アントレ-会社の設立-発行額と発行株数を検討しよう

7.会社の設立

04発行額と発行株数を検討しよう

1株の額と発行株数は将来を見据えて決める

ご存じのとおり、株式会社は株式の発行をもって出資を受け入れる。したがって株式には「金額」が付けられる。その金額を決めるのも、会社を設立する人自身の仕事である。その額は1株1円でも100円でも10万円でも、要するにいくらでもかまわない。もっとも資本金の額が、仮に7万円だとすれば、当然のことながら1株10万円の株を発行することは不可能。その場合は1株当たり最高で7万円になる。

1株1万〜10万円が現実的な範囲

では、現実的には1株何円の株式を何株発行するのが妥当だろうか。これは、資本金の額や出資者の人数によって考えることができる。仮に資本金800万円を表のような比率で5者が出資するとすれば、10万円を出資するEさんに最低ラインを合わせ、1株を10万円以下で発行する必要がある。また、将来さらに小口の出資者を募集したいと考えるなら、1株を2万円や1万円にしてもいい。いずれにしても、1株の金額をあまり高額に設定することは避けたい。たとえば1株を100万円とすると、100万円単位でなければ増資ができなくなってしまう。また、増資によって第三者に株を引き受けてもらう際も、1株が高すぎると、持ち株比率に影響が出かねない。したがって結論としては、1株1万〜10万円程度が適当な範囲といえる。

出資額と「設立に際して発行する株式の総数」の関係
出資額 1株10万円の場合の株式数 1株2万円の場合の株式数
Aさん 410万円 410万円÷10万円=41株 410万円÷2万円=205株
Bさん 200万円 200万円÷10万円=20株 200万円÷2万円=100株
Cさん 150万円 150万円÷10万円=15株 150万円÷2万円=75株
Dさん 30万円 30万円÷10万円=3株 30万円÷2万円=15株
Eさん 10万円 10万円÷10万円=1株 10万円÷2万円=5株
合計 800万円 800万円÷10万円=80株 800万円÷2万円=400株

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