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ケチャップ以外は手作り。365日無休の老舗洋食店 雇われない生き方:VOL.165

ケチャップ以外は手作り。365日無休の老舗洋食店 雇われない生き方:VOL.165
PROFILE

福田 英康さん(82歳)

レストランサム/東京都台東区

VOL.165
ケチャップ以外は手作り。365日無休の老舗洋食店

好きな料理を作って、満足して帰ってもらう。
疲れるわきゃないよね。

事だけでやってるなら疲れもくるだろうが、趣味だから疲れないわけ。朝から晩まで仕事に入ってるせいで、この街のことは何にも知らない。たまには休みたいなと思うんだけどさ、昔からのお客さんがいつ来るかもわからないし。それで年中無休、正月も開けている。

 新橋で42年、レストランを経営しました。ホテルオークラに勤めたままなら偉くもなったんだろう。けど、うちは子供がいなかったから、もう少し暴れてやろうかとなったんだね。お店は繁盛して、最盛期は洋食が2店に中華、和食、すし、ケーキで計6店舗。従業員は50人ぐらいになったかな。そこを閉めて上野に移ったのは、言ってみれば隠居仕事をするためです。好きな料理を好きなように作って、言いたいことを言って、お客さんに喜んでもらうこと。さっきはわざわざ岡山から来た人が「おいしかった、また来ます」と。そんなこと言ってもらえたら、苦労も何にもなくなる。昼間は助けてくれるスタッフがいるが、夜は1人でお店に立ちます。忙しくなれば「ちょっと待ってね」とお客さんにお願いをする。皆「分かってます!」と言って待ってくれるよ。毎日きゃあきゃあ、やってるんだ。

 仕事が面白いかどうかではなく、面白くすることが大切だ。料理の場合は、いかにしておいしいものを出し、お客さんを満足させるか。僕は「お客さんを“だます”」という言葉を使うの。悪い意味じゃない。高い材料で高級料理を作るのは誰にもできる、安い材料で高級料理を作るのが腕だ。それはきっと料理の世界のことだけではないはずだよ。うちはケチャップ以外ぜんぶ手作り。それができるか、できないか。逆を言うと、お客さんをだませなくなったら潮時だ。お客さんからクレームがついて、もうおやめなさいということになる。でもそれまではやる。お客さんが喜んで帰ればいいんだと、それだけ考えるんだよ。


更新日:2017/1/24
取材・文/東 雄介 撮影/太田未来子、刑部友康、阪巻正志
アントレ2016.秋号 「定年無用!独立老師が語る退かない人生」より

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