無職で借金が返せない…就職と債務整理を大至急検討してみて!

借金を返済しなければいけないのに無職になってしまった…収入が得られずに返済が困難になってしまった…。
無収入の状況で借金をすると、返済できずどんどん借金額が膨らみ、生活がどんどん困窮する事態に陥りかねないため、新たに借金をすることなく返済していくことが大切です。
無職で借金を抱えている場合、「すぐに差し押さえにあうの?」とか、「もう夜逃げするしかないの?」と精神的に追い詰められてしまいがちです。
無職の方が、借金をどう返済していけば良いのか?ポイントを押さえておきましょう。
「無職でも借りられる」という広告は闇金の可能性あり
収入がないのに返済日が迫っている、そんなときに最も行ってはいけないのが『新たに借金を重ねる』ことです。
返済能力がないため、一時的な返済はしのげても後が大変になり借金地獄になる可能性大です。
特に、カードローン利用者や、クレジットカードに『キャッシング枠』を設定している方は要注意!新たな手続きなく借り入れをすることが出来るからです。
また、「無職でも大丈夫」「ブラック可能」という業者は、決して利用してはいけません。
無職OKという貸金業者は「闇金」であるリスクが高く、法外な金利を請求され、厳しい取り立ても…。
借金を返したいから、という気持ちは分かりますが、まずは新たな借り入れに頼らない方法を考えることが大切です。
生活保護制度を使えるが、借金返済を目的とした利用はできない!
無職OKという業者は闇金リスクが高い、という話をしましたが、無職でも安心して借入する方法がゼロという訳ではありません。
例えば、生活保護制度、生活福祉資金貸付制度という公的制度があります。ただし、借金返済を目的として利用することはできません。
制度名 | 対象 | 内容・用途 |
---|---|---|
生活保護制度 | 国の定める基準の最低生活費に収入が満たない | 生活費、家賃、義務教育の教育費、医療・介護サービス費用、出産費用、葬祭費用、就労に必要な技能の修得等にかかる費用 |
生活福祉資金貸付制度 | 低所得世帯、障がいや日常生活上療養、または介護を必要とする高齢者のいる世帯 | 総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金 ※連帯保証人が必要 |
借入金の使用目的として「借金返済」は含まれておらず、万が一融資を受けたお金で借金返済をしていることがバレてしまえば、融資が打ち切られてしまう場合もあります。
では、無職でも利用できる借金返済可能な「借入」はある?
今回は、6つの方法をご紹介します。
1.生命保険の契約者貸付制度融資
いざという時に備えて加入している生命保険には、『契約者貸付制度』が利用できるケースがあります。
ただし、「解約返戻金」「解約払戻金」がある終身保険や養老保険などに限られます。
生命保険を解約するのではなく、解約返戻金の一部を一定の範囲内で保険会社から借りることができる制度です。
解約する際に受け取れるお金を解約しないで貸し付けてもらう…返戻金を元に借り入れをするというイメージです。もちろん利息も発生します。(比較的低金利)
また再加入となると、元々の加入時より年齢が上がっているため、保険料が高くなったり、健康状態によっては加入が難しい場合も…。
契約者貸付制度を利用した場合は、保険の満期まで(保険契約期間中)であればいつでも返済可能、融資までのスピードが比較的早いというのも特徴です。
配当金が支払われるタイプであれば、この制度利用時にもそのまま配当金を受け取ることもできます。
貸付金+利息>解約返戻金 で一定の金額を返済できないと、契約失効となり、保険が使えなくなってしまいます。
保障や保険会社からのお金が支払われるもの(お祝い金、満期保険金、死亡保険金など)が予定通りに受け取れなくなってしまわないように注意しましょう。
2.不動産担保ローン
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保にしてお金を借り入れるというものです。担保があるので、無職でも審査に通る可能性があります。
ただ、返済できなくなれば担保になっている不動産は手放さなければいけませんし、不動産担保ローンを利用していると債務整理の任意整理の交渉が困難になるというリスクもあります。
さらに、不動産を担保としたローンを利用すると、個人再生の住宅資金特別条項も使えなくなってしまいます。
- 個人再生の住宅資金特別条項とは
- 住宅を手放さずに住宅ローン以外の債務についてのみ整理することを可能とするもの。
住宅ローン以外の返済額が利息カットなどにより減額されるため、返済負担を減らすことができる。
個人再生では住宅ローンの支払いを継続することを前提として、家を手放さずに債務整理をすることが可能です。
しかし、不動産担保ローンの利用は家を失う可能性が出てきますので、この住宅資金特別条項の対象外となってしまいます。
3.年金担保融資
年金担保融資は、年金を担保としてお金を借りるというものです。公的融資の1つですが、年金担保融資は借金返済目的での利用が可能となっています。
これは、受け取るはずの年金から天引きされる形での返済となりますので、強制的に返済をしていくことになります。
完済するまで受け取り年金額が減額されてしまうというリスクを理解した上で、利用するかどうか慎重に検討するようにしましょう。
4.クレジットカードのキャッシング枠を使って借り入れする
クレジットカードを持っている方で、キャッシング枠がある方は、特に審査なく借り入れができます。
収入状況が変わった時点で、クレジットカード会社へその旨伝える必要がありますが、普段何も問題なく利用していた人は、すぐに使えなくなってしまうというわけではないので、いざという時に利用してみてはいかがでしょうか。
ただし、これまでの利用実績に遅延が多いなどの問題があると、借り入れができないかもしれません。
5.質屋やリサイクルショップを利用する
もし高級ブランドのバッグや財布、時計や指輪といった装飾品を持っているのであれば、質屋を利用してみてはいかがでしょうか。
それらを預けて担保に入れることで、お金を融資してもらえます。価値があればあるほど、多くの額を借り入れすることができる可能性が高いです。
元金+利息を期限までに返済できないと、「質流れ」となります。
銀行や消費者金融での借り入れと違い、返済できない場合、失うものは「品物」だけとなります。こちらがメリットなのですが、思い出の品やレアなものの場合は、それを失ってしまわないよう、その後返済ができるかを見極めてからの行動が必要です。
ちなみに、質屋の金利はかなり高いです!!
- 一般的な消費者金融の金利:年18.0%
- 質屋の金利:年109.5%
一日も早く返さないと、利息だけでとんでもないことになってしまいます…。
また、日用品や洋服などの不用品が身近にある場合は、リサイクルショップやメルカリなどを利用し、お金を手に入れてみてはいかがでしょうか。
6.家族や友人に頼んでお金を貸してもらう
親しい間柄、信頼できる相手を選び、お金を借りることができないか相談してみてください。
その際には、必ず「借用書」を作成しトラブルを未然に防ぎましょう。口約束は絶対にNGです。
無職だと借金返済は待ってもらえるの?
お金を借りれば、必ず返さなくてはなりません。それは無職であっても同じです。優遇されたり、無条件で待ってもらえるなどはありません。
借金が返済できないと、どうなるのでしょうか?
1日でも返済が送れると、遅延損害金が発生!
完済予定日以降に発生するものです。延滞利息、遅延利息と呼ばれることもあります。
ただでさえ、お金が返せない中で、余分なお金が加算されてしまうのです。
滞納すると、ブラック扱いになる
ブラック扱いとは何なのか?それは、信用情報に事故情報が登録された状態になるということです。
登録は、約5年間となり、その間の生活に様々な支障をきたす恐れがあります。
- 新たな借り入れができない
- クレジットカードが使えなくなる
- 新たにクレジットカードを作ることができない
- ETCカードの利用ができない
- 住宅ローンや車のローン、教育ローンなどが組めない
- 奨学金の保証人になれない
- 分割購入ができない(携帯電話やスマホなど)
逆に、ブラック入りしてもできることもあります。
- クレジットカードの家族カードを利用する
- デビットカードを作る、使う
- ETCパーソナルカードを作る、使う
- 保険に新加入する
- 生命保険の積立型の契約者貸付を利用する
- 一括購入(携帯電話やスマホなど)
- 就職や転職
- 市町村が行っている「生活福祉資金貸付制度」「年金担保融資」などは入れる
裁判にまで発展し、財産を差し押さえられる可能性がある
借金を滞納すると、催促状、一括請求書が届きますが、これを無視してしまうのは絶対にNGです。
債権者が裁判を起こす可能性が高いからです。
- 借金の一括払い
- 遅延損害金の支払い
裁判での判決を無視すると、今度は、「財産を差し押さえ」されます。
- 預貯金
- 給料
- 退職金
- 不動産(家や土地など)
- 株式
- 自動車
- 生命保険
- ※基本的には債務者名義の財産に限る
尚、財産の差し押さえ前に債務者には連絡はありません!差押えを逃れるための行動を起こさせないためです。
例えば預貯金を全て引き出す、車を売る、などの恐れがあるためです。これをすると、「強制執行妨害目的財産隠匿罪」(刑法96条の2)という犯罪になるおそれもあります。
無職で借金を抱えている場合、返済が厳しく、「ブラックリスに入っても構わないから、このまま踏み倒してしまいたい」と思うこともあるかもしれません。
しかし、残念ながら踏み倒しはほぼ不可能です。
- 借金の督促
- 裁判の提起
- 差し押さえの実行
債権者側のこうした行動によって、時効は中断してしまいます。いったん中断してしまうと、その瞬間から、また5年~10年経過するのを待たなくてはいけません。
無職で仕事がない場合、「別の場所に引っ越してしまえば、居場所がわからないから大丈夫だろう」と思う方もいるかもしれません。しかし、相手方の住所がわからなくても、裁判を起こすことは可能なのです。
うつ病で無職になったら…借金返済はどうすればいい?
仕事がきっかけでうつ病を発症した場合、これから先の仕事と返済をどうしていくのか、悩む方も多いことでしょう。
残念ながら、無職になった原因がうつ病であっても、借金返済を待ってもらえたり免除されたりするわけではありません。だからこそ、冷静に一つずつ問題を解決していきましょう。
病気についても、借金についても、一人で抱え込むのはおすすめできません。信頼できる人に相談すると、今後の道筋も見えやすくなります。その上で、以下の手順で手続きを進めていきましょう。
- 病院の受診
- 傷病手当金の受給確認
- 借金の専門家に相談する
うつ病という診断が下りれば、傷病手当金を受給できる可能性があります。いくつかの条件をクリアする必要があるものの、給料の3分の2が療養生活費として支給されるでしょう。
このお金は、自分の生活のために自由に使えるお金。もちろん借金返済に回すことも可能です。
傷病手当金以外にも、うつ病の状態によっては障害年金を受給できる可能性も。この場合、窓口は各自治体や年金事務所となりますので、ぜひ一度相談してみてください。
うつ病を回復させるためには、心身ともにゆっくりと休むことが必要です。借金問題については専門家に任せて、不安や負担を取り除きましょう。
新たな借入をせずに、「借金を減らす」ことに着目!無職で借金を返済する方法
無職で借金を返済するための方法、それは主に2つあります。
この2つを検討する前に、借金が減らせるかもチェックしておくと良いでしょう。
就職して収入を得られるようにする
無職の状態で借金を返すのが厳しいのは、収入が得られないからですよね。つまり、就職して収入を得られるようにすれば、毎月の返済負担がだいぶ違ってきます。
就職も、いきなり正規雇用はハードルが高いかもしれません。まずはパートやアルバイトなど、短時間のものからスタートすると良いでしょう。
- 少しでも借金返済ができるようになる
- 債務整理で、自己破産以外の方法を選択できるようになる
「収入を得る」ということが、まずは大事なこととなります。ただ病気や介護中で働けない…などの事情がある場合は、こちらは難しいかもしれません。
ただ、家でできるお仕事もあるので、もし少しでも家にいる時間で空き時間がある!という場合は、検討してみるのもありだと思います。
借金減額が期待できる、国が認めた借金救済制度…債務整理について
借金は実は法的手段により、「減額できる」可能性があります。その方法を御存知ですか?借金の救済措置が「債務整理」です。
主に3つの種類があり、借金減額できる可能性あります。
- 自己破産
- 一定の財産を処分する代わりに、借金の支払い義務を免除してもらうものです。借金がゼロになるメリットがある一方で、家などの資産を手放さなければいけないリスクがあります。
- 任意整理
- 債権者と任意で交渉し、月々の返済額の減額や将来利息の免除を交渉し、返済負担を軽くするというものです。借金の元金は減りません。
ただ、就職していて返済能力がない場合だと、そもそも任意整理をすることはできません。
- 個人再生
- 裁判所に申し立てをして、今ある借金を3/1から5/1ほどに減額するというのが個人再生です。
個人再生には住宅資金特別条項があり、住宅を残したまま借金を減らすことができるメリットがありますが、住宅ローンは減額対象とはなりません。
また、先ほども紹介しましたが、不動産担保ローンを利用している場合は住宅を残すことが出来ないため注意が必要です。
また、今ある借金を減額できるだけでなく、完済した上でお金が戻ってくる可能性があるのが、過払い金請求です。
- 過払い金請求
- 利息制限法の制限利息を超えた利息の支払い分である「過払い金」を返してもらうというもの。
過払い金請求は、現在も返済を続けている借金だけでなく、すでに完済している取引についても返還請求が可能です。この際、取引終了から10年が経過すると時効になってしまうため、早めの確認が重要となります。
過払い金請求で借金が減額される、借金がゼロになるというケースは、決して少なくありません。
無職での借金返済に悩んでいる場合は、まず過払い金の有無について専門家に確認を依頼してみると良いでしょう。
ちなみに、借金の相談(過払い金請求や債務整理など)については無料相談を受け付けている弁護士事務所は多くあります。
1人で悩まず、専門家に相談することをオススメします。
新型コロナウイルス感染の影響で無職に…そんな人が使える貸付はある?
もし、新型コロナウイルスの影響で失業してしまったり、収入減となってしまったという場合は、使える救済制度があるかもしれないので、下記確認してみてください!
緊急小口資金(特例貸付)
令和4年3月末日まで申請期間が延長されています。緊急かつ一時的な生計維持のための貸付制度です。
- 貸付上限額…20万円以内
- 償還期限…2年以内
- 利子…無利子
- 保証人…不要
- 申込先…市区町村の社会福祉協議会(窓口ではなく郵送でのやり取りの可能性あり)
詳しくはこちら
緊急小口資金(特例貸付) 厚生労働省のページ
総合支援資金(生活支援費)
初回貸付の場合は、申請期間が令和4年3月末日まで申請が延長となっています。
新型コロナウイルスの影響により、収入減少、失業などで日常生活の維持が困難になってしまっている生活困窮世帯が対象。失業状態になくても、対象となります。
- 貸付上限額…月20万円以内(二人以上世帯)月15万円以内(単身世帯)
- 貸付期間…原則3年以内
- 償還期限…10年以内
- 利子…無利子
- 保証人…不要
- 申込先…市区町村の社会福祉協議会(窓口ではなく郵送でのやり取りの可能性あり)
詳しくはこちら
緊急小口資金(特例貸付) 厚生労働省のページ
どちらも現在の状況を、申込み先である「市区町村の社会福祉協議会」に電話で確認することをおすすめします!
無職での借金返済は収入を得ることを前提に債務整理などを検討しよう
無職で借金を返済する際には、新たにお金を借りることは避けましょう。借金を重ねても返済総額が膨らむだけで、決して楽にはなることはありません。
まずは手近で物を売ったりしてお金を手に入れる、そして長い目で見て、「就職」して収入を得ることを考え、次に専門家に相談して債務整理などを検討してみましょう。
無職でも借金完済を諦めないでください!





