2015年10月23日更新

起業とお金に関するお話の第22回目。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。前回の続きで、事業コンセプトの9つの要素を一つひとつ見ていきましょう。
あなたは、その商品・サービスを「何のために」提供するのでしょうか。
単に自分のお金儲けの手段としてだけ提供するのではないですよね?
質問の仕方を変えましょう。あなたからその商品・サービスを提供されたユーザーは、地域は、世の中は、どのように変わるのでしょうか?どんな価値を手にできるのでしょうか?
便利になる、コストダウンになる、楽しくなる、笑顔になるetc.
その最終目的のために、その手段として商品・サービスを提供するはずです。
事業で一番大切なのは「目的」です。その目的はハッキリと認識して表現しましょう。目的がハッキリとしていれば、一本すっと筋が通ります。社会的意義が加わり、説得力が増します。そして、経営判断に迷いが生じません。
失敗事例として多いのが、目的が定まらない場合です。目的がはっきりせずに起業したところで、うまくいくはずがありません。自分が何のためにやっているのかわからないため、あっちへこっちへと、迷走してしまいます。
ビジネスチャンスという言葉がありますが、使い方次第では微妙な言葉です。単に儲かりそうだからやるというマインドで使うのなら起業はやめた方が無難です。そんなマインドでうまくいくほど、ビジネスは甘くはないからです。
そうではなく、世の中に不満や不足、不便などのニーズがあると確信したうえで、その商品・サービスを提供することで世の中の役に立ちそうだ、何かを変えられそうだという信念をもとに発する「ビジネスチャンス」という言葉だとしたら、起業してもきっとうまくいくでしょうね。
次回も事業コンセプトについてのお話を続けていきます。お楽しみに!