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漫才の「つかみ」にならう! 相手と“踏み込んだ”関係になるための心理テクニック

漫才の「つかみ」にならう! 相手と“踏み込んだ”関係になるための心理テクニック

もっと相手と打ち解けることができれば、仕事が速く進むのに…

真面目な人ほど仕事中は固くなってしまい、コミュニケーションが表面的になりがちです。

その一方で、1流のビジネスパーソンは相手の懐に入るのがうまいもの。一見仕事と関係のない話題で心理的な距離を縮めつつ、仕事のやり取りも円滑にできるようにしているのです。

ではどうすれば、相手と打ち解けることができるのでしょうか?

心理学者の内藤誼人先生の、独立に役立つ心理学シリーズ。今回は相手と打ち解けるためのテクニックについて伺いました。

内藤先生によると、その心理テクニックはとてもシンプル。「相手を楽しい気持ちにさせること」が最大のポイントだそうです。

プライベートな話題は、「相手が楽しい気持ちになったとき」に切り出す!

相手と打ち解けるには、「家族構成」や「休日の過ごし方」といった、プライベートな話題を話してみるのが良いでしょう。

しかし、このような仕事と関係のない話題を出すのは、いつでも良いわけではありません。「相手が話したい」と思ったタイミングで切り出すのが効果的です。

では相手はどんな時に、「プライベートな話題を話したい」と思うのでしょうか?

ここで、ロンドン大学のアラン・グレイ先生が行った実験をご紹介しましょう。

グレイ先生は12人の大学生をA・B・C、3つのグループに分け、グループAにはコメディー映画、グループBには美しい自然のドキュメンタリー番組、グループCにはゴルフのレッスンビデオの映像をそれぞれ10分間見せるという実験を行いました。

グループを3つに分けた理由は、映像が流れた後、コメディー映画を見たグループAは「楽しい気持ち」に、ドキュメンタリー番組を見たグループBは「心地よい気持ち」に、グループCは「気持ちの変化がない」か、「退屈」な心理状態にするためです。

グレイ先生は、映像を見終わった学生たちにさまざまな話題を提示し、その中から「今自分が話したい話題」を5つ選ばせました。

その結果、コメディー映画を見て「楽しい気持ち」になっているグループAの学生たちが、もっとも多くプライベートな話題を選んだのです。

ここで注目したいのは、美しい自然のドキュメンタリー番組を見たグループBの学生たちは、プライベートな話題をあまり選ばなかったことです。

自分自身の話をしたくなるためには「心地よい気持ち」ではなく、「楽しい気持ち」になる必要があることが分かりました。

ビジネスシーンで打ち解けるために、相手を飲み会やランチに誘うことは良くあるでしょう。ところが、美味しい食事を食べてもらうだけでは「心地よい気持ち」にはなりますが「楽しい気持ち」にはなりません。

相手が「楽しい気持ち」になって打ち解けてくれるためには、こちらが盛り上げたり、面白い話をしたりといった努力をする必要があります。

せっかくの食事の機会を最大限に活用するべく、相手をいかに「楽しい気持ち」にさせるかを意識してみましょう。

ドジな話で自己開示。「ほどほどのミス」が距離を縮める

相手と打ち解けるには、自分のドジな面を見せるのも有効です。

例えば職場でお弁当を広げる時。「いやあ、うっかり娘の弁当を持ってきてしまって」というような、ちょっと笑ってしまう自分のミスを相手に伝えてみましょう。

注意すべきなのは、相手と打ち解けようとするあまり「この人大丈夫?」と思われるような大失敗の話をしてしまわないことです。

「昨日酔いつぶれてカバンを電車に置いていきそうになって、慌てて取りに戻ったんです」というような話はするべきではありません。誰にでも起こりうる程度のミスの話をするのが無難です。

そもそも、自分のドジな話をする大前提として、きちんとビジネスマナーを守る人と認識されていることが大切です。

だらしない人がミスの話をしても、ただでさえ悪い印象がさらに下がるだけです。

パリッとした印象の人が意外な一面を見せるからこそ、相手と打ち解けるきっかけになるのです。

“つかみ”と“肩書”をうまく使って、相手の懐に潜り込め!

人と会う機会が多いビジネスパーソンであれば、初対面の相手を楽しい気持ちにさせる、お決まりの戦法を準備しておくと良いでしょう。

例えば、お笑い芸人はコントの冒頭でお決まりのギャグを言うことが多いですね。いわゆる「つかみ」というやつです。

この「つかみ」を、自分の中でいくつかストックしておきましょう。

私の場合は、大学の初回授業の冒頭で「カリスマ心理学者の内藤誼人です。まぁそう呼んでるのは自分だけなんですけどね(笑)」と自己紹介します。

そうすると教室に笑いが生まれ、教壇に立つ前とは教室の雰囲気が変わります。そして明らかに生徒がこちらを注視してくれる率が高くなります。

とはいえ「いきなり笑いを取るのは難しい」という方は、名刺の肩書を工夫するのが良いでしょう。

例えば「スーパーセールスマン 内藤誼人」と名刺に書いておけば、「スーパーセールスマンってなんですか?」と、相手のツッコミから話を広げることができます。

このような方法を試しても、最初は思うようにはいかないかもしれません。ですが、落ち込むことはありません。プロの芸人でさえ、100%笑いを取るのは難しいのですから。

何度か試行錯誤して、自分の型を見つけていきましょう。

ビジネスで相手と打ち解けるために大切なのは、とにかく「相手を楽しい気持ちにさせること」。あの手この手で工夫して、楽しみながら人間関係を築きましょう!

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に「いちいち気にしない心が手に入る本」(三笠書房)
「最高に幸せになる「口ぐせ」」(秀和システム)など。
講演会・セミナーの依頼は、株式会社ブレーンまで。

株式会社ブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.kkbrain.co.jp/

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