スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立ノウハウ・お役立ち

フランチャイズとは?わかりやすく徹底解説

フランチャイズとは?わかりやすく徹底解説

フランチャイズ経営を学ぶうえで、フランチャイズのことをよく知ることが重要です。

本記事では、「フランチャイズの意味や仕組み」「加盟するメリット・デメリット」「開業のプロセス」「知っておきたい専門用語の意味」など、フランチャイズに関することを網羅的に紹介していきます。

目次

フランチャイズの意味と語源

フランチャイズがどのような仕組みなのかを理解するためにも、まずフランチャイズの意味と語源についてみていきましょう。

フランチャイズ(franchise)は、日本語で「自由・率直」を意味するフランス語の「francher」が語源となっていると言われています。

フランチャイズに加盟して独立すると、フランチャイズ本部が保有するブランド力や商品を取り扱えるなど多くのメリットがありますが、その分、ブランド力を維持するためのルールや「フランチャイズ本部に売り上げの一部を支払う」といった対価の支払いなど、いくつかのデメリットもあります。そのような制約ありつつも、「自由」という意味の言葉が語源となっているのは「雇われて働くよりも働き方の融通が利く」という点で「自由」だと言えるからでしょう。

次からは、フランチャイズに興味を持っている人のためにも、フランチャイズがどういったビジネスモデルなのかを解説していきます。

フランチャイズの仕組みを理解しよう!

フランチャイズの仕組みは、フランチャイズ本部である「フランチャイザー」と加盟し「フランチャイジー」となることを希望する個人または法人が「フランチャイズ契約」を結ぶことで成り立っています。

事業本部であるフランチャイズ本部は、加盟店に対して「チェーン名称」、「商標」、「ビジネスノウハウ」などを提供します。そしてその商標やノウハウを利用する対価として加盟時に、加盟店はフランチャイズ本部に加盟金、保証金、研修費、などを支払います。

さらに加盟後には、フランチャイズ本部から受けるサポートの対価として、加盟店が売り上げの一部から「ロイヤリティ」をフランチャイズ本部に支払うのが一般的なフランチャイズのビジネスモデルです。

フランチャイズについてもっと知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

こちらもおススメ!
こちらの記事では、フランチャイズについて初心者向けに解説しています。

「フランチャイズ(FC)とは?意味や仕組みを分かりやすく初心者向けに解説」

また、フランチャイズで展開される店舗には、2つの種類があります。

フランチャイズ本部と加盟希望者がフランチャイズ契約を結ぶことによって展開していくのが「加盟店」であり、フランチャイズ本部が直接運営する店舗が「直営店」です。

では、フランチャイズの加盟店と直営店が、それぞれどういったものなのか詳しく見ていきましょう。

フランチャイズの加盟店とは?

「フランチャイズ加盟店」とは、フランチャイズ本部と「フランチャイズ契約」を締結した個人または法人が運営する店舗を意味します。

フランチャイズ契約は、自社の店舗を運営してくれる人を探しているフランチャイズ本部と、新しくビジネスを始めたいと思っている個人または法人が結ぶ契約です。契約を結ぶことで、フランチャイズ本部の保有する商号やブランドを扱う店舗を個人や法人でも運営できるようになります。フランチャイズ契約を交わす際、加盟希望者はフランチャイズ本部に対して商号やブランドを扱う対価として「加盟金」や「保証金」を支払います。加盟後は、加盟店はフランチャイズ本部に対して「ロイヤリティ」と呼ばれる売り上げの一部などを毎月継続的に支払わなくてはいけなくなります。

さらに、加盟店の責任者はフランチャイズ契約を結んだ個人や法人であるフランチャイズオーナーと呼ばれる人たちです。そのため、加盟店の経営を行うのはフランチャイズオーナーであることを意味します。加盟店はフランチャイズ本部と「雇用関係」になく独立した経営者となり、関係は対等です。加盟店はフランチャイズ本部に守られる存在ではなく、経営の責任はフランチャイズオーナーが問われます。

フランチャイズの直営店とは?

フランチャイズの直営店は、フランチャイズ本部が自ら出資・経営している店舗のことです。そのため、運営もフランチャイズ本部の社員が行います。直営店の場合、店舗責任者は経営者である「オーナー」ではなく、フランチャイズ本部と雇用関係のある従業員が「店長」という役職名のもと業務にあたります。そのため、最終責任はフランチャイズ本部にあり、店長が責任を問われることはあまりないと言えるでしょう。

フランチャイズ本部が直営店を出店するメリットは、加盟店ではなかなか試せないことをテストできることです。チェーン展開をする前に、まずは直営店で運営ノウハウをつくり実績を積んでから、加盟店を増やしていくのがフランチャイズというビジネスモデルの基本の形態です。

フランチャイズと代理店との違い

フランチャイズとは、加盟店がフランチャイズ本部に売り上げの一部をロイヤリティとして支払い、ブランドや商品、ノウハウを利用するビジネスモデルです。フランチャイズならではの特徴は、マニュアル化されたルールがあるということです。

これに対して代理店は、商品やサービスの利用権を「委託契約」によって引き受けます。そのため、代理店にはフランチャイズと違って、マニュアル化されたルールはありません。商品やサービスの利用権のみを得て、販売や経営方法は自社で決めて運営していきます。ロイヤリティを支払う必要もないため、ビジネスノウハウがあればフランチャイズではなく代理店の方が効果的に利益を上げられるかもしれません。

ただし、仕入額などはフランチャイズの加盟店と比べると割高になってしまうケースもあります。どのスタイルでビジネス展開するのかは、きちんと自分の知識や経験、それぞれのメリット・デメリットをよく考慮したうえで検討するようにしてください。

フランチャイズにおけるロイヤリティの意味

次に、フランチャイズを理解するうえで重要な「ロイヤリティ」の意味を確認していきましょう。

フランチャイズのロイヤリティとは、加盟店がフランチャイズ本部の保有するノウハウの提供、ブランドを利用したり、サポートを受けられたりする代わりに加盟店がフランチャイズ本部に対して支払うお金を意味します。

ロイヤリティにも種類があり、主なものは毎月の売り上げの何%というように、売り上げに応じて変動する「歩合制」と毎月一定額の支払いをする「定額制」の2種類です。歩合制の場合は、売り上げが上がるほど支払う額も多くなりますし、定額制の場合は赤字であっても一定額を支払わなくてはいけません。どちらにもメリットとデメリットがあるので、よく吟味して決めるようにしましょう。また、中にはロイヤリティの支払いが必要ないフランチャイズ本部もあります。

しかし、ロイヤリティの額だけで決めてしまうとサポート内容が充実していないケースもあります。サポート内容とロイヤリティを見比べて納得のいく金額かどうか見るようにしましょう。

フランチャイズに加盟するメリット・デメリット

フランチャイズとは?わかりやすく徹底解説

フランチャイズで独立をしたいと考えているのであれば、メリットやデメリットについては十分に理解しておきましょう。

また、「こんな予定ではなかった」「こんな落とし穴があるなんて知らなかった」と後悔しないように、デメリットについてもきちんと理解しておくべきです。

次にフランチャイズのメリット・デメリットを解説します。開業を考えている人は、どちらもよく理解しておきましょう。

フランチャイズに加盟するメリット

フランチャイズには、さまざまなメリットがあります。フランチャイズオーナーとなるためには、フランチャイズにはどのようなメリットがあるのか理解しておきましょう。ここからは、フランチャイズに加盟する主なメリットを4つ紹介します。

(1)経験や知識がなくても挑戦しやすい

フランチャイズ加盟の1つ目のメリットは、「経験や知識がなくても挑戦しやすい」点です。

フランチャイズは、経営方法や業務内容など、店舗運営に必要なことがパッケージ化されているのが特徴です。そのため、自身に経営のノウハウや店舗を運営した経験がなくても、フランチャイズ本部の持つノウハウを提供してもらいながら事業を進められるのが最大のメリットと言えるでしょう。

また、フランチャイズ本部による店舗経営に関する教育も充実しています。そのため、開業前に研修を受けてノウハウや知識のインプットができます。さらに、店舗研修では開業前に他の店舗で実践研修もしてもらえるケースもあり、店舗をどのように運営するのか、接客はどのように行うべきなのかも体得できるのです。先にインプットができれば、いざ自分で店舗に立つ際やスタッフ育成をするときもアウトプットできるものがあって安心できます。

このように知識や経験をフランチャイズ本部に補ってもらえるため、起業の経験やあまり知識がないジャンルの事業でも、フランチャイズであれば独立に挑戦しやすくなります。

(2)フランチャイズ本部のブランド力を利用できる

フランチャイズ加盟の2つ目のメリットは、「フランチャイズ本部のブランド力を利用できる」点です。

自分一人でビジネスを始めたら、そこからブランドイメージを構築していかなくてはいけません。そのため、世間での認知度、信頼はゼロからのスタートとなります。しかし、フランチャイズで開業する場合には、すでに確立されたブランドイメージがある状態で開業できます。認知度があるため、集客に苦戦するという可能性が減ります。

また、従業員を募集するのにも、知名度は重要です。仕事を探す人が、無名企業より名前を知っている企業の方が、イメージしやすくなるのと同じで、ある程度ブランド力のあるフランチャイズであれば、求人募集をした際に人材を確保しやすくなるでしょう。

(3)店舗運営に専念できる

フランチャイズ加盟の3つ目のメリットは、「店舗運営に専念できる」点です。

自分でビジネスをゼロからスタートする場合、通常であれば商品開発や広告宣伝、接客マニュアルの作成など多岐に亘る業務が発生します。しかしフランチャイズであれば、基本的にフランチャイズ本部が商品開発や接客のマニュアル化や改善などの業務は取りまとめて行っているため、加盟店は店舗運営に専念できるのです。

(4)資金調達がしやすい

フランチャイズ加盟の4つ目のメリットは、「資金調達がしやすい」点です。

自分で一から独立して開業しようとしても、実績も信用もまだありません。そのため、大きな額の資金調達は難しくなります。しかし、フランチャイズであれば、自分に実績も信用もなかったとしても、フランチャイズ本部には過去の実績や信用があります。また、フランチャイズ本部のサポートを受けることもできるので、資金調達もしやすくなるでしょう。

フランチャイズに加盟するデメリット

フランチャイズの主なメリットを4つご紹介しました。メリットだけ見ていると、フランチャイズに魅了され「今すぐにでもフランチャイズ契約をしたい!」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、フランチャイズにはメリットだけでなく、デメリットもあります。後悔することがないよう、フランチャイズ契約の際、どのようなデメリットがあるのかということも知っておくことは重要です。フランチャイズに加盟するデメリットを5つ紹介します。

(1)フランチャイズ本部にロイヤリティを支払わなければならない

フランチャイズ加盟をする1つ目のデメリットは、「フランチャイズ本部にロイヤリティを支払わなければならない」点です。

加盟期間中、加盟店はフランチャイズ本部に対して一定のロイヤリティを支払い続けなければなりません。ロイヤリティの金額はフランチャイズ本部によって異なり、中にはロイヤリティのないケースもあります。しかし、店舗運営が思うようにいかず利益があまりない場合でも、ロイヤリティを支払う義務があります。

赤字になってしまった際に「赤字補填制度」があるフランチャイズ本部もあるため、契約前に確認しておくことをおすすめします。

(2)マニュアルに沿った運営をする必要がある

フランチャイズ加盟をする2つ目のデメリットは、「マニュアルに沿った運営をする必要がある」点です。

フランチャイズの店舗では、フランチャイズ本部が作成した店舗運営マニュアルに沿って運営をする必要があります。そのため、店舗独自の商品やサービス・キャンペーンなどの実施はほとんどの場合できません。これは、フランチャイズ展開している全店舗で同レベルの商品・サービスをお客さまに提供してブランド力を保持していくために必要なことになるからです。

自由度が低く独自性溢れる運営は基本的にはできないため、オリジナリティを出したい、自由な経営をしたいという人は、フランチャイズにはあまり向かないかもしれませんが、中にはフランチャイズ本部に提案すれば現実化できる場合もあります。何か自分自身で考えて「やってみたい」と感じるものがあるのであれば、一度フランチャイズ本部に聞いてみるのも良いかもしれません。

(3)ブランドイメージの影響を受ける

フランチャイズ加盟をする3つ目のデメリットは、「ブランドイメージの影響を受ける」点です。

ブランド力があるからこそ加盟するメリットのあるフランチャイズですが、ブランド力があるからこそ受けるデメリットもあります。フランチャイズはブランドイメージが強いが故にフランチャイズ本部の経営悪化や他店舗で不祥事があった際には、ブランドイメージが下がってしまい自分の店舗は何も悪いことをしていなくても悪影響が出てしまう可能性があります。

近年では、SNSの普及により情報の拡散がとても早くなってきています。そのため、何かあった際にブランド力を利用している加盟店も影響も受けやすくなっているのです。

しかし、そういった困難な事態に陥ってしまったときこそフランチャイズ本部からのサポートが受けられます。加盟前に、どのようなフォローが受けられるのかなどを確認すると良いでしょう。

(4)業態の変化に対応できない

フランチャイズ契約をする4つ目のデメリットは、「業態の変化に対応できない」点です。

フランチャイズの契約期間中は人口の変化やライバル店の参入などにより、売り上げが伸びない場合でも、基本的には業態変更や店舗移転ができません。契約期間の途中で店舗を閉じようとしても、違約金を支払わなくてはいけない場合がほとんどです。

フランチャイズ契約を結ぶ前に契約期間や違約金については十分に確認をしておきましょう。また、何かあっても辞められないという覚悟を持ってフランチャイズ契約をする必要があるでしょう。市場調査などはフランチャイズ本部任せにせず、自分なりにも検討し、本当にフランチャイズに加盟するべきなのか判断するようにしましょう。

(5)契約満了後、同業種での出店ができない場合がある

フランチャイズ契約をする5つ目のデメリットは、「契約満了後、同業種での出店ができない場合がある」点です。

まずフランチャイズに加盟して独立してから、その経験を活かして契約満了後に自分自身で事業を興したいという方もいるかもしれません。しかし、多くのフランチャイズでは、フランチャイズ本部のノウハウや情報流出を防ぐためフランチャイズ契約満了後も、一定期間は同業種での開業が禁止されています。これは、「競業避止義務」で定められています。

将来的に独立をして、自分でゼロから事業を始めたいと考えている方は、「知らなかった」では済まされません。後に大きなトラブルに発展してしまわないように、「競業避止義務」についてフランチャイズ本部が、どのように定めているのか契約前によく確認するようにしましょう。

フランチャイズ本部側のメリット・デメリット

フランチャイズとは?わかりやすく徹底解説
フランチャイズと聞くと、どうしても加盟店のメリット・デメリットに目を向けがちです。しかし、フランチャイズ本部にもメリットとデメリットのどちらもがあります。フランチャイズビジネスを理解するためにも、フランチャイズ本部のメリット・デメリットも把握しておくと良いでしょう。まずメリットから解説していきます。

フランチャイズ本部のメリット

フランチャイズ本部になると、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを3つお伝えしていきます。

(1)コストが削減できる

店舗を多数持つことで、大量仕入・大量生産ができます。そのため、仕入れや製造コスト・流通コストの削減が可能になります。

また、加盟店が出店する際に、店舗や内外装・設備費を加盟店が支払います。そのため、フランチャイズ本部が出す初期費用を安く抑えて店舗数を増やすことができるというメリットがあるのです。

(2)短期間で規模を拡大できる

加盟店が増えるということは、各地で展開ができ、事業規模を拡げられるということです。また、開業準備は加盟店と一緒に行うため、フランチャイズ本部が出店を増やすよりも手がかからず短期間で規模を拡大できるのは、フランチャイズ本部にとっては大きなメリットです。さらに規模の拡大により、知名度の向上やそれに伴い多くの集客が見込めるなど、フランチャイズ全体にも良い影響が期待できます。

(3)安定した収入を得ることができる

ロイヤリティなど加盟店の売り上げの一部を支払ってもらうことにより、フランチャイズ本部は安定して収入を得ることができます。これにより、フランチャイズ本部は自社商品やサービスの広告宣伝の規模を拡げたりすることができますし、売り上げが立っていれば参入したい人も増えて店舗を増やすことができるなど、循環良く収益を上げられます。

フランチャイズ本部のデメリット

フランチャイズ本部のメリットを紹介してきましたので、次にデメリットを解説します。

(1)サービスの質や内容に差が出る

加盟店のオーナーの経営能力には差があるため、サービスの質や内容にも差が出てしまう可能性があります。

サービスの質が店舗により異なると顧客の期待を裏切りかねません。加盟希望者は業界未経験の方もいます。そのため、どの店舗でもお客さまに一定のレベルの商品・サービス提供ができるよう、マニュアルやルールを作成する必要があります。加盟店が増えてきた場合や環境変化に応じて常に情報のアップデートも求められるでしょう。

(2)人材の育成や教育に時間がかかる

加盟店の人材育成は、フランチャイズ本部が行います。経営経験がないオーナーも成功できるよう、マニュアルを作成し成功ノウハウを伝えていく必要があります。また、パッケージ化するだけではなく、経営者としての考え方などを伝えていかなくてはいけないため、研修を設定したり、研修の準備をしたりする必要があります。また、加盟店が増えてきた場合、フランチャイズ本部がすべての加盟店のサポートをすることが難しくなります。運営に不安がある加盟店のために、フランチャイズ本部と加盟店をつなぐ役割としてスーパーバイザー(SV)を配置するなど、育成や教育には細かなサポートが求められるのです。

(3)加盟店の収益がそのままフランチャイズ本部の収益になるわけではない

直営店の収益はフランチャイズ本部の収益に直結します。しかし、加盟店とフランチャイズ本部は、ビジネスパートナーであるため、加盟店の収益がそのままフランチャイズ本部の収益にはならず収益の一部をロイヤリティとして受け取れるだけです。

(4)加盟店のトラブルによるブランドイメージの低下

加盟店のうち、どこか1店舗でもトラブルを起こすと、それがそのままフランチャイズ全体のブランドイメージの低下につながる可能性があります。ブランド力が大きいからこそのデメリットではあります。トラブルを招かぬようにするため、トラブルが起きた際の損害を最小限にするためにも、対処方法など加盟店への研修制度や法務での準備を常に行い、備えておく必要があります。

フランチャイズの大分類

フランチャイズには、どんな業種があるのでしょうか。多くの場合は、次の3業種に分類することが可能です。

・料理を提供する「飲食業」
・商品を販売する「小売業」
・目に見えないサービスを提供する「サービス業」

加盟するフランチャイズを選ぶ際は、「どのような業種・分野でビジネスをしたいのか」を意識すると、選びやすくなります。

また、業種によって必要な「開業資金」や「運営方法」が異なるということも覚えておきましょう。

例えば飲食業なら、調理器具を揃えたり厨房を配置したりする必要があります。小売業でも、コンビニエンスストアならATMやコピー機をはじめとする独自の設備が必要です。サービス業の場合は、スタッフを抱えて仕事をするなら、開業資金はほかの業種より高くなる傾向にあります。

業種選びでは、「どのようなお金がどの程度かかるのか」を、しっかり把握することも大切です。

フランチャイズを開業する際の5つのプロセス

フランチャイズで開業するプロセスと、それぞれのポイントを解説します。

STEP1:フランチャイズの情報収集をして知識をつけ、自分に合った業種・業態を見つける

起業に関する情報を扱う書籍やWebサイト、資料請求や説明会への参加などで十分な情報収集をし、自分に合った業種・業態を見つけましょう。

また、気になるフランチャイズの候補を絞り、実際にフランチャイズ本部に足を運び、話を聞くことも大切です。実際に担当者の方と会って話を聞くことで、自分が開業する場合の詳細な情報を得ることができます。また、不安や疑問を解消できるでしょう。

STEP2:エリアや物件の選定

開業エリアや店舗はフランチャイズ本部と相談して周辺人口やターゲット、競合の有無などを考慮し、エリアや物件を決めましょう。

STEP3:加盟するフランチャイズ本部の決定・加盟契約

情報収集を経て十分に比較・検討した後、加盟するフランチャイズ本部を決定し、フランチャイズ契約を締結します。比較・検討をする際には、競合のフランチャイズをよく調べることが重要です。

STEP4:開業準備・研修

開業に向けて店舗工事や備品準備、スタッフ募集と接客などの人材研修を行い、万全な状態で開業できるようにしましょう。

STEP5:開業

ついにオープンです。SNSで告知したり、プレスリリースを出したりして、多くの人に来てもらえるようなアクションをしましょう。

フランチャイズに向いている人はどんな人?

フランチャイズとは?わかりやすく徹底解説

ここまで、フランチャイズについてさまざまな観点から解説してきましたが、実際にどのような人がフランチャイズに向いているのでしょうか?

・フランチャイズ本部のマニュアルに沿って行動できる人
・フランチャイズ本部との良好な関係を長期間維持できる人
・フランチャイズ本部任せにせず試行錯誤できる人

以下で詳しく解説します。

(1)フランチャイズ本部のマニュアルに沿って行動できる人

加盟店オーナーである以上、フランチャイズ本部のマニュアルやルールに沿って運営する必要があります。自分の店舗であることに変わりはないですが、お客さまからすると、ほかのフランチャイズと同じ店なので同じサービスを期待されるからです。

独自のメニューや商品などをおきたい場合や独自で広告を出して集客したい場合などは、問題はないかフランチャイズ本部に確かめる必要があります。

フランチャイズのブランド力を保持するためにルールやマニュアルが存在しますがこれに沿って運営できないという人はフランチャイズに向いているとは言えません。

(2)フランチャイズ本部との良好な関係を長期間維持できる人

フランチャイズ本部を信頼し、フランチャイズ本部に提供してもらうノウハウやスーパーバイザーからのアドバイスを聞き入れ、それらに沿った店舗運営をできる人がフランチャイズに向いています。自分の思い通りの経営を行いたい人には向いていないでしょう。

(3)フランチャイズ本部任せにせず試行錯誤できる人

フランチャイズでは、フランチャイズ本部で定められたマニュアルに沿った運営を行わなければなりません。しかし、店舗によって周辺人口や環境に違いがあるため、マニュアルに頼りきらずに柔軟に対応できる人が向いています。主体的な工夫も成功のために重要です。

フランチャイズ本部を選ぶ際の4つのポイント

フランチャイズ本部選びは、最も重要です。フランチャイズで成功するフランチャイズ本部を選ぶためには、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか?いくつかのポイントを解説します。

(1)フランチャイズ本部の経営理念に共感できるか

フランチャイズ本部の経営理念や方針に共感できるかどうかが重要です。フランチャイズ本部の経営が納得できるものでない場合、フランチャイズ本部と自身の間でズレが生じ、開業後に後悔してしまう可能性があります。フランチャイズはマニュアルに沿った運営をしなければならないため、ここでズレが生じると、運営が難しくなってしまうでしょう。

(2)収益が見込めるか

フランチャイズ本部の市場でのポジションや規模から、加盟店にも収益が見込めるか、フランチャイズ本部の営業利益はどれくらいなのかなどをチェックしておきましょう。加盟店はロイヤリティを支払わなければならないため、収益率は重要です。

(3)フランチャイズ本部のサポート体制

開業前の人材研修や、スーパーバイザーによる継続的な経営指導の有無、マニュアルの充実度など、サポート体制も重要なポイントです。

(4)フランチャイズ本部を信頼できるか

フランチャイズは、フランチャイズ本部と加盟店がビジネスパートナーとして協働するため、信用は不可欠です。過去の情報の開示やリスクの説明、フランチャイズ本部と十分なコミュニケーションがとれるかなどから、信頼できるかどうか見極めましょう。

今すぐ知っておきたい!フランチャイズ用語の意味

次に、フランチャイズビジネスを始める前に知っておきたい、6つの「フランチャイズ用語の意味」を解説していきます。

・フランチャイザー
・フランチャイジー
・メガフランチャイジー
・スーパーバイザー
・フランチャイズパッケージ
・リクルーター

横文字ばかりで難しそうに感じるかもしれませんが、一つひとつの意味をわかりやすく解説していくので、安心して読み進めてください。

(1)フランチャイザー

フランチャイザーとは、日本語で「フランチャイズ本部」を意味します。

フランチャイズ本部の仕事は、主に2つあります。

1つは、フランチャイズ経営を任せられる経営者を探すことです。

もう1つは、フランチャイズ経営をしてくれる人に対して、ノウハウを伝えることです。ノウハウは、フランチャイズ本部にとって非常に価値のあるものです。どんな環境で成功・失敗をしてきたかという経験自体が、大切なノウハウになります。

さらに、ノウハウをマニュアル化することで、経営経験や業界経験がない人でも、ある程度成功できる道筋をつけることが可能になります。マニュアルさえしっかりしていれば、加盟店が失敗する確率を、ぐっと下げられます。

フランチャイズ本部の仕事は、加盟店に大きな影響を与えるのです。

(2)フランチャイジー

フランチャイジーは、「加盟する人」という意味です。つまり実際にフランチャイズ経営をする人= オーナーのことを指します。

加盟店は、フランチャイズ本部から経営ノウハウやブランドなどを受け取りつつ、ビジネスを成功させなければいけません。加盟店の成功は、ノウハウを伝えてくれるフランチャイズ本部にもかかっています。

しかし、フランチャイズ本部が加盟店を「どこまでフォローするか」は、フランチャイズ本部によって異なります。

フランチャイズ本部を選ぶ際は、「どんなビジネスをしたいのか」以上に、フランチャイズ本部のフォローは自分の必要とするものが含まれているかどうかに注目することが重要です。

(3)メガフランチャイジー

メガフランチャイジーとは、複数の店舗に加盟している企業のことを指します。

明確な定義はありませんが、フランチャイズ店舗を30店舗以上経営している、もしくはフランチャイズでの売上高が20億円を超えている企業がメガフランチャイジーであると言われています。

「メガフランチャイジーに関する調査・研究」(一般社団法人中小企業診断協会)
(P.1より)
※リンクの遷移先はPDFです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります

(4)スーパーバイザー

スーパーバイザーは、「加盟店への経営指導をする人」という意味です。フランチャイズ本部によって「ストアアドバイザー」「フィールドカウンセラー」と呼ばれることもあります。

フランチャイズ本部と加盟店の橋渡しをするのが、スーパーバイザーの仕事です。

(5)フランチャイズパッケージ

フランチャイズパッケージとは、加盟店が対価を支払うことによって、フランチャイズ本部から受け取る「さまざまな特権」のことです。

フランチャイズパッケージには、次のような権利が含まれます。

・フランチャイズ本部の商標を使用する権利
・フランチャイズ本部が開発した技術や経営ノウハウを利用する権利
・フランチャイズ本部から経営についての指導や援助を受ける権利 など

(6)リクルーター

リクルーターとは、加盟店の開発・募集担当者を意味します。加盟希望者の加盟検討から、契約締結までを支援するのが、リクルーターの仕事です。

リクルーターに最も求められているのは、「チェーンを拡大すること」であるため、加盟希望者の適性を見極める必要もあります。

また、加盟検討者にとって、契約内容は非常に重要なものです。疑問点は何でも質問し、少しでも不安があればリクルーターに相談し、希望がある場合は他のリクルーターの話も聞くなどして、納得して契約に進みましょう。

まとめ

いかかでしたか?「フランチャイズとは?」を、仕組みやメリット・デメリット、開業のプロセスや用語解説などさまざまな観点から解説してきました。

フランチャイズ本部は数多く存在するため、紹介したポイントを押さえて自身に合ったフランチャイズを見つけられるよう、まずは情報収集から始めてみてください。

独立開業・フランチャイズ・代理店ならアントレ<毎週金曜更新>

PROFILE

赤塚 元基

ライターを主とし、Webディレクター、オンラインサロン運営、代理店ビジネスなどで幅広く活躍中。自身の脱サラ経験を活かし、自分らしい生き方・働き方を目指す人の背中を押すような記事を書くことを心がけている。

アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。