになると思います。 |
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