独立開業して事業を成長させていく際、一緒に働くメンバーに力を最大限に発揮してもらうため、経営者・マネジャーはメンバーから「好かれる」ことが必要だと言います。
ただみなさんの中には、なかなかメンバーとうまくコミュニケーションが取れず関係性がぎくしゃくして困っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、メンバーから「好かれる」経営者・マネジャーになるために注意すべきポイントについて、お伝えしていきましょう。
大切なのは「ポジティブ思考」
まず、ここで言うメンバーから「好かれる」人とは、「メンバーからあなたの存在を必要とされている、頼りにされている」人で、メンバーが一緒に仕事したくなる人のことを指します。
ではメンバーから見て、どういう経営者・マネジャーであれば頼りにし、一緒に仕事がしたくなると思うでしょうか?いろいろなご意見があると思いますが、私は「考え方や気持ちを前向きに、ポジティブにしてくれる人」、ひと言で言えば「ポジティブ思考」の人だと思います。
「ポジティブ思考」とは、何事においても、きっとうまくいくさ、何とかなるものだなどと良い方向に考えが向くことです。特に、悪い状況の中でも前向きに考えること、物事を肯定的に捉える考え方です。
メンバーをマネジメントする経営者・マネジャーのみなさんは、ポジティブ思考で常にメンバーに前向きなメッセージを投げかけましょう。
たとえば、仕事がうまくいかず気分的に落ち込んだメンバーがいたら、話しかけて落ち込んでいる原因は何なのかを聞き出します。そして解決策を一緒に見出し、最後には前向きな気持ちになるようコミュニケーションします。
逆に、メンバーに自分の愚痴や不平不満をだらだら言わないよう気をつけましょう。嫌なことがあったとしても、それをプラスに変えていこうとする姿を見せ、ポジティブなメッセージを発信し続けることが、メンバーから「好かれる」ことにつながります。
メンバーに「好かれる」ための3つのポイント
では、メンバーに「好かれる」経営者・マネジャーになるには、何に気をつけたら良いでしょうか? ここでは特に3つのポイントについてお伝えします。
① 基本は笑顔
笑顔はまわりをポジティブにします。メンバーとは、笑顔でコミュニケーションするようにしましょう。
メンバーに話しかけられたときは、どんなに忙しくても、まず笑顔で応じます。厳しい表情をしたり、端末の画面を見たままで話を聞いたりしてしまうと、メンバーはあなたに話しかけづらくなり、タイミングを見計らい、もの凄く気を使って話しかけるようになります。そして徐々にあなたに話しかけなくなり、共有や報告が遅れることになります。そんな無駄な気遣いをメンバーにさせてはいけません。
メンバーから話しかけられたら、どんなに忙しくても仕事の手を止め、メンバーの方を向いて笑顔で話を聞く姿勢を見せましょう。常に笑顔で受け答えしていると、メンバーは「いつでも気軽に相談できる人」と思い、関係性が良くなります。
アメリカのペンシルベニア大学の研究によると「笑顔の人は、親切な印象を抱くと同時に能力が高い人に見える」という研究結果があるそうです。どんなに忙しくても、メンバーとは笑顔でコミュニケーションするようにしましょう。
② 傾聴し、大きな声で伝える
メンバーから「好かれる」経営者・マネジャーは、話すことよりも聞くことを重視します。メンバーの話にしっかりと耳を傾け、話の内容に共感した上で、解決策を伝えるようにしましょう。
また日頃のコミュニケーションの中でメンバーの良いところを見つけ、自然な形で相手に伝えましょう。メンバーが密かに誇りを持っているところやこだわりを持っているところなど、他の人とは違う角度から相手を捉えて、相手が本当に褒めてほしい部分を伝えると、メンバーから「好かれる」度合いが強まります。
よく自信がなくて声が小さくなってしまう方がいますが、絶対にダメです。たとえ良いことを言っていたとしても、聞こえなければメンバーに届きません。届かない声の持ち主は、当然ながら説得力を持つことはできないのです。話すときは大きな声でハッキリと言葉にしましょう。
③ 見た目にも気を配る
清潔感や身だしなみは、相手に与える印象を大きく左右します。メンバーから「好かれる」経営者・マネジャーは、髪型、服装、姿勢など、見た目に関わる全てを意識しています。背筋が伸びていて引き締まった身体の人が堂々と説明していれば、話す内容にも説得力が増すのは想像できるでしょう。
見た目というのは、顔のかっこよさやスタイルの良さだけで判断されるものではありません。人に不快感を与えない清潔感、状況に合わせた身だしなみができているか、気を配りましょう。
常に感謝を伝えつつ、うまく巻き込んでいこう
ここまで、メンバーから「好かれる」経営者・マネジャーになるためのポイントについてご説明してきました。
常にポジティブ思考で接し、髪型、服装、姿勢などに気を配りながらメンバーの話を傾聴すること、笑顔で前向きなメッセージを伝えることが必要だとお伝えしました。その際、常にメンバーに感謝の意を伝えつつ、巻き込むことが重要です。
よく「リーダーシップを発揮する」と言ってメンバーを引っ張ろうとする方がいますが、一方的にメンバーに自分の意見や要望を伝えても、メンバーはなかなか思うように動いてくれません。ひとりよがりな人を好きになる人はいないのです。
メンバーには、常に感謝の意を伝えつつ、前向きになれるようなメッセージを伝えることでやる気を引き出し、うまく巻き込んでいきましょう。
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