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「黒字なのに倒産」はなぜ起こる?【独立・起業のノウハウ集 第13回】

「黒字なのに倒産」はなぜ起こる?【独立・起業のノウハウ集 第13回】
 重要なのは「売り上げ」ではなく「利益」



起業するときに借りたお金を、その先きちんと返していけるか。金融機関は、そのことをどこで判断していると思いますか?
すごく単純化してしまうと、「利益」が上がるかどうか、その見込みがあるかどうかです。

当然といえば当然ですよね。

利益が上がらず赤字が続けば、当然、会社の現預金は減ります。最後には支払いができなくなって、破綻してしまうでしょう。
逆に、利益が継続的に生み出せる会社であれば、会社を維持し、追加の投資も行うことができます。
当然、借りたお金も安定的に返すことが可能です。

1つ、ポイントとして意識しておくべきことがあります。

金融機関は「売り上げ」の予測だけで見ているわけではないということです。
売り上げ予測が説得力を持っていたとしても、仕入れや家賃、人件費、豪華な設備投資などで、それ以上のコストが掛かってしまえば赤字になるからです。まずは、この点を十分に意識する必要があります。

繰り返しますが、大事なのは利益です。
具体的にいうと、借入金の返済が始まる時点で、以下の状態になっているかどうかです。

税引き後の単月の利益 > 月々の借り入れ返済額
※厳密にいうと、減価償却費も加味する必要がありますが、単純化するためにココでは無視します

創業融資の場合、借りてからだいたい半年後の返済開始が多いため、その時点で上記のような利益が上がるかどうかです。税金は個人事業か法人かなどで違ってきますが、だいたい税金として利益の半分を持って行かれるとして計算しておけば、堅めの予測で良いと思います。

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予測の損益計算書を書くとき、上記の点を意識して、書く必要があります。もちろん、事業計画書を書くための数字合わせでもなく、実際にそのような事業展開が可能なようにビジネスを構築しておくことが必要なのはいうまでもありません。このことがわかっていないと、トンチンカンな予想損益計算書が原因で、審査で落ちてしまうという失敗につながってしまいます。

 黒字なのに倒産、はなぜ起こる?

起業するときに借りたお金を、その先きちんと返していけるか。金融機関の数字上の判断基準としては、もう一つ、大事な視点があります。

それは、キャッシュの残高推移、つまり、資金繰りの予測です。

一度は聞いたことがあるかと思いますが、黒字倒産という言葉があります。たとえば、売り上げが好調だとしても、売上代金を回収するまでの間に、仕入れ資金の多額の支払いや給料などでキャッシュが枯渇してしまう計画だとしたら、会社を維持できませんよね。その場合、金融機関としては貸せないという判断をせざるを得ません。

その逆に、あまりにもキャッシュが豊富で、毎月1000万円も残高が残り続ける計画だとしたら、創業融資など借りる必要がないですよね。金融機関としては、借り入れ希望金額から減額する必要があると判断することになります。

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このように、利益があがるかどうかに加え、キャッシュの残高推移が適正かどうかも審査の重要な要素なのです。

よくある失敗例としては、全くこの点を考えずに作った事業計画書を提出してしまうパターン。
または、そもそも事業計画書のフォーマットに「キャッシュ残高の推移をあらわす表(資金繰り表)を添付していない」ことです。事業計画書を作成するときには、必ず、キャッシュ残高の推移を月ごとに予測した資金繰り表を作成して説明しましょう。

もちろん、事業計画書上のみならず、起業後の経営においても、キャッシュが足りるどうかが非常に重要だということは、いうまでもありません。

【まとめ】
・借入金の返済が始まる時点での「利益」に注意。
・資金繰りは融資の観点だけでなく、経営においても重要!かならず計画をたてましょう。

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