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ベンチャーキャピタルから資金調達するメリット・デメリットとは? 投資条件や審査についても解説します!

ベンチャーキャピタルから資金調達するメリット・デメリットとは? 投資条件や審査についても解説します!

成長を考えるベンチャー企業にとって、ベンチャーキャピタルは資金を提供してくれる重要な存在です。
ベンチャーキャピタルから資金調達を行う場合のメリットやデメリット、ベンチャーキャピタル内での投資審査内容やポイントなどを見ていきましょう。

ベンチャーキャピタルから資金調達を行うメリット・デメリット

ベンチャーキャピタルから資金調達を行うメリット・デメリットには以下のようなことがあります。

・メリット

①返済の必要のない資金を調達できる
ベンチャーキャピタルや投資家からの投資は、資本金や資本準備金となります。これらは借入金とは違い返済する必要のない資金のため、資金計画に余裕が生まれます。

②さらなる資金調達が行いやすくなる
資本金や資本準備金は貸借対照表上の純資産です。純資産が潤沢になると優良な会社として格付けが上がり、金融機関からの融資が受けやすくなります。

③信用力が上がる
ベンチャーキャピタルが投資を決めたベンチャー企業という評価が生まれ、周囲からの信用力が上がります。このことによって、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を引き出しやすくなります。

・デメリット

①既存株主構成による影響
ベンチャーキャピタルは企業の既存株主の属性を特に意識します。既存株主によっては、その影響力を気にして出資に消極的になり、投資が得られない場合があります。

②投資契約の内容による影響
既存株主が出資する際に締結した投資契約の内容が、あまりにも既存株主に有利な条件になっていた場合も、出資に消極的になり投資が得られない場合があります。

ベンチャーキャピタルに提出する事業計画書の作成ポイント

ベンチャーキャピタルに提出する事業計画書は、後述する投資委員会で注視されるポイントである、“スケール性”や“競争優位性”“経営者”“メンバー”などについてわかりやすく具体的にまとめていきます。特に市場規模の想定や競合他社、売上根拠などは客観的なデータを参照させながら説明していく必要があります。

投資委員会の審査について

投資委員会で最終的に投資を行うかどうか、どのような条件で投資を行うかを判断します。判断を担う委員は、ベンチャーキャピタル内部の役員クラスや外部の有識者が担うのが一般的です。

・注視されるポイント

①スケール性
スケール性とは、将来性があり成長の可能性があるかという点です。世の中を変えてしまうような革新性をもち、新たな市場を作る先駆者的な役割を担えるかどうかを見極められます。投資した金額が何十倍、何百倍にもなるくらいの可能性を秘めているどうかがポイントになります。

②競争優位性
他社が真似できないような特徴をもっているかどうかです。独自のノウハウやテクノロジー、特許権などが該当します。行おうとしている事業にスケール性があるとしても、他社が安易に真似できるようでは、成長は期待できません。

③経営者
経営者個人がどのような人物か判断されます。これまでのキャリアや実績はもちろん、事業に対するやる気や思い、成功させるという強い意志はあるか、人間性、財産状況、人脈など、大金を投資するに足る人物かどうかを多面的に判断します。

④メンバー
どのようなメンバーが協力するのかです。成長著しいベンチャーは良いメンバーの存在が不可欠です。メンバーの役割はなにか、その人物のキャリアや実績も大きなポイントです。特に、参加メンバーのなかで、過去ベンチャー企業立ち上げで実績を上げてきた人物がいると、成功可能性が上がると期待できます。

⑤財務内容
決算書や試算表も評価されることになります。これまでの売上や利益の状況、お金の使いみちなど貸借対照表や損益計算書はしっかりと確認されます。お金の使いみちに、役員報酬が高額だったり、多額の経営者への貸付があったりすると要注意となります。

⑥審査期間
全体での審査期間はベンチャーキャピタルによってさまざまですが、トップダウン型のベンチャーキャピタルの場合、接触してすぐに投資という場合もありますし、投資委員会を何回も行うようなベンチャーキャピタルだと1年以上かかる場合もあります。多くの場合は最初の接触から、おおむね2~6カ月程度で投資実行となります。

ベンチャーキャピタルの投資条件とは

投資条件の内容は投資委員会で決定します。企業に対して、いくら投資するか、どのくらい議決権を持つのか、株式の種類はどうするか、経営に関することなど諸条件を決定し、投資契約にまとめます。投資に当たっては投資契約を結ぶのが一般的です。

まとめ

ベンチャーキャピタルから資金調達を行うメリットは、返済の必要のない資金を調達できたり、さらなる資金調達が行いやすくなったりすることです。デメリットは、既存株主構成と投資契約の内容により、出資に消極的になり、投資が得られない場合があることでしょう。
ベンチャーキャピタルでは投資委員会が投資するか否か、投資条件などを決定します。スケール性や競争優位性、経営者、メンバーなどを審査のポイントにしているため、事業計画はこれらについて具体的に、根拠立ててまとめていきます。

PROFILE

V-Spiritsグループ 代表 中野 裕哲

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、CFP(R)
年間約300件の無料相談を受ける。経済産業省後援DREAM GATEで8年連続相談件数No.1。
「相談件数№1のプロが教える 失敗しない起業の法則55」ほか、起業に関する著書多数

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