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2023/12/15 メディア掲載

朝日新聞に「事象承継実践プログラム」受講生の事例が取り上げられました

※以下、転載

育てた「売れるサイト」お譲りします

一から立ち上げて育てたECサイト、譲ります―。 起業や副業をめざす人たちに向けて、桑名 市の輸入代行会社がこんな事業承継に取り組んでいる。電子商取引(EC)事業に参入しやすくでき る一方、自社の販路拡大にもつながる新しい「ウィンウィン」のビジネスモデルをめざしている。

桑名の輸入代行会社、ウィンウィンの事業承継

寝袋やまきストーブなどのアウトドア用品を、アマゾンなどのネット通販サイトで販売している岡元信也 さん(38)=名古屋市=は、昨年10月 にECサイトを620万円で譲り受けた。
会社員だったが、独立、開業 を考えていた岡元さん。サポート会 社の支援を受けながら事業承継の案件を探したところ、 桑名市の輸入代 行会社「archi (アーチ)」 (奥岡弘久社長)のECサイトにたどりついた。
譲渡を受けたのは、アーチが一から立ち上げ、売り上げが上がるまで育てたサイトだ。さらに、アーチが商品の仕入れから保管や配送、商品 企画の相談にも乗る。「初心者が自分だけでECサイトに乗り出すのは大変。事業承継されたECサイトなら不安なくスタートできた」と岡元さん。扱っているアウトドア用品は 手ごろな価格のものが中心で、これ までは順調に売り上げを重ねてきて いるという。

起業・副業しやすく/自社も販路拡大へ

では、ECサイトを譲る側には、 どんなメリットがあるのか。
「ねらいは販路の拡大」とアーチ の奥岡社長は言う。同社は、中国からアウトドア用品や生活雑貨、家具、アパレルなどの輸入や輸入代行を行うほか、桑名ロジスティクスセンターにある倉庫で保管、宅配の手配やその代行もしている。自前のECサイトでの販売もあるが、それに加えて、同社が立ち上げ、自社の輸入ルートを使って育てたECサイトでの販売が増えれば、売り上げのアップにつながる、というわけだ。 3年前にECサイトの事業承継をスタートさせ、これまでに30件以上を譲り渡した。 ECサイトを売るのが目的ではないので、譲渡価格は抑えているという。「これまでにEC サイトを100件以上立ち上げてきた経験があり、『売れるサイト』に育てるノウハウも持っている」と奥岡社長は話す。

事業承継で岡元さんをサポートし た「アントレ」(本社・東京)の沖田誠さんは「初心者もフランチャイズに加わる感覚で安心して参入できるし、譲る側も販売チャンネルの拡大につなげられ、双方にメリットがある仕組みになっている」と指摘。 「事業承継というと、後継者不足を 思い浮かべがちだが、新しいビジネスモデルといえるのではないか」と話している。 (鈴木裕)

 

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