斎藤 材さん(47歳)
VOL.155群馬の自然の魅力を知り尽くすアウトドア・ネイチャーガイド
転職内定をけって海外放浪。
自分の本当の望みがわかった
毎
日、同じ仕事をこなし、給料をもらうだけの会社員時代。このままでは先がないと思い、転職を決意しました。しかし、給料も待遇もいい会社から内定をもらっても、なぜか心は冷めていたんです。自分の望みが一体何なのかわからず、悶々とし続けましたね。その時、ふとワーキングホリデーで海外に行った知人を思い出し、「今までは普通に就職する生き方しかないと思っていたけれど、違う道があるのかもしれない」と。そこで、内定をけってニュージーランドへ行くことに。全く違う環境に身を置き、1年間放浪しようと考えました。
現地に到着すると、「明日から何をしても自由」という環境に戸惑い、行き先すら決められない自分に驚きましたね。けれど、自ら情報を調べ、目的地もやりたいことも決めていく毎日に、自分の意思と力で生き抜く手ごたえを感じた。おかげで「何をやっても生きていける。じっくり考えよう」と思えるようになりました。
ネイチャーガイドの仕事は現地で知り、憧れを感じましたが、帰国当時の日本はまだアウトドアビジネスの黎明期。半年間、フリーターをしながら情報を集めていたところ、この地域でラフティングガイドを募集していると知り、移住を即決! 3年間、経験を積んだ後、群馬の自然の見どころを案内するツアーガイドで独立しました。今思えば、僕の本当の望みは、「誰かに支配されず、自分で考え、自分で決めて生きたい」だった。悩むより、行動したことで、答えにたどり着けたと思います。
アントレ2016.春号 「独立VS転職 私たちの決断」より