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地元の米づくりを応援する米俵マラソンの発起人 雇われない生き方:VOL.170

地元の米づくりを応援する米俵マラソンの発起人 雇われない生き方:VOL.170
PROFILE

酒井 裕司さん(41歳)

(同)南信州米俵保存会/長野県飯島町

大学卒業後、建設資材卸会社、食肉店などに勤務。2013年、長野県飯島町のご当地マラソン「米俵マラソン」の発起人に。15年、南信州米俵保存会を設立し、脱サラ。米俵マラソンに使用する米俵のほか、猫つぐらなどを製作する。

VOL.170
地元の米づくりを応援する米俵マラソンの発起人

米俵担いでマラソンを走る。
そんな町ほかにないでしょ

野県飯島町は「25年後に消滅する可能性のある町」の上位。こどもが13人しかいない学年もあります。でも地域の人は「町の宝」と言ってうちの子をいつも気に掛けてくれた。その恩返しがしたかったんです。僕は11年前に隣町から越してきた「よそもの」ですけど、こどもが生まれ育った故郷が消えるなんて、嫌だ。

 目をつけたのが米とマラソンです。飯島は古くから米づくりが盛ん。マラソンは僕の趣味です。今どき地域おこしのマラソンは珍しくないですが、1~5㎏の米俵をかついで走ったら、世界に飯島町だけのマラソンになる。さんざん走った後のランナーには炊きたてピカピカの新米を腹いっぱい食べてもらいます。これ以上ない飯島のPRになるじゃないですか。

 「米俵マラソン」は2016年で4回目を迎えて、参加者800名、協賛企業は100社超です。でも4年前、ゼロから立ち上げた時は何をどうしたらいいのかさっぱりでした。稲作の衰退で米俵をつくれる人もいなくなっていた。やっと見つけた職人さんに弟子入りして、1年目は50個全部、1人で夜なべしてつくりましたよ。

 15年に「南信州米俵保存会」という会社を設立したのは、その米俵をつくる体制を整えるため、というのが理由です。でも会社にするからには、ちゃんと飯島のためになることがしたい。今はわら細工の技術を継承して、地元のお母さん方と一緒に米俵や猫用の「つぐら」を手づくりしています。これなら町の雇用創出につながりますし、わら細工を産業にできたら、稲作農家さんのことも支えられるはず。


更新日:2017/4/26
取材・文/東 雄介 撮影/刑部友康、阪巻正志
アントレ2017.冬号 「これが私を生かす道 ライフワークで食べていく!」より

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