CASE34人材コンサルタント
PROFILE
中尾 憲司さん(33歳)
1973年、大阪府生まれ。大学卒業後、大手人材派遣会社、NPO法人勤務を経て、テンプスタッフ入社。人材育成研修やキャリア教育のプログラム開発やセミナー講師などを務め、2005年4月独立。キャリアカウンセラー、コーチの資格も保有。
大学・企業・行政とタッグを組み人材にかかわる多彩な経験が開花
IC協会の会員の中で、最も多いのが人材系のプロワーカーだ。中尾さんの場合、企業・大学・行政機関などに研修プログラムや就労支援講座を提案したり、採用コンサルティング会社の業務代行を請け負ったりするのが主な仕事。コーチの資格を生かし、個人を対象としたコーチングも手がけている。
「終身雇用制が長く続いた日本では、自分の仕事や人生を自分で決めるという教育が浸透していません。また、仕事と私生活のバランスを取るのが苦手という人も多い。そこで、自分らしいライフデザインを描くお手伝いできたら……と、キャリアマネジメントのプロワーカーを目指して独立しました」
中尾さんが人材教育に興味を持つようになったのは、歴史ある学生インターンシップ団体の代表になったのがきっかけ。海外十数カ国を訪ね、様々な国籍の学生たちと労働について語り合い、自分のミッションをみつけた。
「持続可能な社会づくりに貢献し、人々の人生の目的探しをお手伝いしたいと思いました。だからこそ、就職先として人材派遣会社を選んだんです」
もともとコミュニケーションが得意な中尾さんにとって、研修や人材マッチングの仕事は天職に思えた。が、求職者らの相談に乗るうち、数週間という限られた時間内に、本当に自分がやりたいことは何かを深く掘り下げる余裕がないことに違和感を覚えるように。
「急いで就職したものの、思ったような仕事ではなかったと、ギャップに悩む人が少なくありません。またすぐに転職なんてことになれば、雇う側にとってもデメリット。個人と組織のよりよいマッチングと活性化をサポートすることが私の目標。できれば、働き方だけじゃなくて、家庭生活も含めた生き方をもプランニングできるように時間をかけていただきたいんです」
様々な働き方を見てきた経験とコーチングのノウハウを生かした若年層から管理職クラスまでの就職・転職支援が、中尾さんの得意分野。現在は、京都の求人広告会社における、人材紹介事業や教育研修事業の立ち上げが売上げの約4割を占めているが、今年は大学でのキャリア形成支援プログラムの提供や学生向けの講座・就職相談といった仕事にも力を入れる予定。ほかに、人材教育を手がける会社、及びや採用支援を手がける会社、各々1社づつと年間契約を結び、業務を代行している。
「会社員に比べて不安定に見えるでしょうが、仕事を自分で組み立てていくのが好きな私としては大満足。近々同業者と法人を設立したり、将来的には学校をつくったりと、まだまだやりたいことがあるので、現状の業務も大切にしながら、新分野を開拓したい!」
[ 2007.4.27 ]

資料満載のノートパソコン・携帯電話・手帳が、出張の多い中尾さんの三種の神器
POLICY
お金のためだけの仕事は長く続かない!だから、思いを共有できるクライアントと取引をする。
HOLIDAY
就業支援の仕事は土、日、祝日こそピーク。体調と気力を維持するため、月曜日を定休日に。
MONEY
収入は会社員時代の約2倍に。自己研鑽のためのセミナー受講など、先行投資は惜しまない。
SATISFACTION
研修カリキュラムにしろ、教育システムにしろ、自分でつくって、自分で実践できることに満足!