CASE40ITコンサルタント

PROFILE

田中 一彰さん(36歳)

1970年、東京都生まれ。大学卒業後、都市銀行に入行。3年間の支店勤務の後、基幹システムなど各種システムの企画・開発に従事。2001 年にコンサルティングファームへ転職。2004年2月にコンサルティング業で開業し、翌年法人設立。

業務・システム改革の知見が強み。銀行員からIT戦略のプロに!

プロワーカーとして成功している人たちに共通して感じることがある。それは、自分の強み(専門性・スペシャリティ)をきちんと認識し、強みが発揮できる業務領域でさらに自分のセールスポイントをアピールしている点だ。ITコンサルタントの田中さんも、自身の強みとセールスポイントを明確 に打ち出して成功している一人だ。

「独立前は都市銀行とコンサルティングファームに勤め、そこで培った知見をベースにIT戦略の立案からシステムの企画・構築まで総合的なコンサルティングを手掛けています。特に、業務の課題認識からシステム戦略策定、具体的なシステム化計画やRFP(提案依頼書)作成までの上流工程を強みとしています。様々な業界のプロジェクトに携わってきた経験から幅広い知識を保有していること、とりわけ8年勤務した金融業界に精通していることがセールスポイントです」

田中さんが自身の強みは「ITのスペシャリティ」であると認識したのは、都市銀行を辞めようと考えた入社8年目の頃だ。最初の3年間は支店に勤務し、銀行ならではの充実した研修プログラムを通じて財務や法務、証券などに関する知識の基礎を身につけた。後の5年間はシステム部に勤務し、基幹システムなどの企画・開発を担当。この間にITのバックグラウンドがしっかり築かれたが、一方で銀行のシステム部に5年もいたら、もう本業の部署に戻ることはないとの察しもついた。

「悲観的ではなく、その時はこれまで経験してきた業務から自分に培われたスペシャリティは“金融”よりむしろ“IT”であり、それを自分の強みに変えていくほうが将来の得策だと考えたのです。そこで、ITとかかわる業務でさらに自分の強みとなる知識やスキルを習得できる職場を求め、コンサルティングファームへ転職しました」

2年半の勤務でコンサルティングファーム独自のフレームワークや方法論を学び、IT戦略から計画策定など数多くのプロジェクトに携わりマネジメント能力も身につけ、2004年2月に独立。現在は投資信託会社のWebマーケティング戦略業務(週4日勤務)やコンサルティングファームの営業代行業務などを請け負っている。

「コンサルタントは自分が商品です。商品価値を高めるために勉強するなど自己研鑽は欠かせません。昨年5月にはIC支援組織のソルバー・パートナーズLLP(有限責任事業組合)を4社・17名のパートナーと出資・設立しました。そこでは、パートナー間で案件情報提供や業務提携を行うなど、相互メリットをもたらす新たな活動も始め、この展開も楽しみなんです」

[ 2007.7.27 ]

営業ツールの写真

「コンサルタントは外見も重要」と考え、ビジネスパーソン垂涎の一品「リモワ」のアタッシェ ケースを愛用

POLICY

取引先と「発注者と業者ではなく依頼人と請負人という対等な立場で仕事ができるか」を重視。

HOLIDAY

メイン取引先に合わせて土日を休みに。長期休暇を取って妻と旅行するのが近々の目標。

MONEY

開業後3回目の決算を終えた時点で、年収は前職退職時の約3倍にまで大きく増えた。

SATISFACTION

仕事の成否を自分に委ねられる緊張感はあるが、成功を取引先と分かち合う喜びはひとしお。