手づくり商品がメインの
環境にやさしい雑貨ショップです
手づくりのぬくもりにあふれた雑貨がかわいらしく並び、オーナー・原美穂さんの笑顔で迎え入れられる手づくり雑貨ショップ「アルクウミ」。彼女のファンとなったリピーターたちが、入れ替わり店を訪れている。
子供の頃から母がつくってくれた洋服に触れ、手づくりの温かみを肌で感じていたという原さん。中学生になると、自分で巾着や洋服をつくるように。
「絵をかくことも好きだったので、自分の好みに合った色で洋服などをつくることが大好きでした。ですから大学は、迷わず好きなファッションや絵が学べる美術大学へと進学しました」
大学3年生の時、彼女は今後の人生を決める大切な出合いを果たす。自宅近くの雑貨&カフェの店でバイトを始め、雑貨の魅力を知ったのだ。
「授業では幅広く受けるデザインやファッションを勉強していましたが、その雑貨ショップは自分たちの価値観で選び、流行発信していました。それがとても新鮮で魅力的に思え、将来は店を持ちたいと思うようになりました」
その夢をかなえるために、彼女は大学卒業後、手づくり雑貨の雑誌を発行する出版社に入社。
「その会社ではアンティークショップも経営していて、昼間はショップの手伝い、夜は雑貨づくりや編集の仕事をしていました。アンティーク好きのスタッフに、本物の見分け方や人気の傾向、歴史などを教えてもらったことが勉強になりましたね」
会社の移転をきっかけに退社をすると、その後アクセサリーのパーツショップやセレクトショップの店員を経験。夢をかなえるために行動を開始した。
「早く開業したいと思いましたが、長く店を続けるためには、回り道をしてもしっかり知識や経験を積んだ方がいいと思ったんです。働いて開業資金を貯める必要もありましたから(笑)」
その間にも海外旅行時に雑貨ショップや市を巡り商品を集めたり、物件を探すなどの行動は怠らなかった。そうして大好きな鎌倉で物件を見つけ、いよいよ夢が実現。原さんは環境にやさしい店づくりをしようと、古木を利用した椅子やアンティークのショーケースを使ったシンプルな空間を選んだ。
2006年8月、アルクウミがオープン。店のコンセプトは、買った人になじみやすく、長く愛用してもらえる商品を提供すること。その根底には、物を大切に環境にやさしい店づくりをしたいという願いが込められている。商品は、原さん手づくりのコットン素材のバッグやウール100%のリネン類・洋服のほか、アクセサリーやアンティークの生活用品などが並ぶ。装飾には、木や貝のボタンを使い細かなところにも環境への気配りが感じられる。
「自分のつくりたいものをつくって、それがお客さまに喜んでもらえる今の仕事は本当にやりがいがあります。さらにお客さまに喜んでもらうために、品揃えや内装を工夫して、店も私もずっと進化していきたいです」