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自転車操業から脱出!資金繰りを改善する方法

自転車操業から脱出!資金繰りを改善する方法

勘定合って銭足らず

毎月支払日が近づくと落ち着かなくなりませんか。支払いが滞ると、企業の信用問題です。なぜ資金繰りが厳しいのかの原因を考え、潤沢な資金がなくてもできる資金繰りの方法を探っていきましょう。

企業の業績を判断できる損益計算書は、売り上げから仕入れや経費を引いて、どのくらいの利益が出たかわかるものです。損益計算書が赤字になると不安になりますが、黒字だから安心かというとそうでもない場合も。
たとえば、「売り上げは立ったけれど、回収が2カ月後になってしまう」というような場合です。そんなとき、経費や仕入れ代金が支払えなくなると、「勘定合って銭足らず」となり、下手をすると「黒字倒産」という事態を招いてしまうこともあります。

原因1(掛け売り、掛け仕入れが一般的な日本の商習慣)

「勘定合って銭足らず」になる原因は、売掛金の回収時期と、仕入れ代金の支払い時期、支払手形の決済日がうまく連動していないことにあります。日本の商習慣では、商店など一般消費者を相手にしている場合を除き、掛け売り、掛け仕入れが一般的です。

開業したての会社の場合、社会的信用が不足しているために、仕入れは現金で、売り上げは掛け売り上げ(売掛金の発生)というケースも少なくありません。この状態で漫然と支払いを行っていると、いずれ資金繰りが大変になっていくでしょう。

具体的に見てみましょう。

今月の売り上げが100万円あったとします。
仕入れ代金が50万円、給料などの経費が45万円の場合、利益は5万円です。

・先月に行った仕入れ50万円の支払いは、今月末です。
・給料など今月分の経費45万円は、今月支払います。
・売り上げ100万円が入金になるのは、来月です。
・そうしますと、今月の現金の収支はマイナス95万円です。
・来月の現金の収支はプラス100万円です。

差し引けば5万円の利益が出ていますが、今月は現金を95万円どこからか持ってこないといけません。手形の決済ができなければ、銀行取引停止などの事態になりかねません。

原因2(資金不足に陥るリスク)

資金不足に陥るリスクとして、考えられることは、
・原材料の値上がり分を価格に転嫁できない
・売り上げそのものの減少、過剰な値引き
・代金回収の遅延。売掛金の増加
・過剰な設備投資と過剰な在庫、不良在庫の増加
・急激な売り上げの拡大
・借入金過多

などがあります。

その他に資金繰りが悪化する原因として、取引先が倒産し、売上代金が回収できなくなるというケースなどもあります。これは経営(資金繰り)に与えるダメージは大きいので、取り引き前に与信調査が大事になります。取引先と密に接触すると倒産しそうな状況にもいち早く気付くことができるでしょう。

中小企業基盤整備機構には「経営セーフティ共済(正式名称:中小企業倒産防止共済制度)」という、取引先の倒産時に、共済金の貸し付けが受けられる制度があります。毎月、積み立てをしておくと、無担保・無保証人で必要な資金を迅速に融資してもらえます。万一に備えるために、ぜひ検討したい制度です。

改善方法の具体例

資金繰りを悪化させる原因が分かれば、改善方法は自ずと見えてきます。回収できる資金の範囲で支出を図ればいいわけですから。

ここで、資金繰り表が重要な役割を持ってきます。資金繰り表と聞くと、苦手意識が出る人も、様式にこだわらず自分なりの入出金の予定を、3カ月先までで良いのでエクセルで作ってみましょう。いつ頃資金が不足するのか、その後はどうなのか、先々の見当が付けば、打つ手も見えてくるというものです。

在庫の調整も資金繰りで重要な役目を持ちます。損益計算書が黒字になっていれば、在庫金額の増加に目をつむりがちですが、在庫は適正なのか、在庫管理にかかる費用などに注意を払うことも、資金繰りに欠かせません。

見逃しやすいのが売り上げの急増です。売り上げの急増は会社全体が活気づきますが、仕入れも急増することを忘れないようにしましょう。さらに増加した売り上げに対処するための、人件費を含む経費も上がります。目先の売り上げに気を取られて、資金のバランスを崩さないようにしましょう。

新しく設備投資をしようとするときは、綿密な計画が必要です。大きな設備投資をする時は、金融機関からの長期借り入れでまかなうこともあるでしょう。この場合、月々の返済金額だけでなく、返済期間と減価償却での耐用年数も考慮に入れてください。金融機関でもその部分は把握していますので、原則として、耐用年数よりも長い返済期間は設定しません。

返済期間を耐用年数より極端に短く設定してしまうと、減価償却費よりも返済金額が上回るケースが生じます。こうなると、せっかくの利益部分が返済金に回りますので、手元に資金が不足してしまいます。返済期間も十分考慮して決定してください。

営業畑出身の経営者の場合は、売り上げや損益計算を重視しがちですが、資金を上手に回していくのも経営者の仕事です。売り上げを上げることだけにとらわれず、現状をきちんと捉えて、経費節約や仕入れの圧縮などを図るのも大事です。支払期限の延長も入金と支出のバランスを考える上で重要な考え方です。

また、各種の助成金は、返済必要のない資金になりますので、自分の事業に合ったものがないか調べてみるのも、良いでしょう。

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目次

  1. 1.個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 2.会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 3.新会社法は会社が守るべきルール
  4. 4.会社は6万円の費用で設立できる
  5. 5.最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 6.会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 7.定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 8.電子定款の作成手順を完全解説
  9. 9.オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 10.紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. 11.これで完了、登記の手順

※公開は終了しました

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/2016/12/07/shikinguri-kaizen/

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