奨学金は借金と同じ?返済できない場合の減額法や利用制度

大学進学には多額の費用が必要となり、それらを賄うために、奨学金を利用する方も少なくありません。「将来的に分割して支払うのであれば、それほど無理なく返済できるだろう」と考えがちですが、実際には、想像以上に厳しい現実が待ち構えているケースもあります。

奨学金という借金の一種を、「どうしても返済できない…」となった場合に、その後どのような事態が起きるのでしょうか。延滞しないためのポイントや減額のための手続きなど、知っておくべき情報をまとめます。

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奨学金は借金と同じ!返済・延滞には注意が必要

奨学金は、学費や進学にまつわる費用として使われます。目的が明確であり、また金銭的な問題が原因で進学が厳しいときに、その利用が推奨されることなどから、「借金」という意識を抱く方は少ないのかもしれません。

とはいえ貸与型の奨学金は、無利子・有利子に関わらず、利用後必ずその返済が求められる借金の一種です。返済や延滞については、特に注意が必要となります。

奨学金は、10代~20代と比較的若い世代で利用するケースが多く、契約時に利用総額や返済総額、返済期間についてよくわからないまま、話を進めてしまうケースも少なくありません。

奨学金の延滞が増えている!裏にある社会的事情とは

近年、奨学金を返済する過程において、延滞してしまう方が増えていると言われています。ここには、以下のような要因が関連しています。

  • 奨学金の利用者数の大幅な増加
  • 卒業後の進路の多様化
  • 進学費用の増加

大学進学時にかかる費用は、少しずつ上昇しています。また日本経済が長らく低迷していたことで、親世代の収入状況が悪化し、奨学金に頼らざるを得ないケースが増えたことも、奨学金の利用者数を押し上げる原因になりました。

利用者数が増えれば、その後の返済について問題を抱える方の絶対数も増えるでしょう。また近年は、大学を卒業したからといって安定企業に就職できるとは限らず、安定しない経済状況の中で、返済が厳しくなってしまうケースも少なくありません。

奨学金の返済金額の平均は、10,000円~20,000円程度だと言われています。たとえ仕事をしていても、一人暮らしで生活費がかさめば、金銭的な余裕がないことも考えられます。

また奨学金は、10年以上かけて返済していくケースがほとんどです。10年以上もあれば、結婚や出産、住宅購入や転職などで生活環境が大きく変わることも考えられます。最初は「無理がない」と思っていても、途中で難しくなってしまうこともあるでしょう。

奨学金延滞後に起きる3つの出来事とその影響

さまざまな事情により、奨学金の返済が難しくなってしまった場合、気になるのが「その後どのようなことが起きるのか」ということです。

借金と同じ意味を持つ奨学金を延滞した場合、その後に起きる出来事としては、以下の3つが考えられます。

  • 督促が始まる
  • ブラックリストに入る
  • 延滞金が発生する

それぞれの内容を、詳しくチェックしていきましょう。

保証の内容に合わせた督促がスタート

借金を延滞した場合と同様に、まずスタートするのが督促です。電話や郵便などで、延滞が発生していることを伝え、速やかに返済が行われるよう案内されます。

奨学金を利用する場合には、保証機関を保証人とする「機関保証」と、家族や親せきなどの親族を保証人とする「人的保証」の2つがあります。

機関保証の場合は、本人に督促しても返済が行われない場合、専門機関が返済を行います。機関側から本人へと請求が行き、それにも応じない場合、法的措置へと移行されます。一方人的保証の場合には、保証人である親族のもとへと請求がいきます。

法的措置をとられ、裁判所が強制執行を認めれば、自身の給料や財産などが差し押さえられてしまいます。また人的保証の場合でも、親族にかなりの迷惑をかけてしまうでしょう。

奨学金が原因でブラックリスト入り

借金返済が滞れば、信用情報に傷がつきます。この信用情報とは、クレジットカード会社やローン会社、銀行などが情報を共有しているもので、契約の事実や返済・借入状況などが登録されています。

返済が滞ったり債務整理が行われたりした場合、その情報が「事故情報」として信用情報に登録されます。これがいわゆる「ブラックリスト入り」という状態です。

ローン契約時やクレジットカード発行時には「審査」が行われますが、この審査は、信用情報をもとに行われます。ブラックリストに登録されている人が、申し込みを行ったとしても、審査を通過することは不可能です。

ブラックリストに登録されれば、その情報が消えるまで住宅ローンやカーローンなどを組むことはできなくなってしまいます。将来の家計に、非常に大きな影響を与えてしまうことも考えられます。

奨学金が原因でブラックリストに載ってしまう場合の条件は、「奨学金延滞から3ヶ月以上経過した場合」です。「支払えないから仕方がない。まぁいいか」と安易に考えるのではなく、将来の自分を守るためにも計画的に返済を行いましょう。

延滞金の発生で、さらに返済が困難に

奨学金の延滞が発生する理由のほとんどは、「家計に余裕がない」というものです。しかし返済すべきお金が返済されない場合、その金額や期間に応じて、延滞金が発生してしまいます。

有利子の奨学金の場合、返済するお金の内訳は、「元金」+「利息」となります。延滞金が発生すれば、これらにプラスして余計なお金を支払わなければいけません。

延滞金の目安は、毎月の返済金額の5%~10%です。決して少なくはない金額ですから、早めに対処する必要があります。

奨学金返済トラブルが原因で、破談になったケースもアリ!

返済が長期にわたる奨学金は、結婚後の生活に影響を与える可能性も指摘されています。奨学金の返済があれば、その分結婚後の生活費は圧迫されてしまいます。

実際に、

  • 相手の家族が奨学金返済に良い顔をせず、婚約破棄になった
  • 奨学金の滞納がバレて、お金にだらしがないと思われ破談に…
  • 大好きな恋人がいるけれど、返済額が大きすぎて結婚後の生活が思い描けない

このような理由で大切な縁が壊れてしまうケースも存在しています。金銭面以外の人生にも影響を与えうるということを、しっかりと頭に入れておきましょう。

奨学金を延滞しないために知っておくべき3つの制度

「奨学金を賢く利用する」ということは、「延滞などのトラブルなく、円滑に完済する」までを指します。「借りられればそれで良い」と考えるのではなく、きちんとした返済計画を立てることが重要です。

とはいえ、長い年月の間には、何が起きるか予想はできません。やむを得ない理由で返済が難しくなってしまうことも考えられます。このような場合には、返済が難しい場合に利用できる制度を活用してみてください。

家計が厳しいときの奨学金返済をサポートしてくれる制度は、以下の3つです。

  • 減額返還制度
  • 返還期限猶予
  • 返還免除制度

それぞれの詳細をチェックしていきましょう。

減額返金制度は、毎月の返済額を減額できる!

奨学金の返済が難しい理由の一つが、「月々の家計に対する、返済額の割合が大きすぎる!」というものです。このような場合に活用したいのが、減額返金制度です。

この制度では、毎月返済している奨学金の金額を、制度利用中に限って半額にできます。その分返済期間が伸びるため、返済総額は変わらないものの、月々の負担が減額されることで「助かった!」と感じる方も多いことでしょう。

ただしこの制度を利用できるのは、最大で10年であり、さらに

  • 年間収入金額325万円以下(税込み)
  • 年間取得金額225万円以下(必要経費控除後)

という条件をクリアする必要があります。

生活が苦しいと感じたときには、自分が要件に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。

返還期限猶予制度なら、返済をいったんストップできる!

たとえ半額になっても支払いが厳しい…という場合には、返済を一時的に停止できる、返還期限猶予制度を活用するのがおすすめです。

以下の2つのタイプがあるので、自身の状況に合った方を選択しましょう。

一般猶予
災害・病気・経済的な理由で使える制度。1度の申請で1年間返済をストップすることができ、10年までなら延長が可能です。
所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予
こちらは、第一種の奨学金の利用者のみが利用できる制度です。一定の収入が得られるようになるまで、無期限で返済を猶予してもらうことができます。1年に1度の申請が必要となりますが、無理のない返済をしやすいと言えるでしょう。

返済がストップすることで、家計への影響は格段に楽になる制度ではありますが、こちらもやはり、返済総額を減額できる制度ではありません。

返済をストップする期間が長ければ長いほど、完済までの期間も長くなります。制度利用時には、改めて返済計画について考える必要があるでしょう。

返還免除制度は、奨学金の全額免除もあり!

奨学金の返済総額を減額したい!と思う場合には、返還免除制度というものが存在しています。利用するためには少しハードルが高いですが、知っておいて損はありません。

返還免除を受けるための方法の一つは、特に優れた業績による返還免除制度です。大学院にて第一種奨学金の貸与を受けている方のうち、在学中「特に優れた業績を挙げた者」の返済が免除されます。一部または全部が対象となり、非常に心強い制度だと言えるでしょう。

在学中の大学長に対して制度を利用したい旨を伝え、申し込み手続きを行ったのちに、大学長から推薦を受ける必要があります。

もう一つは、死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除制度で、本人が死亡した場合や精神若しくは身体の障害によって労働できなくなった場合に、返済が免除されます。

条件に該当した場合には、速やかに奨学金返還免除願を提出し、手続きを踏みましょう。

奨学金返済に困ったら、放っておかないことが大事!

奨学金返済に困ったときでも、用意されている制度を使えば、上手く乗り切っていける可能性もあります。また専門家に相談することで、債務整理なども含めて、今の状況をより良くするためのヒントを得られることでしょう。

「まぁいいか。なんとかなるだろう」と安易な気持ちで放っておかないことが、返済トラブルを避けるための第一歩です。奨学金は借金と同じと心得て、慎重に行動してみてください。返済滞納してしまわないよう要注意です!

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