「メンバーの自主性を高めるためにはどう関わったらよいのか」と悩むリーダーの方は多いと聞きます。特に入社したばかりの新人メンバーについては、はじめの頃に「自主性」が発揮できるように育成できるかどうかで、その後の成長度合いに違いが出てきます。
ここでは、メンバーの「自主性」をどう育てていくのがよいのか、ご紹介していきましょう。
「自主性」とは、自ら率先して行動すること
自主性とは、「ある事柄に対して、誰かに指示される前に自ら率先して行動すること」です。
たとえば、入社したばかりの新人メンバーは、最初は何をどうしたらよいかわからないため、リーダーであるあなたに「何をどうしたらよいか」の指示を仰ぎ、その指示に従って仕事を進めることになります。
あなたも、メンバーに仕事の進め方を、はじめは一から十まで、事細かく指示するでしょう。ただ、いつまでもその状態が続くと、メンバーはあなたの「指示を待って行動する」ことが習慣になってしまい、自ら率先して行動することができなくなってしまいます。
そのため、「上司の指示で動くのではなく、自ら率先して行動」できるよう、メンバーの自主性を育てていくことが大切になります。
「自主性に任せる」だけではうまくいかない
リーダーの中には、「メンバーの自主性を育てたいので、仕事のやり方には口出ししない」という方の声がいらっしゃいますが、場合によっては、ただ放置しているのと同じになってしまうので注意が必要です。
仕事の指示をした後は、やり方をすべて任せてしまうのではなく、適宜メンバーの行動をチェックしましょう。仕事が順調に進んでいれば、そのまま見守ればよいのです。もし望ましくない行動をあれば、それを改善するよう再度指示することが必要です。そうしないと、メンバーは自分の行動に問題意識を持たなくなり、主体性を発揮して行動できなくなってしまいます。
メンバーの自主性を育てる3つのポイント
メンバーの自主性を育てていくうえで、特に気を付けたいポイントは以下の3点になります。
① 指示する内容を明確にする
メンバーに仕事を指示する際は、「いつまでに(納期)」「誰に(対象者)」「何を(内容)」「どのように(方法)」行うか、明確にして伝えることが大切です。よく「5H1H」に沿って指示内容を明確にしてあげるとよい、と言われますが、たとえば次のように伝えます。
・いつまでに(When):明日の12時までに
・誰に対して(Who):第1営業部のA部長に、
・何を(What):今日の会議で決まった次のアクション事項を
・どのように(How):Wordで議事録を作成して伝える
この際、メンバーが指示内容に迷うことなく行動できるよう、可能な限り具体的にわかりやすく伝え、支援してあげるのがポイントです。
② 目的を共有する
メンバーに指示する際、指示内容を伝えるとともに、「なぜこの仕事を行うのか(Why)」という指示する目的も一緒に伝えます。
たとえば先ほどの例でいけば、議事録作成を依頼する際に、「会議で決まった次のアクション項目をA部長に認識いただき、関係する営業部のメンバーに部長からも伝えていただきたいんだよね」と議事録作成の目的を伝えると、主体性のあるメンバーは「どうすればA部長から関係メンバーにアクション項目をわかりやすく伝えていただけるか?」と自ら考えるようになります。
ただやることを指示するだけでは、メンバーは単なる作業者になってしまいます。仕事の目的を伝えることで、メンバーに考える癖をつけさせましょう。
③ 達成したら、具体的に褒める
指示した内容について無事やり遂げることができたら、ちょっとしたことでもよいので、メンバーのよかったことを具体的に褒めるようにしましょう。
褒めることは部下の自信につながるだけではなく、次も頑張ろうというモチベーションにつながります。特に、自分の仕事に自信が持てないメンバーに対しては、指示した仕事が完了するたびに、小さなことでよいので具体的に褒めることを繰り返し、自信を持たせてあげるように取り組んでみましょう。
メンバーを褒めることができていないリーダーはけっこう多いと聞きます。小さなことでもよいので、何か具体的に見つけて積極的に褒め、メンバーの自信とモチベーションの向上を支援していきましょう。
期待を伝え、主体性を発揮できるよう、支援していこう
ここまで、メンバーの主体性を育てるための関わり方についてお伝えしてきました。
主体性を育てるために最も重要なのは、リーダーからメンバーに「自ら率先して行動することを期待している」と伝えることだと思います。メンバーからすると、リーダーから期待されていると認識できれば、モチベーションが向上して自ら考えるようになり、自然と行動力も上がります。
メンバーが主体性を発揮して行動できれば、チームのパフォーマンスは確実に向上します。ひとり一人のメンバーに期待を伝え、自ら率先して行動できるよう、支援していきましょう。
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