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通行人を立ち止まらせる方法とは?実演販売のプロが教える、商品を売るための法則

通行人を立ち止まらせる方法とは?実演販売のプロが教える、商品を売るための法則

9月27日・28日の2日間にわたり、「見て、触れて、選べる!独立体感イベント アントレフェア2016」が開催されました。このイベントでは、独立や開業を考えている人をサポートする、さまざまなコンテンツが盛りだくさん。

中でも人気が高かったのが「ゲスト講演コーナー」。今回は(株)カワセ・クリエイティブ・カンパニーず代表取締役・河瀬和幸さんの講演「実演販売のプロが教える顧客の心をつかむ技術」をご紹介します。

<河瀬和幸さんプロフィール>
イエローハットで抜群の営業成績を残した後、2000年に実演販売のプロとして独立。異名は「完売王」。
著書に『また、売れちゃった! 一瞬で顧客の心をツカむ!売上5倍を達成する凄ワザ88』(ダイヤモンド社)、『人たらし道 免許皆伝  誰にでも、自分を大好きにさせてしまう方法』(こう書房)など多数。

「人間は興味のないものは、見えない・聞こえない」。顧客心理の発見がその後の人生を変えた

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「実演販売」と聞くと、お客さまの注意を引くために軽妙な売り文句を並べ立てる仕事だと思っている方が多いのではないでしょうか?

しかし、いくら人目を惹きつけようと派手なことをしても、お客さまを立ち止まらせることはできません。なぜなら人間は、自分に関心のないものは「見えない・聞こえない」という法則性を持っているからです。

時々お客さまを惹きつけようと、店頭で歌を歌うような販売員がいますが、残念ながら正直あまり意味はありません。

私はよく本に「いつでもどんなものでも、人の7倍売ることができる」と書きます。なぜそんなことが可能なのか。きっかけは、私が42歳の時に経験した、イエローハットへの転職でした。

もちろん最初から人の7倍売ることができていたわけではありません。転職したての頃は結果も出ず、なかなか上手に接客することができませんでした。

そんな中で発見したのが上記の「法則性」でした。顧客心理には、法則性がある。この発見は、その後の私の働き方に大きな変化をもたらしました。

実演販売のプロが伝授!顧客の心をつかむテクニック

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私は販売の現場で数十年かけてトライアンドエラーを繰り返し、顧客の心理の法則性を考えてきました。先程紹介した「人間は興味がないものは見えない・聞こえない」という法則性から派生して、顧客の心をつかむテクニックをいくつか紹介したいと思います。

■顧客が持つ3つの心に働きかける

商品を売る上で重要なのは、「無関心」「向上心」「恐怖心」というお客さんの3つの心を意識することです。

ある育毛シャンプーの売り場での話です。その現場で私は、もう1人別にいた同じ販売員に向かって「ハゲ」という言葉を言いました。

すると、通行人の中から数人が立ち止まり、その中から年配の女性が歩いてきて「あなた今私の頭を見て言ったの?」と尋ねられたんです。

私は一緒にいた販売員の薄い頭髪を指差して「この人のことですよ」と言うと、その女性は笑ってくれ、さらに「この商品はなに?」と、興味を持ってくれました。その女性は、頭髪が薄くなることを気にしていたのです。

この例から考えると、その女性は頭髪が薄くなることに対する「恐怖心」と、もっとボリュームが欲しいという「向上心」を持っていました。だから、「ハゲ」という言葉に反応し、「無関心」だった女性の興味・関心を惹くことができたのです。

■顧客が選びやすいようにおすすめをいくつかセレクトする

お客さまにとって、あまりにたくさんのものの中から商品を選んで購入することは難しいです。そこで必要なのは2〜3程度、おすすめの商品を提示しましょう。

ここで重要なのは、特に初めてご来店されたお客さまは商品の理解があまりない(商品が見えていない)という認識です。そこで、2〜3つ程度商品を紹介してそれぞれの価格や品質のメリット・デメリットをきちんとお伝えします。

そして最後のジャッジはお客さまに任せる。すると商品を買っていただける確率が高くなります。

■伝えたいメッセージを1つに絞る

いつも来ていただくお客さまはともかく、初めてお店に足を運んだお客さまは皆さん、多かれ少なかれ緊張をしています。そんなお客さまに対してさまざまな情報を提供しても、あまり意味がありません。

そこで必要なのが、「伝えたいメッセージを絞る」という視点です。「お得」なら「お得」、「性能がいい」なら「性能がいい」など、メッセージはできるだけシンプルに伝えるようにしましょう。

■お客さまに親近感を持ってもらう

イエローハット時代、雨の日に車で来店されたお客さまへ必ずしていたことがあります。それは、駐車場に車が入ってきたことを確認したら、傘を1つ持ってお客さまを迎えに行く、ということです。

そしてお客さまが退店する際も、外まで出向いてお声掛けをします。なぜなら、1秒でも長くお客さまと接している時間を持ちたいからです。

これは心理学でも言われていることですが、お客さまは長く時間を共有した人に親近感を持ち、自ずと会話が増え、仲良くなることができます。

最初にお客さまの心をぎゅっとつかめば、その後、お客さまに何度も足を運んでもらうことができます。そうやって会社や自分のファンを作っていくのです。

販売員は決してロボットになってはいけない。自分なりの法則を見つけて、日々実践を!

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このような法則性・テクニックを発見、実践した結果、イエローハットでは7倍もの商品を販売することができました。

そしてこれからの時代は、お客さまの気持ちを理解して、適切な形で誘導できる販売員でなければ、生き残っていけません。ただ店に立って「いらっしゃいませ」というだけなら、ロボットにだってできます。

これから先も必要とされる販売員になるために、常にお客さまを観察し、自分の仕事で扱う商品やお客さまに合った法則性を見つけていくことが重要です。

気づいたことは1つ1つメモをしていき、発見した法則を毎日1つずつ試してみる。やってみて成功すると面白くなってきますし、また新たな法則を見つけることもできます。

これをきちんと継続していけば、販売の腕がどんどん上達していきます。独立をしようと思っている方々は、こうした心がけを忘れないでください。

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