
「ワールドカフェ」と呼ばれる形式での頭脳交換会。この日のテーマは「どうする!? 日本の食」。アイデアが飛び交い会場は大盛り上がり
業種、地域、世代を超えた交流で新しい市場と事業の可能性を生み出す活動を日本中に広げようとしているのが、一般社団法人起業支援ネットワークNICe(ナイス)だ。NICeとは「National Incubation Center」の略。全国の人たちが各地で開催される様々なオフ会とSNSとの2本立てで交流を深めている。
7月9日に東京で開催された全国定例会には、北海道から九州・沖縄まで、全国各地から66人のメンバーが集結。SNS上だけの交流では飽き足らず、わざわざ高い交通費をかけてまで多くの人が参加する理由はどこにあるのか?
「最大の理由は参加者同士の人間的な魅力でしょう。自分の利益は後回しで、まずは相手の役に立ちたい。そんな利他的な人たちが多いし、そういう人たちと仲良くなりたいと思うのは自然なことです」。そう語るのは代表理事の増田紀彦さんだ。
参加者は農林水産業からIT関連までまさにあらゆる業種を網羅。SNSでは事業のシリアスな悩みから身辺雑記まで、等身大の情報が豊富に飛び交う。ネットで興味を持って知り合い、リアルで会って感動する。「自分が知らないところに、こんなに元気で魅力的な人たちがいたのか!」。そういう驚きが人を引きつけ、NICeにはまっていく人が多いようだ。
NICeが誕生したのは2007年。経済産業省の委託事業としてスタートした。だが、事業は3年間で終了。それに対して増田さんは、「こんないい活動をつぶすのは罪だ」と訴え、有志を集めて民間活動として再出発させた。現在、SNSのユーザーとして参加するメンバーは1000人を超えている。そのNICeの合言葉は「つながり力で、日本経済と地域社会の未来を拓く!」。
「全国には会社や組織にべったりと頼りきることなく、自立して生きる人々や雇われずに生きる人々、またそれを目指す人々が大勢います。そうした人々が地域や世代の壁を越えて結びつけば、新しい大きな価値を生み出せるはず。人々がつながって、お互いの情報や知恵、志を共有・循環させることで“相互支援体制”が築かれます。NICeではそれを“つながり力”と呼んでいます。つながり力で新市場を創出し、仕事と地域社会に人間的な喜びを取り戻していくことが私たちのテーマです」