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節税

日本における、中小企業経営者の年齢分布のピークが20年間でどれだけスライドしたかご存知ですか? 中小企業庁の発表によると、1995年には経営者年齢のピークが47歳であったのに対して、2015年には66歳となっており、20年間で大きく高齢化へとスライドしたことがよくわかります。 (さらに…)
フリーランス(自営業者)になることを選んだ時点で、必然的に迫られるのが経理処理と税金の申告です。 今回は、フリーランスが知っておきたい税金への対策(節税対策)を簡単にご紹介します。

大前提として

極論を言ってしまえば、税金を安くするためには“所得を減らせば良い”となります。 所得、つまり儲け(利益)を安くするためには、無駄な経費をたくさん使えば良いのです。 しかし、これではいくら税金が安くなっても本末転倒となってしまいます。 節税対策を活用する際にとても重要なのは“仕事の健全性を損ねないものを選ぶこと”です。 具体的な方法をご紹介します。

家族情報の整理

家族を養っている場合に「配偶者控除」「扶養控除」といった制度が適用できることは、みなさんもよくご存知かと思います。 特に「配偶者控除」は、近年さまざまな改正が加えられ、活用できる人の範囲も変化が生じました。 とても重要なのは、個人事業主本人と家族間でのやり取りです。 このコミュニケーションが不足していたため、大学生のお子さんがアルバイトをし過ぎて「扶養控除」を逃してしまった、といった事例が決して少なくありません。 家族と“今どれくらい稼ぎがあるのか? ”について、しっかりと話し合いをしておきましょう。

「青色申告制度」の適用

青色申告は“健全な事業経営”に必要不可欠な制度です。 適用するだけで10万円の「特別控除」(経費の上乗せのようなもの)が、事業規模がそれなりにあり、複式簿記を採用した場合には65万円もの「特別控除」が適用できます。 家族に仕事を手伝ってもらう場合にも、青色申告であれば事前に届け出をすることで「青色事業専従者給与」という制度を活用することができます。 そのほか、ともかく青色申告は“絶対に活用したほうが良い制度”です。 よく「事業規模が小さいうちは白色申告の方が良い」「白色申告なら帳面をつけなくて良いから楽」といったことをおっしゃる方がいます。 はっきり言えば、どちらも大嘘です。 まず、規模が小さいからこそ青色申告の効果は絶大です。 特に、創業当初、資金繰りが厳しいときに「特別控除」や「青色事業専従者給与」の存在は本当に大きな助けとなります。 そして、近年の改正により、白色申告者も会計帳簿の作成は義務とされました。 従って、現在青色申告を採用しない理由はほとんどありません。

「設備投資に関する特例」

仕事で利用する機械装置などを購入した場合、中小事業者には特例が用意されています。 通常は何年にも渡り経費にするところを、何割かを即座に経費として落とすことが可能です。 あるいは、購入額に応じた税額控除(税金を割り引いてくれる)を適用することもできます。 詳細については「中小企業投資促進税制」を確認してみてください。 また、「経営力向上計画」と呼ばれる制度を活用すると、一部の建物附属設備や器具備品などが対象に含まれるだけでなく、100%の即時償却(全額がすぐ経費に! )や税額控除の上乗せも適用可能です。 「経営力向上計画」は自分で作成することもでき、認定経営支援機関に相談することで作成の支援を受けることもできます。

余裕があるなら保険の活用を

それなりの所得があって手元資金にも余裕があるのであれば、保険を活用することも一案です。 民間の生命保険などの中には、上手に活用することで結果的に節税となるものもあります(ただし、個人事業主の場合はその活用がかなり制限され、基本は法人経営が前提です)。 また、民間の保険以上に強力なのが社会保険料などの上乗せです。 国民年金基金、確定拠出年金(iDeCo)、小規模企業共済などの掛け金を支払うと、相当な割合で節税することができます。 ただし、これらの方法はあくまでも“手元に余裕がある人”向けです。 あまりカツカツの状態での導入は、自己資金不足にも陥ってしまうので注意しましょう。

「法人成り」の検討

ある程度事業規模が大きくなった場合、「法人成り」を検討することも有効です。 法人にした場合、税負担の安定化や分散化が図られ、結果的に大幅な節税につながることもあります。 また、消費税の免税を活用するためにも法人設立が活用されることが多いです。 ただし、法人の設立には費用がかかりますし、また社会保険への加入など検討しなければならない要素も多々あります。 今回は、活用をするとしても副作用(後で税金が高くなったり、事業の健全性を損ねたりする)が少ないものを紹介しました。 それでも、設備投資や保険の加入などから、「法人成り」は今後の事業を見据えて決断する必要があります。 じっくりと自分で検討するか、あるいは専門家(税理士など)に相談することをおすすめします。 大切なのは"やった後に相談"するのではなく"やる前に相談"することです。

まとめ

個人事業主が活用できる節税対策の代表例として「親族情報の整理」「青色申告制度の導入」「設備投資に関する特例の利用」「保険料などの上乗せ」「法人成り」といったものがあります。 どの制度も上手に使えれば非常に高い効果を発揮しますが、扱い方を間違えると仕事の健全性が損なわれてしまいます。 入念に検討し、専門家へ相談しましょう。
PROFILE

税理士 高橋昌也

2006年税理士試験に合格し、翌年3月高橋昌也税理士事務所を開業。 その後、ファイナンシャルプランナー資格取得し、商工会議所認定ビジネス法務エキスパートの称号取得などを経て、現在に至る。 [保有資格等] AFP、税理士、商工会議所認定ビジネス法務エキスパート
個人事業主で仕事を始めたら、最初に考えておいたほうが良いこと。 それは、事業計画と一緒に事業と個人のマネープランを立てることです。 創業当初は、継続的に売上を確保することも難しく、お金のやりくりが大変かもしれません。

だからこそ、できるだけ早めに計画を立ててお金の備えておくことが大切です。

自営業のライフプラン

自営業者の公的年金はいくらでしょうか。

会社員、公務員として、厚生年金の加入期間がある人は厚生年金がプラスになりますが、公的年金は基本的に国民年金だけになります。

2018年の基準でひと月あたり65千円、2カ月置きに2カ月分が振り込まれます。

これで生活費は大丈夫でしょうか。

個人事業主は、定年がないため元気なうちは幾つになっても働くことができ、年金がなくても大丈夫と思っている方も多いかもしれません。

しかし、事業環境の悪化や個人事業主の健康上の問題や、家族の看護や介護が必要になるなど、事業の継続を阻む要因は多くあります。

会社員や公務員であれば、休職制度や傷病手当金を受け取ることもできます。

残念ながら、個人事業主には、このような保証は一切ありません。全て自己責任になります。

どんなリスクがあるか、あらかじめ想定した上で、個人事業主に役立つ蓄財方法について紹介します。

リスクに備える

事業が継続できないリスク 個人事業主本人の病気・ケガや家族の看護・介護で事業が継続できない場合のリスクです。 本人の病気・ケガについては、医療・がん保険、傷害保険もしくは収入保障保険などで備えることもできますが、あくまでも病気の治療費や一時的な収入減少を補うための保険です。 あってはならないことですが、1カ月、3カ月、半年、仕事ができない場合も考えておきましょう。 1.資金繰りのリスク 事業がある程度、順調に進んでいても思わぬ落とし穴があります。 売上は上がっていても回収が遅れ、お金が回らなくなる資金繰りのリスクです。 これは、現金決済でないB-to-Bの事業でよく起こります。 売り上げた商品を納品後、請求書を発行し、翌月もしくは条件によっては3カ月後や手形決済という場合もあります。 もし、仕入れた商品の支払いが同じように1カ月後や3カ月後なら大きな問題はないかもしれませんが、現金仕入れや仕入れ後、短期間で支払いする条件になっている場合は、売上が上がっていても支払いや給与払いができない、黒字倒産になる場合もあるかもしれません。 これらは、個人事業主に起こりうるリスクの一例ですが、どんな場合でも頼りになるのは現金預金です。 上記のリスクに対応できる個人事業主に最適な蓄財方法があります。 2.小規模企業共済 “小規模企業共済”は、個人事業主など小規模企業の経営者のための“退職金制度”です。 小規模事業者の経営者が国民年金に加えて老後資金を準備することを目的に、国の機関である中小機構が運営しています。 退職後に備えて長期積立するのに最適な制度で、毎月千円〜7万円の掛金を積み立て、一定の年齢に達した時、または廃業時に受け取る事ができます。 税制メリットもあり、お得で安心な制度です。 小規模企業共済は経営者のための退職金制度のため、下記の老後に備える目的にも合致していますが、一般的な年金・貯金とは異なる機能があります。 これは、解約手当金の95%を上限として借入できる一時貸付金制度です。 借入利息の金利は、理由により異なりますが、0.9%から1%と、一般の事業用の貸付に比べると非常に低金利です。 解約手当金の95%以内という制限はあるものの、手続きも簡単です。 万一の資金不足に備える事ができるので、まず、第一に検討すると良いでしょう。 また、規模企業共済は、個人事業主の個人の積立ですが、一般の預貯金とは違い、節税効果が大きいのも特徴です。 年間積立の全額が非課税扱いになり、課税所得から控除されます。 例えば、年間上限の7万円を積立していると、年間の課税所得が7万円x12カ月控除されるので、課税対象の利益が84万円少なくなり、大きな節税効果があります。 また、受け取り時にも、退職所得や公的年金と同じように非課税枠が大きいため、受け取り時の税負担も最低限と言えます。 退職金積立のつもりで、毎月コツコツと長期に渡り積立をすることで、退職後だけでなく、一時的に働けない場合の備えとすることができます。 実際に退職の計画はなくても、65歳で退職という前提で退職金の目標額を定め、しっかり準備しておきましょう。

老後に備える

1.個人型確定拠出年金(iDeCoイデコ)

公的年金を補完する個人年金の準備を推進するため、国が力を入れている年金制度です。 個人事業主が、金融機関で個人型確定拠出年金の口座を設けます。 60歳まで毎月一定の掛け金を積立て、投資信託などの金融商品を選んで運用します。 60歳以降、または事業を廃止した時に、運用した資産を受け取ることができます。 個人事業主は、国民年金基金と合わせて、月額6万8千円を上限として積立てることができます。 また、確定拠出年金以外にも、公的年金を補完する制度として、国民年金基金があります。

2.国民年金基金

国民年金の受取額を増やすために、任意で加入できる国民年金に上乗せして積立できる公的年金制度です。 終身年金のA型、B型のどちらかに加入することが条件で、さらに各タイプの確定年金の加入口数を追加できます。 小規模企業共済と国民年金基金の大きな違いは、自分で運用するかしないかです。 なお、上記の2つはいずれも個人で積立てるものです。個人事業の経費にすることはできませんが、個人事業主の自助努力を応援する国の制度のため、様々な税制優遇を受けることができるのです。 個人事業主でも、節税しながら退職金を貯めることができます。 ただし、年金という性格上、60歳まで積立をやめることはできません。 無理のない金額で長く続けること、ライフプランと合わせて、いくら準備すればいいかを考え、確実に積立てる事が重要です。

3.つみたてNISA

つみたてNISAは、確定拠出年金と同様、投資信託に積立てるものです。 こちらは、年間40万円まで、最長20年間積立てる事ができます。 特徴は、運用利益が非課税となることで、年間40万円x20年間で最大800万円の投資を非課税で行う事ができます。 一般の預貯金は、低金利な上、運用利益は利子所得として、約20%長の税金がかかります。 つみたてNISAは、運用益が非課税のため、長期的な積立をする場合は税制面で有利です。 こちらも老後資金として積立てることができますが、確定拠出年金との違いは、いつでも解約できる点です。

まとめ

以上、個人事業主の事業リスクに備える貯蓄方法についてまとめました。 個人事業主で事業を始めたときは、事業の継続と生活資金を確保するだけで精一杯かもしれません。 しかし、人生100年時代、いつまでも事業を継続できるわけではないのです。 ご紹介した中で、“確定拠出年金iDeCo”と“つみたてNISA”は、元本が保証されたものではありません。 ただし、長期的な積立方法としては、リスクを軽減する効果があり、税制優遇の効果も大きい商品です。 低金利の預貯金だけでなく、運用という視点でも節税効果の高い積立方法を使って、長期的な財政基盤を固めることを考えるといいでしょう。
PROFILE

経営コンサルタント 奥野美代子

外資系の高級消費財ブランドで、日本進出の子会社立ち上げから26年間、マーケティングマネジャーとして、ブランドPR、販売促進、店舗開発、リテール支援を行うなど幅広い経験を持ちます。 独立後は、中小企業診断士とFPのノウハウを生かし、経営者の法人と個人の財務コンサルティングやリスクマネジメント、事業計画策定、マーケティング支援など幅広い支援を行っています。
これから独立開業する方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします! (さらに…)

2018年6月13日

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