フランチャイズ加盟店と直営店との違いとは？代表的な業種を紹介！

フランチャイズ加盟店とは、どんなお店のことでしょうか。また「フランチャイズの直営店」と、何が違うのでしょうか。

本記事では、フランチャイズ加盟店と直営店の違いや、代表的な業種を紹介します。業種ごとの「フランチャイズ加盟店になるメリット」もお伝えするので、自分ならどのようなビジネスを興すか、イメージしながら読み進めましょう。

フランチャイズ加盟店とは？

そもそもフランチャイズとは、フランチャイズ本部となる企業に対して、加盟店がロイヤリティ（対価）を支払い、フランチャイズの「ブランド名や商品・サービスを利用して商売する権利」や「フランチャイズ本部の持つ経営ノウハウ」を得て事業を遂行するビジネスモデルを意味します。

フランチャイズ加盟店は、「フランチャイズ契約」により経営されている店舗のことをいい、フランチャイズ加盟店とも呼ばれます。

では、フランチャイズ契約とは、どのような契約になるのでしょうか。

フランチャイズ契約とは、自社の商品やサービスを提供する店舗を運営してくれる人を探している「フランチャイズ本部」と、新しくビジネスを始めたいと思っている「個人」や「法人」が結ぶ契約です。契約を結ぶことで、本部以外の個人や法人も、フランチャイズ本部と同じブランドや商品を扱う店舗の運営ができるようになります。

そもそもフランチャイズとは？仕組みを解説

フランチャイズとは、個人や法人がフランチャイズ本部企業と契約を結び、店舗などを経営するビジネスシステムのことをいいます。フランチャイズ・チェーンの頭文字をとって”FC”と表現されることもあります。

自力で独立するのとは違い、フランチャイズ本部が持つ“商標”“チェーン名称”“商品の知名度”“経営のノウハウ”などを活用するのが特徴です。本部の教育や指導を受けて短期間で事業をスタートさせ、スムーズに軌道に乗せていくことを目指します。

フランチャイズビジネスの市場規模やメリット・デメリットなど、基本的なことから知りたい方は、まずこちらの記事を読んでみてください。

【完全図解】フランチャイズ（FC）の仕組みー4大メリデメと失敗しない加盟先の選び方

直営店とは？フランチャイズ加盟店との違い

フランチャイズチェーンの中には、“直営店”と“フランチャイズ加盟店”があります。両者には、どのような違いがあるのでしょうか。

フランチャイズの運営を行う企業フランチャイザー（フランチャイズ本部）に、個人・法人でフランチャイジー（フランチャイズ加盟店）として契約を締結し、フランチャイズ本部のブランド・商標の使用や商品・サービスを利用する権利を得るのが「フランチャイズ加盟店」です。

フランチャイズ本部により無料のケースもありますが、一般的に、加盟契約をすると、フランチャイズ本部のブランド・商標の使用や商品・サービスを利用する権利の対価として加盟店（フランチャイジー）から本部（フランチャイザー）へ「加盟金」「保証金」を支払い、開業後は継続的に「ロイヤリティ」と呼ばれる必要資金を支払います。

法人でフランチャイズ加盟店になる場合もありますし、初めて独立をする個人でフランチャイズ加盟店になるケースもあります。フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ加盟店の責任者は「オーナー」と呼ばれ、晴れて経営者としてビジネスを進めていくことになります。加盟店はあくまで独立した1人の経営者です。そのため、フランチャイズ本部に雇用されているわけではありません。

これに対して直営店は別名“レギュラーチェーン（RC）”と呼ばれ、フランチャイズ本部が直接運営を行う店舗を指し、店舗・人・設備などの必需品はすべてフランチャイズ本部でまかないます。直営店の責任者は「店長」という役職に就いていることがほとんどです。直営店の店長はフランチャイズ加盟店の「オーナー」とは異なり、フランチャイズ本部に雇用されている人となります。

そのほかにも、フランチャイズ加盟店と直営店にはどのような違いがあるのでしょうか。いくつかそれぞれの違いを比較してみましょう。

自由度における違い

フランチャイズ加盟店と直営店の1つ目の違いは、自由度における違いです。

直営店の場合、一意にフランチャイズ本部が店舗経営に関するすべてのことを取り仕切ります。一括して組織立てできる直営店方式に対して、フランチャイズ加盟店の場合、本部は基本的な営業政策や商品をおろしてくれるだけに留まります。フランチャイズ本部により異なりますが、基本的にフランチャイズ加盟店の場合には個々が創意工夫できるので、加盟者の裁量によって経営方針は大きく変えられるのです。

また、直営店で店舗を運営している「店長」は、フランチャイズ本部の会社員として経営を任されています。そのため、どれだけ努力して収益を上げたとしても自分の給料に直接的に反映されることはありません。

これに対してフランチャイズ加盟店の場合には「オーナー」がフランチャイズ本部とは別法人・個人事業主であるため、頑張って収益を上げた分だけ自分の収入に繋がります。脱サラして開業する方の多くは、人生をかけてフランチャイズビジネスだけで生計を立てていこうと決心して加盟する方も少なくありません。

フランチャイズの場合、アルバイトでも社員でも待遇は一定レベルです。そのため、会社員と比較するとフランチャイズの方が福利厚生の面では見劣りするといえるでしょう。

収益面・資金力における違い

フランチャイズ加盟店と直営店の2つ目の違いは、収益面や資金力における違いです。

直営店で上がった収益はそのままフランチャイズ本部の収益になります。それに対して、フランチャイズ店の場合は、収益の中からロイヤリティをフランチャイズ本部に支払う必要があるため、収益がまるまるフランチャイズ加盟店の収益になるわけではありません。

また、フランチャイズ本部としてはフランチャイズ加盟店からもらうロイヤリティよりも直営店からもらう収益の方が儲けは大きくなります。

ただし店舗を増やす際にフランチャイズ加盟店で展開する場合、店舗の土地・内外装費・設備費・人件費などは加盟者側が負担します。直営店の場合は店舗展開の費用はすべてフランチャイズ本部で負担する必要があるため、フランチャイズ本部としては店舗展開時の初期費用はフランチャイズ加盟店の方が安く抑えられます。

店舗展開する際に、直営店よりもフランチャイズ加盟店を増やす方がフランチャイズ本部としては低資金で済むため、利があるといえます。

ブランディングにおける違い

フランチャイズ加盟店と直営店の3つ目の違いは、ブランディングにおける違いです。

フランチャイズ加盟店と直営店を比較した際、フランチャイズ本部がブランディングをより強化したいと考えた場合は、フランチャイズ本部が直接雇用した責任者が店舗を運営する「直営店」を展開する方が良いでしょう。反対に、フランチャイズ店は、店舗運営の責任者である加盟者の裁量による部分が少なからずあるため、サービスの質や内容に店舗ごとに多少の差が生じてしまいがちです。ただし、知名度のあるフランチャイズであれば、ブランド力があるため、加盟者の裁量とは関係なく集客しやすいので、直営店でもフランチャイズ店でも、数多く店舗を運営して収益を上げられるでしょう。

直営店で全国展開をしているフランチャイズの代表格ともいえる某コーヒーチェーン店は、ブランドイメージを重視したビジネスモデルであるため、フランチャイズ加盟店ではなく直営店方式で店舗展開を行っています。

フランチャイズ本部からすると、出店をする際にフランチャイズ加盟店と直営店のどちらが最適なのかは、一概にはいえません。直営店は社員や業務委託で責任者を置くので、責任者には給与を支払いますが、売り上げはフランチャイズ本部に入ってきます。

フランチャイズ加盟店の場合、初期費用をかけずに店舗展開ができますが、フランチャイズ本部の収益は、フランチャイズ加盟店から支払われるロイヤリティだけとなります。つまり、フランチャイズ加盟店からすると、初期費用や加盟金・ロイヤリティはかかるものの、運営後は売り上げが収益に直結するため儲けは多くなるでしょう。さらに言えば、経営の楽しさを味わえるのもフランチャイズ加盟店の方です。もちろん、感覚で決めるのはご法度です。収益面・資金面・ブランディング戦略など、さまざまな観点からどちらが自分のスタイルに合うかを判断する必要があるのです。

フランチャイズ加盟店のメリット

では、フランチャイズ加盟店の経営には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

・未経験でも経営者になれる
・独立、開業のハードルが低い
・フランチャイズ本部のサポートを受けられる

総じて「低リスクで自分のビジネスを始められる」ことが、フランチャイズ加盟店のメリットといえます。

フランチャイズ契約を結ぶと、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ本部からさまざまなサポートを受けられます。例えば「知名度の高い看板を使える」「独自ブランドの商品を扱える」「経営ノウハウを提供してもらえる」などです。

業界での就業経験がなかったり経営に携わったことがなかったりしても、フランチャイズであればフランチャイズ本部からノウハウを教わりながら、安心してビジネスにチャレンジできます。すでに確保された仕入れルートを使用できたり、知名度の高いブランドを使って集客できたりといった、「経営の難しい部分」においてフランチャイズ本部からサポートを得られるのです。

フランチャイズ加盟店のデメリット

未経験からビジネスを始めたい人にとって、フランチャイズ加盟店の開業は魅力的なメリットが多いと感じられるでしょう。しかし、フランチャイズ加盟店にもデメリットはあります。

・ロイヤリティの支払いが必要
・契約期間やマニュアル・ルールを守る必要がある
・途中解約できない場合がある

ロイヤリティとは、フランチャイズ本部からサポートを受ける対価として、フランチャイズ加盟店がフランチャイズ本部に対して支払う費用のことを指します。毎月の売り上げや利益の中から、一定割合で計算される金額を支払う契約もあれば、毎月の支払金額が定額になっているケースあります。いずれにしても、ロイヤリティをフランチャイズ契約期間中、毎月支払わなければなりません。「フランチャイズ本部の力を借りなくても、十分に利益を上げられる」と感じるようになると、ロイヤリティが無駄な費用に思えてくることでしょう。

しかし、経営が軌道に乗り始めて「もう自力で店舗を運営していける！」と感じてロイヤリティを支払いたくないと感じてしまったとしても、すぐに解約することはできません。フランチャイズ契約には「契約期間」の制約があり、契約期間中で解約をすると、違約金が発生する場合がほとんどです。また、契約満了後に同業種の事業を立ち上げることを禁じているケースもあります。のちのち本部とトラブルになってしまうことがないよう、事前に確認しておくようにしてください。

フランチャイズ加盟店の代表的な業態

街を歩いていると、いろいろなお店を見かけます。しかし、どのお店が直営店でどれがフランチャイズ加盟店かを気にして歩いたことも、気付いたこともないのではないでしょうか。実際には気付かないだけで、たくさんのフランチャイズ加盟店があるかもしれません。

では、フランチャイズ加盟店には、どのような業態のお店があるのでしょうか。フランチャイズ加盟店の代表的な業態を、4つ紹介します。

・飲食業
・小売業
・コンビニエンスストア（小売業）
・サービス業

それぞれの業態について解説していきます。

業態1：飲食業

代表的なフランチャイズの業態1つ目は、「飲食業」です。

飲食業は、フランチャイズ加盟店の代表的な業態の中でも、人気のある業態です。ラーメン店や定食屋、洋菓子店にカフェまで、さまざまな飲食業のフランチャイズ加盟店があります。

飲食業のフランチャイズ加盟店の中には、圧倒的な売り上げを誇る「メガフランチャイジー」と呼ばれるフランチャイズ加盟店もあります。メガフランチャイジーとは、中小企業診断士によって構成される「フランチャイズ研究会」によって以下のとおり定義づけされています。

「メガフランチャイジーに関する調査　研究報告書」（社団法人 中小企業診断協会）
（P.2より）
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・20億円以上の売り上げを記録したフランチャイズ加盟店
・フランチャイズ契約により30店以上の店舗を経営している

フランチャイズ加盟店の売り上げが大きい分、想像もつかないようなロイヤリティが発生している店舗も多いでしょう。しかし、ロイヤリティを支払ってもなお莫大な利益が手元に残る店舗も多く、まさに「フランチャイズの夢」というべき存在です。

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業態2：小売業

小売業も、フランチャイズ加盟店を代表する業態です。雑貨店や日用品店など、さまざまな小売店がフランチャイズ展開されています。

小売店において、商品の品揃えや陳列の美しさは、まさに命です。どんなに魅力的な商品でも、陳列方法が悪いがために、全く売れないこともあるでしょう。反対に、陳列や接客をいくら頑張っても、商品自体、人気がなくて売れないというケースもあります。

小売業は、フランチャイズ加盟店における「独自ブランドの商品を扱える」「ノウハウを提供してもらえる」というメリットが、大きく活きる業態です。人気のある商品を、長年培ったノウハウによって導き出された「売れる陳列方法」で、店舗に並べられるのです。

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業態3：コンビニエンスストア（小売業）

フランチャイズの代表的な業態の3つ目は、「コンビニエンスストア」です。

コンビニエンスストアは、フランチャイズ加盟店の代名詞ともいうべき業態です。「フランチャイズ？あぁ、コンビニエンスストアのことね」なんていう人も、まだまだ多くいるのではないでしょうか。

コンビニエンスストアほど、フランチャイズ展開に力を入れてきた業態もありません。1人のオーナーが、複数の店舗を運営していることも多く、店にほとんど姿を現さないようなオーナーもいます。複数の店舗で利益を出し続けているようなオーナーは、店長を雇い、自分がいなくても店舗運営がスムーズに回る仕組みを作り上げているケースが多いです。フランチャイズシステムの中に、さらに小さなフランチャイズがあるようなものです。街で見かけるコンビニエンスストアの多くは、フランチャイズ加盟店といえます。

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業態4：サービス業

サービス業もフランチャイズの代表的な業態の1つです。ただし、サービス業と一言でいっても、いろいろな種類があります。引っ越しや清掃・修理などの「便利屋さん」から、マッサージ店や美容室などの専門店まで、さまざまなサービス業のフランチャイズ加盟店があります。

サービス業の場合、フランチャイズ加盟店の「知名度の高い看板を使える」「ノウハウを提供してもらえる」というメリットが特に利いてきます。「形のないサービス」を提供するサービス業にとっては、顧客からの信頼は生命線です。どんなに腕の良い美容師のいる美容室でも、「腕のいい美容師がいるよ」ということをお客さまに知ってもらえなければ、顧客を獲得することは難しいでしょう。

しかし、知名度のある看板を掲げていれば、集客方法に悩むことなく顧客の獲得が見込めます。事業が成長・拡大し、新人が増えるほど、「ノウハウを提供してもらえる」メリットの恩恵も実感できるでしょう。

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無店舗型ビジネスはフランチャイズ加盟で集客課題をクリア

店舗を持たず、インターネット上で仕事を得るような「無店舗型」の業態も増えました。物件取得が不要なため、開業時の資金を抑えられることが魅力です。現在では、サービス業から小売業や飲食店まであらゆる業態で無店舗型のビジネスが誕生しています。

無店舗型のフランチャイズ加盟店は、集客の面で大きな恩恵を受けているといえます。店舗を持たない場合、「自分たちは何者で、どんなビジネスをしているのか」を顧客に伝えることは至難の業です。インターネット上で集客をするにも、それ相応の知識と技術が必要です。そして、仮に集客に成功しても、ネットビジネスというだけで疑惑の視線を向ける人は、まだまだ多くいます。フランチャイズ加盟店の「信頼を獲得した看板」を掲げることで、自分たちのビジネスを周知し、顧客から信頼を勝ち取ることができるのです。

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フランチャイズの業種・業態はさまざま！自分に興味のある分野を探してみよう

フランチャイズ加盟店とは、フランチャイズ契約により「信頼とノウハウが確立されたブランド」を活用し、ビジネスを行っている加盟店舗のことです。

経営経験がなくても、フランチャイズ加盟店となることで、フランチャイズ本部からのサポートを受けながらビジネスを始められます。ロイヤリティの支払いこそ発生しますが、しっかりとビジネスに取り組めば、支払う金額以上の価値を受け取れるでしょう。だからこそ、フランチャイズビジネスは広く普及し、今でも人気を集めているのです。

「独立してみたいけど、経験がなくて不安」「以前自分でお店を出したら、常連の1人も作れずに閉店させてしまった」という人は、フランチャイズ加盟店で独立することを視野に入れてみてはいかがでしょうか。フランチャイズ本部のサポートを受けながら、最小限のリスクで、経営者としての実力を培っていくことができます。

アントレでは、フランチャイズ契約を募集しているフランチャイズ本部について紹介しています。
どのような本部が存在するのか、自分に合った本部はあるのか、一度見てみてください。

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