「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。
大学卒業後、学生時代にアルバイトをしていた大手の学習塾に入社。退職後、フランチャイズの学習塾を開業。雑誌の取材を受けるなど経営は順調だったものの、理想とする塾のスタイルと違うと感じ塾を閉める。その後、大手の個別指導塾に入社し、個別指導の運営方法などを勉強。退職後、日本政策金融公庫で創業融資を受け、2017年4月、神奈川県に「子別指導塾らぼ」という塾を開校した。
――開校して1カ月が経とうとしていますが、どんな毎日を送っていらっしゃいますか?
――生徒さんの数も順調に増えていますか?
“楽しかった”“分かりやすかった”と体験後の感想を聞いた時はうれしかったです。雰囲気も気に入ってくれたようで、入会後に“この塾を自慢したいから友達を連れて来てもいいですか?”と言ってくれる子もいたんですよ。
何もかもイチから準備をした自分の塾に入会してもらえるというのは、フランチャイズで開校した時の嬉しさと比べても格別です。
――開校前に配布したチラシの効果はありましたか?
自由にチラシを手に取れるように教室の前に置いているのですが、そちらは結構減っているのでチラシ自体はとても役に立っていると思いました。
入会前に行うカウンセリングも、以前勤めていた塾では、チラシを見て電話予約をしてくださる方が多かったのに対し、今回は飛び込みでお越しになる方が多いです。
理由は正確には分かりませんが、それだけ教室や看板が目立っているということかもしれませんね。
――では、実際に授業を始めてみて、ほかの塾との違いや強みは何だと思われますか?
うちは“個別”ではなく“子別”指導とうたっているので、こどもの能力や性格などに合わせて、一人一人教え方を変えているんです。
予習や復習のやり方、苦手を克服するためにやった方がいいこととそのやり方も教えます。家での学習方法も指導します。
やる気を出す方法も人それぞれなので、その子に合ったやり方を教えてあげるんです。授業のない日でも自習という形で来てもらうこともありますよ。
――それは生徒たちにとってメリットがたくさんありますね。これからの販促活動や黒字化できそうな時期などについて教えてください。
開校時にやっていた、いろいろな事務作業も落ち着いてきたのでポスティングの販促活動を再開する予定です。
配布は前と同じ業者にお願いして、前回同様でこの塾から半径1キロくらいのエリアを中心に、塾からは少し離れているけれど通塾可能という範囲で以前とは違うエリアでもやってみようと思っているんです。今回は時間があれば、自分でも配ってみるつもりです。
チラシは開校時に作ったものとはデザインを少し変えて、写真も変更しようかと考えています。
黒字化については、今のところ夏ごろをめどにできればいいなと思っていますね。
――そうなんですね。起業後、経営者になったと感じることはありますか?
全てにおいて制約がないこと、裁量権は常に自分にありますから。
自分1人で全てを決めなければならないということになりますが、それをプラスに感じる人にとってはフランチャイズよりも魅力的だと思います。
1つ例をあげるとすると、チラシのデザインや記載内容の決定から、何枚をいつどこにどのような方法で配るかといったことまで、全部自分の考えで決められます。私はこのスタイルの方がやりがいを感じるので好きです。
――最後に、今、悩みはありますか?
以前フランチャイズで開校した時は、パソコンの会計ソフトを使ってやっていたのですが、結構時間がかかったので、今回は外注にしようかと。経理に割く時間の分だけ、本業に集中できればと思います。
「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年5月19日(金)です。
託児所をオープンした菊地さん編をお楽しみに!
更新日:2017/5/12文:堀家かよ 撮影:中村公泰
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