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イベントで売り上げを伸ばす!? かけ算と足し算でわかる商売繁盛のコツ【業態別攻略法 第5回デイサービス】

イベントで売り上げを伸ばす!? かけ算と足し算でわかる商売繁盛のコツ【業態別攻略法 第5回デイサービス】

「どうしたら商売繁盛するのか」

多くの独立・起業予定の方が悩むところはやはりココ。繁盛するビジネスを漠然と考えても、なかなかいい具体的な案やイメージは思いつきません。そんな都合のいい必殺技なんてないか… と、起業に踏み込めない人は多いのではないでしょうか。

しかし、実は商売繁盛のコツは意外と簡単に見つかります。答えは業態での業績を因数分解し、かけ算と足し算で分けて考えること。あとは、その式の中で一番大切な部分を攻略するだけで、商売繁盛のヒントをつかむことができるのです。

本シリーズでは、そうした商売繁盛の秘訣を業種別に解説。第5回は、高齢化が進む日本で年々大きな役割を担っている介護サービスの1種「デイサービス」。『アントレnet Magazine』編集部が総力を挙げて解説するデイサービスの攻略法をさっそくご覧ください!

デイサービスの売り上げUpには、客単価と客数の両方を伸ばせるイベント開催!

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デイサービスとは、通所介護と呼ばれる介護サービスの1種です。高齢者の食事・入浴などの日常生活の支援を日帰りでサポートします。

このデイサービスでの独立・起業を考える場合は、以下のかけ算で売り上げを考えましょう。

売上 = 客単価 × 客数

この客単価と客数のそれぞれを伸ばせば売り上げは必然的に上がっていきます。では、具体的にどうすればよいのか。このかけ算を因数分解して、解き明かしていきましょう。

デイサービスでの客単価の伸ばし方

デイサービスでの「客単価」は「利用者1人当たりの利用度を最大にすること」がポイント。なぜなら、介護保険制度により地域別で各サービスの単価が決められているため、利用度を上げなければ利益は微々たるものになります。また、1施設あたりの利用者の定員があることも忘れてはいけません。

それでは、どうすれば利用度を最大にできるのでしょうか。

3日来られるのに2日しか来ない利用者に、もう1日来てもらえるように工夫するのです。そのために有効なのが高齢者向けの「イベント」です。

例えば、朝市。周辺にスーパーなどがない地域では、買い物に行けずに困っている高齢者がたくさんいます。そこで、朝市を開くわけです。すると、高齢者は気軽に目的を持ってデイサービス施設に行きたくなるのです。

デイサービスでの客数の伸ばし方

それでは次に、売り上げのかけ算のうち2番目「客数」の伸ばし方について見ていきましょう。デイサービスの客数の伸ばし方は大きく2つに分けられます。

1.先ほど説明した「イベント」
2.「ケアマネジャー(介護支援専門員)への営業活動」

この2つを順番にご説明します。

●イベントで客数を伸ばす

まずは、「イベント」での客数の伸ばし方について考えましょう。

イベントは、物珍しいことを行うことで潜在利用者に興味を持ってもらうことができます。例えば、普段お目にかかれないような「マグロの解体ショー」などが人気です。
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一度イベント目当てで施設に足を運んでもらうことで、施設の良さを説明する機会を設けることができます。介護を少しでも考えている家族や高齢者本人が実際に施設に行くことで、デイサービスを受けている方々と話をすることも可能となります。新しい顧客を開拓できるのです。

百聞は一見に如かず。どんな営業よりも、実際に新しい顧客にデイサービス施設へ足を運んでもらうことに意味があります。

●ケアマネジャーへの営業活動で客数を伸ばす
客数を伸ばせるかは、デイサービス施設へのケアマネジャーの評価で決まると言っても過言ではありません。

そもそもケアマネジャーとはどういった人たちなのでしょうか。

ケアマネジャーは、介護支援専門員が正式名称。その名のとおり、介護を必要とする人の支援を専門とした職業です。

介護認定を受けた高齢者やその家族からの相談に応じ、介護保険サービスを利用するために必要なケアプラン(介護の計画書)を作成します。ケアマネジャーはケアプランを考える際に、その高齢者に合った施設を紹介する役割も果たしているのです。

そのため、ケアマネジャーの施設への評価がデイサービス施設の客数に直接関係してくるのです。

そこで客数を伸ばすためには、「ケアマネジャーへの営業活動」が重要になってきます。

施設を紹介してもらうためにはまずは認知してもらい、その上で施設の良さを知ってもらい、利用者を紹介してもらえるような関係作りをしなければなりません。

そのための第一歩としてまず月刊のニュースレターを作成し、ケアマネジャーに届けることから始めてみましょう。

月刊のニュースレターを定期的に届けることで、ケアマネジャーと関係作りができるようになります。ニュースレターの内容は、施設の概要や良さを十分に伝えるものとします。直近で行ったイベントの様子を伝える、あるいは、利用者の声を掲載するとよいでしょう。

デザインで悩まれる方もいらっしゃいますが、身近なパンフレットやチラシを「真似る」ことがオススメです。無理にお洒落にしたり、カッコをつけたりするのではなく、身近なチラシを参考にすることで、親近感を抱いてもらうことが大切です。

デイサービスにおける売り上げの考え方
 売上=客単価×客数
 ●客単価:利用者1人当たりの利用度を最大にする。そのために朝市やバザーなどのイベントを行い、利用者の利用頻度を上げる
 ●客数:イベントを行い潜在利用者の開拓を図る。ケアマネジャーへの営業により、信頼関係を築いて施設を紹介しやすくしてもらう

デイサービスでの独立は、コンビニ跡地の利用がオススメ!

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デイザービスの経費は、次の足し算で考えます。

経費 = 原価 + 固定費 + 変動費

経費の足し算を構成する3つの要素を順番に見ていきましょう。

デイサービスでの原価について

デイサービスの原価は主に食費となります。ですが、費用はほとんどかかりません。なぜなら、食費は利用者から徴収したお金を全額実費として充当するデイサービス施設が大半だからです。

食費でマージン(儲け)を取ろうとすると、食事の質を落とし評判に関わってしまいます。したがって徴収する食費は、全額実費として食費へ充てることをおすすめします。

デイサービスでの固定費の抑え方

デイサービスの固定費は、施設費用(賃料)が多くを占めています。施設はできるだけ良い立地で、きれいな建物が良いのでは?と考えている方も多いと思いますが、良い立地できれいな建物を選ぼうとすると、必然的に施設費用は高額になってしまいがちです。

デイサービスでは高齢者を車で送迎するため施設の立地は問いません。例えば、賃料が低めの古民家を利用すると、「家庭的で良い」と好評が得られる場合もあります。

中でもデイサービスで独立・起業する方に一番おすすめしたいのがテナントへの入居です。特に、「コンビニの撤退跡」は面積が手頃で、送迎車をベタ付けできる駐車場が併設されている事が多いので、デイサービスにもってこいの物件なのです。

デイサービスでの変動費の抑え方

足し算の3つ目である変動費は、ほとんどが人件費です。そこで重要なのが「パートで変動費を抑える」ということ。

介護保険制度で一定のスタッフ数の配置は決められています。しかし、それ以上に必要なスタッフは、送迎や食事、入浴など必要な時に必要なパートをシフトで手配して変動費を抑えましょう。

デイサービスにおける経費の考え方
 経費= 原価 + 固定費 + 変動費 
 ●原価:食費は利用者から徴収した費用を全額充当すればほとんどかからない
 ●固定費:利用者は車で送迎するため立地は問わない
 ●変動費:一定のスタッフ数の配置は決められているが、それ以上は必要な時に必要な人数だけパートを手配する,

まとめ

記事の冒頭でも触れたように、高齢化が進む日本において介護施設はますます重要な役割を担う存在になります。そのデイサービスで独立・起業したいと考えている人は、今回ご紹介した以下の様々なコツを踏まえて経営を行ってみましょう。

●イベントで利用者の利用頻度を上げて、客単価を上げる。
●ケアマネジャーへ営業活動をして、客数を上げる。
●食費は利用者から徴収した費用を全額充当する。
●コンビニの撤退跡を狙って固定費を抑える。
●必要な時に必要な人数だけパートを手配して変動費を抑える。

そうすれば、多くの人から愛され、頼られるデイサービスを展開することができるはず。このような小さな努力の積み重ねで、地域の高齢者を持つ家族から頼られるデイサービス施設の運営を目指しましょう!

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