2015年7月17日更新

起業とお金に関するお話の第15回目。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。前回は代表者の経歴や持っているノウハウ、技能などの書き方についてお話ししました。今回は、起業の動機、経営理念、将来ビジョンについてです。
まず、ひとつ質問させてください。あなたは、なぜ起業したいのでしょうか? お金持ちになりたいから? 会社員を辞めたいから? 世の中の役に立ちたいから?・・・その答えは人それぞれだと思います。正解なんてないですよね。
ただ、考えてみてください。創業融資の場合は別です。なぜならその原資が、税金だからです。単にお金を儲けたいから起業する? そんなことに税金を投入するでしょうか? 目的がそれだけだとしたら、何も税金を使って支援するようなことではありませんよね。そう、税金を使ってお金を貸すには大義名分が必要なのです。このことをまず強く意識する必要があります。
もう一つ大切な視点は、理念なき会社に発展はないという事実です。理念から始まり、目的や将来目指す方向性などに一本筋が通った会社というのは、起業後にメキメキと発展していくものです。事業全体に統一感があり、その思いがお客様にストレートに伝わるからです。
金融機関の職員だって同じこと。応援したくなるような理念を持つ会社であれば、応援せずにいられないものです。事業計画書を書くことをきっかけとしてもう一度、理念、将来ビジョンなどについて、じっくりと考えてみましょう。
たまに、「今、どんなビジネスをすれば儲かりますか?」という質問を受けます。それは、大事な視点が抜けていると思うのです。「あなたの残りの人生を使って起業して、最終的に何を実現したいですか?」この質問に対する回答が理念や将来ビジョンともいえるでしょう。とことん考えましょう。そして、魂を込めて書いてみてください。
さて、次回も事業計画書の書き方についてのお話を続けていきます。お楽しみに!