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変わらない「雇われないで生きていく」というメッセージ。アントレ歴代編集長からの熱すぎるエール

変わらない「雇われないで生きていく」というメッセージ。アントレ歴代編集長からの熱すぎるエール

『アントレ』が創刊されたのは、1997年2月27日。

そして、来年2月27日、本誌は20歳の誕生日を迎えます。

人間でいえば成人式を迎える『アントレ』は、どのような変遷を経て、みなさまの独立開業をご支援し続けてきたのか、そしてこれからは、どのような価値をご提供できるのか――4人の歴代編集長に聞きました。

新しいロールモデルとなる独立実例をどんどん増やし情報提供し続けよう。読者の最適な羅針盤となることを願って

大野

大野 誠一
株式会社ローソンHMVエンタテイメント取締役
1982年、リクルート入社。『ガテン』『とらばーゆ』『アントレ』『ダ・ヴィンチ』編集長などを歴任。2001年、パナソニック(株)入社。06年パナソニック、ソニーなどの出資などにより設立された(株)アクトビラの代表取締役社長に就任。11年、(株)ローソンHMVエンタテイメント取締役、12年、(株)ハッツアンリミテッド代表取締役、14年、Beatrobo,Inc.取締役兼任(すべて現任)。

――まずは、皆さんが『アントレ』編集長を務められたころのお話をお聞かせください。

―大野
『アントレ』の創刊日は1997年2月27日。

96年の年末、突然上司に呼び出され「来年2月に『アントレ』を創刊させるが、まだ表紙も決まっていない。お前に編集長を任せる」と。

それで急遽、担当していた別の2誌の編集長を副編集長に任せ、年明け1月1日付で異動しました。よく無事に創刊できたなと(笑)。

――そのときの『アントレ』編集部はどんな状況でしたか。

―大野
それはもう、とても“荒れて”いました(笑)。

ターゲットとするマーケットや読者像、そのほかもろもろ意見が分かれていたのです。

また創刊から数号は個人の事業資金募集などの情報も掲載しており、その審査業務も大変でした。

僕は99年まで編集長を務めましたが、その2年で徐々に方針が整理され、現マーケットの土台がつくれたと思います。

――振り返られて、97〜99年はどんな時代でしたか?

―大野
国内の第三次ベンチャーブームといわれていました。

経済産業省がエンジェル税制を始め、日本でインターネットの商用利用が本格化したのもこのころです。

当時、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄さん、ソフトバンクの孫正義さん、パソナの南部靖之さんが“ベンチャー三銃士”として、たびたびメディアに取り上げられていました。ほかにも、CCCの増田宗昭さんとか。

徐々に「ベンチャーってカッコいい!」といった雰囲気が醸成され始めた時期でもありました。

変えるべきこと変えてはいけないこと。そこをしっかりと見極めながら、常に読者に寄り添う姿勢を貫いてほしい

高城

高城 幸司
株式会社セレブレイン 代表取締役
1987年、リクルート入社。情報ネットワーク事業部門にて営業として活躍。その後、『アントレ』の創刊に携わりベンチャー企業の支援にも広く関わる。2001年、アントレ事業部長、02年、『アントレ』編集長に就任、事業部長と兼務。05年、リクルートを退社。同時に人事コンサルティングを行う(株)セレブレインを立ち上げ、代表取締役に就任。

――その後、高城さんが編集長を引き継がれたのですね。

―高城
『アントレ』には、創刊準備から営業企画として携わっていました。

その後、01年に事業部長に就き、編集長に就任したのが02年。そこから2年くらい“発行人”と“編集人”を両方やって、自分も混乱状態でした(笑)。

――個人に向けたフランチャイズ(以下FC)・代理店を主とした独立開業支援誌に方向性を定めたのは高城さんのときですか?

―高城
01年ですね。

当時『アントレ』を、個人読者と法人読者のどちらに比重を置くか議論を何度もしました。

結果「雇われないで生きていく」というキーワードが生まれ、個人の独立希望者にフォーカスすることを決めたのです。

実はセブン-イレブンのFC1号店オーナーって1店舗だけで終わっていません。

同じように1店舗から始めて複数店舗を経営する起業家になるケースは結構ある。つまりFCや代理店はビジネス・スタートアップの入り口であると考えました。

――当時、世の中的にはどんなことが起こっていましたか?

―高城
創刊前後に生まれた有名ベンチャーは結構多かったんですよ。

楽天、サイバーエージェント、タリーズコーヒーなどバリエーションも豊富で、先の“ベンチャー三銃士”のニュータイプが登場しそうな気運がありました。

また、銀行や商社が“冬の時代”に突入し、一部の人たちが安定を捨て、独立を目指すようになった。その一方、“ナナロク世代”といわれる若手起業家候補たちが行動し始めた時期でもあります。

独立開業は誰にとっても大きな決断。“事前のお試し”と“事後の支援”、両方の充実を模索・推進していくべき

藤井

藤井 薫
株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長
1988年、リクルート入社。以来、人材領域のプロデュースに従事。『B-ing』『TECH B-ing』『Tech総研』の編集、商品企画を担当。『TECH B-ing』編集長、『Tech総研』編集長、『アントレ』編集長・GMを歴任。2016年4月『リクナビNEXT』編集長就任。『リクナビNEXTジャーナル』編集長、リクルートワークス研究所、リクルート経営コンピタンス研究所兼任。

――06年、会社法改正で、最低資本金制度が撤廃され、創業のハードルが一気に下がりました。藤井さんが編集長を引き継がれたのは、それより数年前ですよね。

―藤井
僕は副編集長を経て04年に編集長となり、13年まで9年間務めました。

04年以降、起業の目的は「自分のため」というより「社会のため」という雰囲気が強くなっていったように思います。

「地域に恩返しがしたい」「先人がつくった価値を残したい」とか。

「フェラーリに乗って、六本木のマンションの最上階に住みたい」といったセレブ志向の起業はもうカッコよくないと、多くの人たちが思い始めたのです。

このころ『アントレ』では、独立を推奨するというより、「雇われない生き方」という、独立することで見つかる「あなたらしい生き方」を伝えることを、編集方針としていました。

――NPOブームが起こったのもこの頃でしたね。

―藤井
はい。とりわけ、フローレンスの駒崎弘樹さんが注目されていて、全世界対象のアワード「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」日本代表選考会でも、駒崎さんのプレゼンは大喝采を受けました。

元インテル会長の西岡郁夫さんをはじめ、ビジネス界のイノベーターといわれる審査員たちが、たった1人が始めた病児保育の変革を、「社会を変える取り組み」と共感し支援したのです。

『アントレ』でも、「金なし、コネなし、経験なし――でも、志あり」。そうした特集をたくさんやりました。「共感資本さえあれば、知的資本や関係資本はほかの誰かが補ってくれる」

――同時期に、“副業”や“週末起業”も発信し始めています。

―藤井
05年には“プロワーカー”という言葉をつくりました。

雇われないけど雇わない、たった1人で働く人々のこと。「プロワーカーから初めて、忙しくなったら人を雇えばいい」というような独立スタイルを提案していました。

――独立の選択肢を増やしていったわけですね。

―藤井
そうですね。“起業”というよりは、あなたらしい“新しい生き方と働き方”

世の中のためになることをする社会的起業を目指す人たちを、応援していました。

――その後06年、08年と立て続けにライブドア・ショック、リーマン・ショックが起こりました。

―藤井
これらの事件によって人々の仕事観が、より公的な方向に傾いていったと思います。

スタンフォード大学を首席で卒業した学生が、グーグルを蹴ってNPOのティーチ・フォー・アメリカに行く。そうした話も聞かれました。

その後、東日本大震災を経て、誰かのためになりたい、お金よりも生きがいを、と考える人がさらに増えていったのです。

最後に決断するのはいつも自分。常にその時の一助となれるよう、『アントレ』を進化させていきたい

菊池

菊池 保人
株式会社リクルートキャリア アントレ編集長
1987年、リクルート入社。2001年より新卒・中途・アルバイト、住宅、進学、学び、結婚、自動車、旅行、飲食、美容領域にてメディア・商品リニューアル・業務BPRを推進、事業のIT戦略立案・実行部隊責任者。09年、リクルート横断のネットマーケティング戦略立案・実行責任者。12年、リクルートキャリアにて新規事業開発を担当。13年『アントレ』編集長就任。

――そしてバトンは、13年に現編集長の菊池さんへ。

―菊池
僕自身はもともとITやネットマーケティングの仕事をしてきた人間で、雑誌もネットメディアも未経験。

まずは実際にどんなカスタマーがいるのか知るために2つのことをやりました。

1つ目は、リアルイベントを開催して読者と実際に会うこと

そこにはスーツ姿の人たちだけではなく、ドクロマークのTシャツを着たおじさん、キャップのツバがまっすぐな野球帽を浅くかぶった若者など、本当にいろいろな人がいて「我々は、こういう人たちを支援しているのだ」と実感することができました。

2つ目は、意識調査です。

5年以内に仕事を変えた読者に「生き方の軸となるもの」を聞いたところ、彼らには共通点がありました。軸となる価値観が「収入」から「それ以外の何か」に変わったということです。

独立開業を果たした人たちには、そういった価値観の変化が起こることが見えてきました。

起業へのインフラが整い、シニアの独立が増加傾向

――最近のカスタマーには、どんな傾向が見られるのですか?

―菊池
独立せざるを得ない人たちというのでしょうか。

大企業に勤めたていたミドル層が、早期退職者制度を利用して独立するケースが増えています。

数年前から、再就職支援を行っている会社がリストラ候補の人たちに「転職ではなく自分で独立するという道もある」という選択肢を提案しています。

それで『アントレ』にたどり着いたという流れもあるようですね。

やはり50〜60代の独立が目立ちます

そもそも我が国の人口動態を見ても、そうなるだろうという予測が立つとは思いますが。

―藤井
早期退職による割増の退職金をもらっても、65歳までは満額の年金支給がされないし、自分を活かせる働き口がない。

であれば、独立してみようか、という人が一定数いるのでしょうね。

―大野
逆に、最近の若い人たちの独立はどうなのですか?
―菊池
ちょうど1年くらい前に、京都にある私大のビジネスコンテストで審査員をしたのですが、起業を目指す学生は優秀だという実感を得ました。

ところが、コンテストのテーマ「京都を元気にする」について、テーマが広範囲すぎてか、あまりうまく深掘りできていないんです。大学で学ぶことと起業が、うまくつながっていないのだと感じました。

―大野
今の大学生は、『アントレ』が創刊した頃、2、3歳くらい。

つまり、“失われた20年”といわれた時代をずっと生きてきた。

そして大半の学生が就職活動に今も必死になっている。大学を出てすぐ独立起業の道を選ぶ人はそれほど増えていないのでは? 

――とはいえ、大手企業が欲しがるような大学生が、ベンチャーを選んで数年後に起業する、というパターンも増えていませんか?

―高城
確かに。企業やNPOなど、起業修業を歓迎する“稽古場”のバリエーションは増えています。

加えて、クラウドファンディングによる資金調達など、インフラ的には、昔に比べ独立に有利な仕組みが格段に増えたと思います。

―菊池
12年以降、日本政策金融公庫が創業融資の件数を増やしています

シニア、女性、若者でも、かなり有利な条件で多額の資金が借りられるようです。

―藤井
全体的に独立をする人は増えていて、開業に必要となる資金も下がっています。『アントレ』の募集広告もそうですよね。
―菊池
“0円開業”もたくさんあるし、開業資金100万円未満のFC・代理店募集も増えています。

各社、独立希望者の獲得競争が激しくなっていますから、開業資金が高いとやはり希望者は減ります。

一方で最近目立っているのは、募集企業に入社してから独立するというパターン。

いったん組織に属して学べるためリスクが少ないんですね。特にコンビニエンスストア(以下コンビニ)で増えています。

―藤井
ところで、独立・起業者数が多い国がメキシコとポーランドということを知っていますか?

メキシコは副業大国で、昼間の仕事だけでは所得が満たされず、補填するために夜に別の仕事をするのが一般的です。

そのうち「こっちも意外といける」となっていく、いわゆる“お試し社会”。

一方、ポーランドには独立が立ちいかなくなっても仕事を回してくれるギルドがあって、しっかり機能しています。

つまり、独立後の支援が充実しているということです。

日本でもっと開業者数を増やすためには、この事前のお試しと事後の支援の両方を充実させるべき

週末起業や副業をやりやすくし、知的資本、関係資本を厚くする仕組みづくりが大事だと思います。

そういえば最近、FCの年齢緩和が話題のようですね。

―菊池
これまでコンビニは基本的に10年契約で、55歳までの独立を対象としていました。

ところが「今の時代、55歳を過ぎてもみんなまだまだ元気。そんな彼らを支援しよう」となった。

まず、ある1社が65歳まで対象年齢を引き上げると、半年以内に同業各社もそれにならってきました。

業界全体が、高齢者の独立開業を支援しようという雰囲気になったことはとてもいいことですよね。

独立希望者を増やすため今後、取り組むべきこと

対談

――では、ここから未来について考えてみましょう。今後『アントレ』がどんなメディアになればいいと思いますか?

―菊池
お付き合いのあるFC・代理店の成約者のうち、7〜8割が『アントレ』経由と聞いています。

『アントレ』はとても強いメディアになりました。

今後、FC・代理店以外の独立支援への注力を検討しています。

「雇われない生き方」って、まだまだ多くの選択肢があるわけですから。

―大野
「雇われない生き方」というキーワードが今後も変わらないのであれば、その“生き方”のバリエーションを増やしていくことも大事な役割でしょうね。

例えば今シニア・ミドル寄りなら、若者支援を広げていくとか。

そうやって、新しいロールモデルとなる実例をつくり続けるべきです。

―高城
独立開業することは人生の大きな決断ですよね。

『アントレ』を1冊読んだくらいで、「会社を辞めて独立しよう」なんていう人はいない。

それでも、読みながら、自分の気持ちを確かめ動機を形成していくはず。

そういう意味では、相談できる場所や機会をつくることで、その動機を高めていけると思います。

もう1つは「地味だけど変わらない等身大の部分」を残すこと。

例えば、コンビニオーナーの独立記事を編集側から見ると10年前と変わらない。

でも、読む側に立つと、その記事を初めて目にする人もいる。

そう考えれば、等身大の『アントレ』を飽きずにつくり続けることもすごく大事です。

変えるべきところと、変えてはいけないところをきちんと決めていかないといけません。

―藤井
先ほどお話しした“メキシコ化・ポーランド化”を参考にすべきだと思います。

まずはメキシコ化で1人の読者が「何をやりたいか」を明確にしていく

アマゾンドットコムがいい例で、本を1冊買おうとすると、購入する以外の本も表示され「こういう本もある」ことがわかる。

そのデータが増えていくと、アルゴリズムにより「こういう本が好きな人」という本人の志向情報が把握できるようになる。

これと同じで「この読者はこんな働き方がしたい人」という情報を編集部が把握していけると、より的確な提案ができるようになるのではないでしょうか。

ポーランド化は、独立している人が孤立しないようにチームや仲間、志のある人同士でつながる場所づくりです。

例えば「アントレクラブ」のようなコミュニティとか。ネット上なら、低コストで構築できるはずです。

残念ながら僕の時代にはできなかったので、ぜひインターネットに強い菊池さんに実現してほしいです(笑)。

―菊池
独立開業の“ロールモデル”が1つのキーワードになっていますが、「アントレnet」では、700名ほどの先輩実例を紹介するサイトを作りました。

オフラインで個別相談ができる「アントレ独立カウンター」というサービスも1年前から始め、月間80人くらいにご利用いただいています。

先日、参加者さんたちのその後の動きを聞いたのですが、参加前よりアクションの数が増えている。

相談し、何かが解決すれば、動けるようになるのです。

また「Managers」という新人経営者のための経営支援サービスもスタートし、彼らに有益な情報提供やイベントなどを開催しています。

うまくいけば、ここで先ほど藤井さんが言っていたようなプラットフォームに近いことが実現できるかもしれません。

―大野
コーチング的なサービスがあるといいですね。

独立しない方がいい人もいるじゃないですか。

した方がいいか、しない方がいいか、するとしたらどんなリスクがあるかなど、それらを教えてくれるサービスってあまりない。

その人にとって正しい「雇われない生き方」をコーチングしてくれる場所も必要だと思うのです。

―藤井
『アントレ』が提供している「独立スタイル診断テスト」を使えば、「リーダー型」「参謀型」など、自分の特性がある程度把握できます。

これをさらに分解して「成功するならこの型」「この型はこうしたほうがいい」など、進化させるのも面白いと思います。

―大野
そうですね。「アントレnet」に掲載されているロールモデルも1万件くらいに増やして、それにコーチングを受けに来た人の情報や診断テストの結果を結びつけると、より的確な自己判断ができるようになると思います。

――確かに、「あなたに一番近いロールモデルはこの人」とすぐにわかると、面白いですね。

―高城
僕が思うのはみんな「失敗しないこと」がすごく大事ということ。

もちろん、みんな成功したいし、路頭に迷いたくはない。

でも例えば、年収1000万円だった会社員が独立してコンビニを開き、600万円の年収になったら、失敗といえるでしょうか。

違いますよね? 

そういう“間”のロールモデルも必要だと思うのです。

―菊池
例えば、レシピ検索サイトでは、自分がつくった料理のレシピを残したいというモチベーションから、どんどん新しいレシピが公開され、ほかの人の役に立っています。

同じように、独立・起業した人が『自分の経てきたプロセスを残したい』といった動機づけができれば、大野さんや藤井さんの言うようなデータベースが実現できるように思います。

難しいですけど、挑戦してみたいですね。

何事も決断するのは自分。『アントレ』をその相棒に

対談

――最後に、読者の方々に応援のメッセージをお願いします。

―大野
これまでのキャリアを棚卸しして、自分の価値観が、「お金を稼ぎたい」「社会に貢献したい」など、どこにあるのかを見つけましょう。

それが、今後どういう働き方をすればいいのか判断するための大きなヒントになるはずです。

僕の知人に、47歳で会社を辞め、軽井沢でワイン用の葡萄づくりを始めた人がいます。

彼にとって価値観の軸の95%が「自分の判断で仕事を決めたい」、残りの5%が「好きなことがやりたい」だったそうです。

求めるのはお金じゃない。

だから3年くらいなんとか生活が続けられる貯蓄ができた段階で、迷いなく新しい世界に飛び込んでいけた。

まずは自分の価値観を把握する――これがあなたらしい独立を成功させるための第一歩だと思います。

―高城
自分の選択肢を広げていってほしいです。

選択肢を広げるだけ広げて、「でもやらない」という決断をしてもいいのです。

例えば、ストレスフルな会社に通いながら、「いざとなったらほかの選択肢もある」と考えている会社員は結構いるはず。

「もう独立しかない」ではなく、選択肢を広げる1つの手段として『アントレ』を読んでもらえればいい。

選択肢を複数持っておけば、必ず気持ちに余裕ができます。

次のキャリアに迷っている人は、そこから始めてみることをおすすめします。

―藤井
会社員5000人への調査で、「働く喜びを必要としながら働きたいですか?」と聞くと、「当然です」という回答が84%。ところが、「働きながら喜びを感じていますか?」と聞くと、37%に落ちてしまいました。

喜びを感じられている人には共通項があって、それを私たちは「3C」と呼んでいます。

自分の持ち味・やりたいことの軸が分かっていて(Clear)、それらが生かされる仕事や職場を自ら選択しているという自己選択感があって(Choice)、上司・同僚と蜜に意思疎通できる職場環境があること(Communication)。

まずはご自身の働き方を振り返って、この確認をしてみてください。足りない「C」を探すことが大事です。

また「2つのing」の確認も。

1つは「Reflecting」で鏡に映ったもう1人の自分のために得意なこと、やるべきことができているか。

そして、もう1つの「Calling」。天職です。

この「2つのing」が揃った仕事に「自分の時間と能力を使うべき」ということ。天職に就けた人は、必ず幸せな人生を送ることができると思います。

―菊池
独立と転職には決定的な違いがあります。

それは、最後に企業側が「あなたを採る」と決めるのか、カスタマー側が「それをやる」と決めるのか、ということ。

独立は後者ですから、我々は常に“カスタマーファースト”でなければならない。

そのことをずっと考えていたので、今日は「コーチングする」という話が特に印象に残りました。

コーチングは、カスタマーと一緒に馬車に乗り目的地にお連れすることが基本。

それをどんなサービスとし、カスタマーの喜びに変えていくか――まだまだ深掘りしていく必要があると思います。

読者の皆さんにお伝えしたいのは、何事も最後は自分で決断しなければならないということ。

ぜひ、決断に迷わないような自分軸をつくっておいてください。

『アントレ』がその一助になれることを願っています。

これからも編集部一丸となって『アントレ』を、みなさま一人ひとりの「雇われない生き方」が探せる最適なメディア・サービスとして進化させていきます。

来年20歳を迎える『アントレ』を引き続きご活用いただけるとうれしいです。

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